25坪の土地に建てる家 – そのメリットやデメリット、間取り例などを詳しく解説

マイホームを検討していると、どんな間取りにしようとか、家のデザインや内装はどうしようなどとイメージがふくらみますね。

ところでそのマイホームを建てる土地は、どれくらいの坪数か決まっていますか?

頭の中でイメージするだけでは、土地や建物の広さから実感を持って考えたものではないため、実際に建ててみたら想像よりも狭いし住みにくかった……なんてことにも。

人生でもっとも大きな買い物でもあるマイホームだからこそ、失敗はしたくないものです。

今回は、土地の坪数を25坪にしぼって、この坪数であればどんなマイホームが建てられるのかを、実際の住まいの紹介や、25坪の土地に建てることのメリットデメリットなどとあわせてイメージしやすいように紹介します。

25坪の土地に家を建てる

25坪の土地は平米数に換算すると約82.6㎡です。帖数なら約50帖。

しかし、25坪の土地に家を建てるといっても、土地いっぱいに25坪分の家が建てられるわけではありません。土地によって建ぺい率(建蔽率)や容積率などの制限が関わってくるためです。

建ぺい率とは、風通しや防災のための規制基準で、土地面積に対する建築面積の割合のことです。計算式は「建ぺい率=建物面積÷敷地面積×100」です。

建ぺい率の基準は、それぞれの地域や建てる場所によっても変わってきます。たとえば、建ぺい率が50%なら、82.6㎡(25坪)×50%=41.3㎡(12.5坪)が建築面積になります。

容積率は、道路や下水などの公共施設とのバランスや居住環境の保護ための基準で、敷地面積と建物の延床面積の割合のことです。計算式は「容積率=延床面積÷敷地面積×100」です。なおバルコニーやベランダ、ロフトなどは延床面積には含まれません。

容積率は、地域や前面の道路幅などによって変わってきます。容積率80%なら、82.6㎡(25坪)×80%=66.08㎡(20坪)が建物の延床面積になります。

土地を購入してから、思いのほか狭い家しか建てられなかった……とならないように、事前にしっかりとシミュレーションしておきましょう。

25坪の土地の広さにどんな家が建てられるの?

25坪の広さがあれば、間取りはゆとりのある2LDKか、作りによってはコンパクトな3LDKが多いでしょう。工夫しだいでは4LDKも可能で、世帯人数が3人~4人の家族が暮らせる広さが確保できるでしょう。

意外と狭いのでは?といったイメージもある25坪の土地ですが、インナーガレージを設けたり、ロフトを活用したりといった工夫で、空間を有効活用することができます。

25坪の土地は住宅密集地にあることも多く、隣家との距離が近くて日当たりに恵まれないことも。そういった場合でも、吹き抜けや勾配天井、坪庭を設けるなどすれば、明るく開放的な居住空間を作り出すことが可能です。

25坪の広さでも、こういった工夫しだいで家族みんなが快適に暮らせる理想の家が手に入ります。

25坪の土地に家を建てるメリット

通学する二人の小学生

25坪の土地に家を建てるメリットは、都心や駅近など利便性のよい環境が手に入りやすいこと。通勤や通学、毎日の買い物などの負担を軽減でき、時間を有効に使え、ストレスも軽減できます。

25坪と小さいがゆえに、広い土地に比べて土地の費用が抑えられ、その分を建物や室内設備の費用に充てたり、ローンの負担を軽減することも。土地や住宅にかかる、固定資産税や都市計画税が抑えられる可能性もあります。

都心部や地方都市の駅近など、なかなか希望の土地が見つかりにくい人気のエリアでも、25坪なら取得しやすい広さです。駅近などの人気エリアで探すとマンションが多くなってしまいますが、どうしても一軒家に住みたい人には最適な選択肢ともいえます。

居住スペースがコンパクトであれば、掃除や屋内移動の負担も減らせます。他にも、家族の気配を感じやすいのでコミュニケーションがしやすい、冷暖房の効きがよく光熱費を節約できるなどなどのメリットもあります。

25坪の土地に家を建てるデメリット

25坪の土地に住宅を建てるデメリットは、広さや高さに制限があるため部屋数を増やせないこと。

無理に部屋の数を増やしてしまうと、壁が多くなり、圧迫感を感じたり、部屋が壁スペースのために狭くなったりしてしまいます。

部屋を広く見せて開放的な空間にするために、吹き抜けやロフト、スキップフロアなどの方法がありますが、場合によっては費用が高くなってしまうことも。思わぬ出費にならないように注意しましょう。

25坪の土地に建てた住居は、狭小住宅に似た建物なので同じようなデメリットも発生します。

たとえば、狭い土地に建てるので建設コストが割高になりがちです。建設現場から離れた場所に資材を置かなければいけいない、隣家と距離が近く専用の足場を組む必要がある、大きな重機を入れられないなどが、費用を高くしてしまう要因です。

家を建ててから子どもが産まれたり、親の介護で同居するなど、急に世帯の人数が増えると、部屋数が足りなくなってしまうこともあります。将来のことまできちんと考えて、間取りを考えるようにしましょう。

25坪の家での間取りバリエーション

空間が限られた25坪の家では、間取りを工夫して収納スペースを確保する、広がりを持たせるような設計にするといったことが行われています。

駐車スペースの確保が難しい場合はビルトインガレージにしたり、ロフトやウォークインクロゼット、パントリーでより多くの収納スペースを設けたり。プライベート空間や明るさの確保のために吹き抜けにし、LDKを2階に配置するといった工夫で、デメリットを解消しています。

25坪の土地では多くの部屋を設けるのは難しいですが、空いた小スペースをテレワークスペースや趣味の空間などに活用して、プライベート空間を作っている住居も多くみられます。

25坪程度の土地に建てた家の間取りや費用相場

約25坪の土地に実際に建てられた家の間取りや、事例、その費用相場を紹介します。

どういった家が建てられているのか見ることで、自分の求める理想の家がより具体化されるのではないでしょうか?

17坪の狭小地でも理想を実現!明るく開放的な住まいに

約17坪の狭小地に、夫婦と子ども2人が住む3LDKの住宅です。

ブラックの外観でシックに。インナーガレージがあり、駐車場所も確保できています。LDKは2階に。住宅密集地で日当たりがあまりよくはありませんが、吹き抜けを通して明るく柔らかい光が降り注ぎます。

見晴らしのよい3階は、子ども部屋とバスルーム。はしごを使って上るロフトで収納スペースも確保でき、子どもの遊び場にもなっているのだそうです。天井は小窓を付けた勾配天井で、開放感と採光性がアップしています。

価格は2,030万円ほど。インナーガレージの相場は、1台分で200〜400万円ほどになります。狭さを感じさせない間取りと明るさで、自然と家族のコミュニケーションや笑顔が増えそうな住まいですね。

メーカー名:マドリヤアーキテクツ 一級建築士事務所
参考:建築面積10坪の住宅密集地に、吹き抜け配置で理想の明るい住まいに

大好きな愛車と暮らす家

28.2坪の土地に、夫婦と子ども1人が暮らす1SLDKと小屋裏収納のある住まいです。

特徴は、玄関を兼ねた土間ガレージ。バイク2台が置け、その場でメンテナンスもできる11畳の空間です。ほかにも、家族でバーベキューができる広いバルコニーや、車の駐車スペースと洗車ができる庭があります。

一方で、広さが限られているので、2階のLDKや、1階の寝室、子ども部屋は最小限にするなどメリハリのある設計になっています。

LDKは吹き抜けで明るい空間に。リビングからはしごで上ると小屋裏収納になっており、収納スペースも確保されています。洗面所にはファミリークローゼットもあり家事の負担軽減にも役立っています。収納を一か所にまとめれば、各部屋の収納は最低限で済みますね。

家の外観は真っ黒なガルバリウムで、大きな窓が特徴です。デザイン性とメンテナンスのしやすさを両立しています。

価格は2000万円ほど。こだわるところはこだわって、費用を削れるところは削ってと自分たちの理想が実現できています。自分たちが暮らしやすい家になるように、とことん考え抜かれている快適で満足度が高い住まいですね。

メーカー名:TAINN DESIGN 一級建築士事務所
参考:都内の狭小地で実現。大切な愛車をいつも見守れる土間ガレージのある家

京都らしい和テイストな住まいで、快適性と機能性を両立

22坪の土地に夫婦2人と子ども2人で暮らす2LDKの住まいです。

外観は京都の景観条例を遵守し、アースカラーに縦格子が和テイストをさらにアップさせ、京都らしさを出しています。夫婦が共働きということで、「家事を楽に、居心地のよい家に」をコンセプトにしています。

1階は、玄関土間スペースとLDK。L字型の吹き抜けから明るい光が降り注ぎます。

キッチンとバスルームや洗面所が隣り合わせなので家事動線もスムーズ。共働きで時間が限られている夫婦にとって、家事の時短は大事なポイント。隣の家と距離が近いため、隣接する面はプライバシーを重視して小さな窓にしていますが、吹き抜けがあるので薄暗いといったことはありません。

2階は、将来子ども部屋にすることを考えたフリースペースと、家族の寝室になる畳のスペース。自然素材を取り入れリラックスできる雰囲気ですね。ウォークインクローゼットや仕事スペース兼収納となるロフトもあり、収納スペースも十分に確保されています。

価格は2,500万円〜2,599万円。和のテイストを取り入れ、家に帰るとほっと一息つけるような空間です。快適さと効率性を両立させているので、共働きなど時間に忙しい家庭でもしっかりと家族の時間を確保できそうですね。

マーカー名:ATELIER YI:HAUS
参考:楽しく子育て、ラクに家事。自然素材と高性能の快適さも満喫

狭小地であることを忘れさせる開放感のある家

25.5坪の土地に夫婦2人が暮らす住まいです。コンセプトは「小さく、大きく」。限られた広さでも、広く見せる工夫が随所にあります。

外観はシンプル。インナーバルコニーや玄関の木がワンポイントとしておしゃれさを演出しています。玄関を入ると、正面はウッドデッキに続くガラス戸。自然光を取り入れながら、空間の広がりを持たせています。

1階の洗面室は3帖と広めで、大きな鏡や窓、壁に棚を埋め込むことでより広く感じられるように工夫されています。2階のLDKにはインナーバルコニーが隣接し、光を取り入れながら開放感ある作りに。

キッチンは空間が広く使えるように壁付けにし、すぐ横にはパントリーを設置。冷蔵庫や電子レンジは、リビングから見えないようにして部屋全体をすっきりとさせています。

ロフトの階段はスケルトンで圧迫感を感じさせることなく、体への負担が軽減できるやさしい設計です。こぢんまりとした書斎スペースの内窓からは、インナーバルコニーを通して外の景色が眺められ、開放感とともにリラックスして作業に集中できそうですね。

価格は3,000万円ほど。限られた空間なのにまったく狭さを感じさせない住まいになっており、リラックスして暮らせるのではないでしょうか。

メーカー名:スタジオカーサ 一級建築士事務所
参考:外に閉じ、内に開く。インナーバルコニーや吹抜けがもたらす開放感を愉しむ家

25坪の土地に「スマートモデューロ」という選択肢も!

25坪の土地にマイホームを一から建てる以外の選択肢はないの?と考えている人もいるのではないでしょうか。

そんな人には、高級木材を使ったムービングハウス「スマートモデューロ(以下、スマモ)」を候補に入れてみてはどうでしょう?

スマモは高級木材を使用したムービングハウス

スマモは、高級木材を使用したムービングハウスです。現場で一から建てるのではなく、工場で製造した建物を現地に運んで設置するため、輸送しやすいように海上輸送用コンテナと同じサイズになっています。

しかし、コンテナハウスやユニットハウスとは似て非なるもの。スマモは、フレームからすべて木材を使ったまったく別の住まいです。

スマモには3m(約10㎡)、6m(約18㎡)、12m(約30㎡)の3サイズがあります。それぞれ連結が可能で、組み合わせてフロアを増やしたり、条件しだいですが2階建てにしたりもできます。

設置にあたっては周囲にある程度の広さが必要になりますが、トラックが入れる道があれば狭小地に設置することも可能です。基礎工事が済んでいれば、2週間という短期間で利用でき、離れとして使う人もいるほど。

完成した建物を短期間で設置するので、ご近所に工事の音で迷惑がかかりにくいのも魅力ですね。

スマモは高級住宅並みの居住性能

スマモが高級住宅に引けを取らない居住性能を実現しているのは、細部までこだわり抜いているから。

最先端の3層ガラスサッシを使った窓は、断熱性、気密性、水密性、耐風圧性、遮音性に優れ、窓の近くにいても寒さを感じず快適に過ごせます。窓は四方の壁のどこにでも設置できるので、しっかりと日差しが取り込め、風通しのよい家ができるのです。

床は傷や凹みに強い2種類の木材を使用。木材、気密ポリフィルム、断熱材の3層構造で床冷えの心配もありません。

屋根は、屏風のような形をした折板屋根を使用し、しっかりと外断熱処理をしているので暑さや寒さ対策も万全。また、通常よりも2倍以上厚いガルバリウム鋼板を使っているので、高い耐久性や耐腐食性を持っており、厳しい気象条件の土地でも耐えられる作りになっています。

内装は柱を剥き出しにした、あらわし構造。湿気を防ぎ通気性もアップするのでカビを防ぐ効果も。この奥行きを利用して戸棚やラックをDIYするなど、アイデアしだいでオンリーワンの空間を生み出せます。

スマモには決まった間取りはないので、自分で好きなようにカスタマイズしてより使いやすい空間にできます。もちろんガスや電気、水道などのライフラインも引いてお風呂やトイレ、シャワーなども設置可能です。

スマモであれば、一般住宅以上の性能を感じながら快適に過ごせますね。

スマモは購入だけではなくレンタルも可能!

高級木材を使ったりとスマモは費用も高いのでは?と思うかもしれませんが、注文住宅と比べても手頃な価格となっています。

また、すマモは36カ月以上の契約が必要にはなりますがレンタルでの利用もできるので、初期費用を抑えて住むこともできます。もちろん気に入れば、そのまま買い取りも可能です。

サイズ 価格 1カ月のレンタル料
3m 2,750,000円 22,000円~
6m 3,960,000円 39,600円~
12m 6,600,000円 66,000円~

サイズやオプションの有無などでも料金は変わりますが、賃貸物件の家賃とそれほど変わらない費用で利用可能なのも魅力ですね。

住まいとしてだけではなく、リモートワークの仕事部屋や離れに活用している人もいますし、キャンプ場の管理棟やトイレ棟などにも利用されています。

実際に福岡で事務所として利用している企業のインタビューもあるので、こちらの記事も参考に、注文住宅を建てる以外の選択肢としてスマモを検討候補に入れてみてはどうでしょうか?

「25坪の土地に家を建てる」もあり!

25坪と聞くと、狭いのでは?と思ったり、広さや住んでからの想像がつきにくい人も多いのではないでしょうか?

利便性のよさやトータルの費用などから人気な面もありますが、人気だからと勢いで選んでしまうのは考えもの。思いのほか建築コストがかかってしまったり、狭くて使い勝手のよくない家になってしまったりと気を付けないといけないデメリットもあります。

ですが、25坪でも工夫しだいで、理想を実現した住まいを建てることは可能です。

自分の暮らしにぴったりな広さを見つけて、快適に暮らせる住まいを手に入れましょう!