絶対に知っておきたい!コンテナハウスのデメリットまとめ
コンテナハウスは見れば見るほど、知れば知るほど、魅力がたっぷり。住居や店舗と使い方に想像もふくらみます。
しかし、購入する際にはコンテナハウスのデメリットについてもきちんと知っておきたいもの。
購入してから「こんなはずでは……」と後悔しないためにも、知っておくべきポイントを理解しておきましょう。
コンテナハウスは魅力がいっぱい!だけど思わぬ落とし穴も。
コンテナハウスと聞くと、海上輸送用のコンテナを使用した住居を思い浮かべる人も多いでしょう。
コンテナを使用することで独特のデザインの住宅になる上に、海上輸送のコンテナは堅牢で、地震大国である日本にピッタリの住宅ともいえそうです。
一方で、コンテナハウスは既存の素材を用いるため安い費用で建築できると思われがちですが、実際にはそうではありません。
中古品のコンテナの多くは日本の建築基準法に適合するように補強する費用が必要になりますし、また、コンテナの立方体構造の柱部分を取り外すと強度が低下してしまい、間取りに制限がかかってしまいます。
コンテナハウスの利点のひとつに数えられる運搬の容易さについても、電気・ガス・水道といったライフラインの撤去・再敷設を考慮しなければいけませんし、コンテナを運ぶ際にトレーラーやクレーンが入れるかどうかを確認する必要があるなど、注意しなければならない点があります。
おしゃれで安い!と魅力いっぱいに見えるコンテナハウスですが、思わぬ落とし穴もあります。ここでは、コンテナハウスのデメリットを詳しく見てみましょう。
コンテナハウスを買うだけでは住めないの?
コンテナハウスは購入すれば終わり!とはいきません。コンテナハウスの本体以外にかかる費用も見みてみましょう。
一般の住宅と同様にかかる費用
- 土地代
当然ですが、コンテナハウスを設置する土地が必要です。 - 基礎工事
コンテナハウスは土地にそのまま置くのではなく、水平を取るため、不同沈下を起こさないために設置する基礎の工事です。 - 断熱工事
コンテナは重量鉄骨構造で、周囲をコルゲート鋼板で覆う構造です。つまり熱伝導率の高い「鉄」で覆われています。断熱材を入れるなどの工事をしないと、夏は暑く、冬は凍える寒さ、おまけに結露し放題の家になってしまいます。 - 電気・ガス・水道などインフラ
居住するために必要な工事です。コンテナハウスの利点である移動がしやすい点を生かす場合は、取り付け・取り外しのしやすい設備を選択する必要があります。 - 防蟻工事
コンテナハウス自体は蟻に食べられませんが、断熱材は蟻の被害に遭います。基礎部分に防蟻工事を施すことは一般の木造住宅と変わりません。
一般的な住宅と異なる点は、比較的移動がしやすいので、借地契約で一定期間居住したあとは別の場所に移動といった選択肢があることです。
コンテナハウスだと必要になる費用
- 運搬費
コンテナハウスを運搬して搬入する費用です。トレーラー費用に加え、吊り下げ用のクレーン費用も必要です。 - 防錆工事
断熱工事の項目でも書きましたが、コンテナハウスの主な構造材は鉄です。防錆工事をしないとサビや漏水の原因になります。購入時の防錆工事に加え、定期的に行う必要があります。 - 漏水対策
窓やドアの隙間、複数のコンテナを連結している場合はそのつなぎ目など、なにもしなければ水が漏れてきます。水の侵入を防ぐのはシーリング材などで防水対策を施し、以降も定期的にメンテナンスを行う必要があります。
これらの金額を積み上げると、木造住宅よりコンテナハウスを購入する方が費用がかかってしまう場合があります。費用面で後悔しないために、事前にしっかりと確認するように注意して下さい。
コンテナハウスの費用については「意外にかかる?コンテナハウスの価格の全て」で詳しく解説しています。
移動したいときにすぐ移動……には準備も手間も必要
コンテナハウスのメリットでよく挙げられるのは「すぐ移動できる」ことです。しかし実際には、コンテナハウスの移動には費用も手間もかかります。
コンテナハウスを移動する際には、まず移設先の土地を確保しなければなりません。次に業者の選定です。移設先の基礎・給排水・電気などの設備工事のほかに、移動元の給排水設備の取り外しなども必要です
移設先が県をまたぐような遠方の場合は、対応してくれる業者が限られることも考慮しておきましょう。
その他にも、コンテナハウスはトレーラーハウスと異なり建築物なので、移設先での建築確認申請などの手続きが必要であることも忘れてはいけません。
コンテナハウスは簡単に移動ができるイメージがありますが、移設先の決定から実際に住むまでには意外と手間と時間がかかります。
中古のコンテナハウスは建築確認申請を通すのは難しい
ところで、コンテナハウスに使用されるコンテナは「コンテナ船で使用している輸送コンテナ」だと思っていませんか?
コンテナ船で使用するコンテナは「ISO規格(国際的な標準規格)」で定められ、同じ規格を用いることでどの港で荷上げしても問題なく運搬することができるようになっています。
一方で、日本国内でコンテナを用いた住居などを建築する場合が、「建築確認申請」に通る規格のコンテナを用いなければなりません。ISO規格のコンテナは以下の2点で建築確認申請を通すのが難しいです。
- 外側の鋼板が構造材になっているので、窓やドアを設置するために開口を開けると急激に強度が低下してしまう
- 建築基準法が定めるJIS鋼材を使用していない
中古(ISO規格)のコンテナを用いる場合は、建築確認申請を通すために鉄筋の追加など補強を行うとともに、構造的に建築基準法に適合するか構造計算を行う必要があります。
そのため、結果として中古の輸送用コンテナで住宅を建築すると逆に費用が高くなることもあり、建築用の規格コンテナを使うことが一般的になっています。
断熱効果は一般住宅レベル
コンテナハウスの断熱性は製品によって大きく異なります。
一般的な住宅で使用されるグラスウール、成形されたウレタンをはめ込むウレタンフォーム、発泡性のある薬剤を吹き付ける発泡ウレタンフォーム、外張り断熱など断熱処理方法はさまざまです。
コンテナハウスは外壁が鉄で熱伝導率が高いため、断熱性能が低い製品を用いると夏は暑く冬は寒くて凍える家になってしまいます。快適に住むためにも、断熱材は費用がかかってもしっかりとしたものを選びましょう。
断熱材を性能の高いものにすればエアコンなど空調の効きもよくなり、長期的に見れば電気代やガス代の節約にもなります。
また、コンテナハウスでは外壁の熱伝導率が高いため、鉄板内部と断熱材の間に結露が発生しやすいといわれています。結露を抑えるためには、隙間が無くなる発泡ウレタンフォームや、外張り断熱を用いるとよいでしょう。
ただし、どちらも費用が高額になることや、外張り断熱の場合は外観デザインがが見えなくなってしまうことに注意しましょう。
コンテナは錆びる
コンテナは材質が鉄であるため、サビが発生しやすく、放っておくと穴が空いてしまうことも。
もちろん、コンテナを住居とする場合は防錆対策をするので一定期間はサビを防ぐことができます。ただし、おおむね5年ごとのメンテナンスが推奨されており、頻繁にメンテナンスを行う必要があります。
さらに、コンテナとコンテナを繋ぐ目地部分から雨水が侵入すると、内部でサビが増殖してしまう可能性もあります。目地を構成するシーリングは外壁以上にメンテナンスに気を遣う必要があります。
コンテナハウスは丈夫で頑丈そうに見えますが、一般的な住宅に比べてメンテナンスの頻度が多いことは建築前に知っておくべきことでしょう。
運ぶときに車両が通れなければ設置できない
コンテナハウスのメリットのひとつは、大小さまざまなサイズがあること。建築する土地が狭小地であっても、3mほどの小さめのコンテナで建設することができます。
ただし、設置する場所だけではなく、敷地まで運び込む道路にも注意しましょう。
コンテナハウスの建築には、コンテナ本体を載せるトレーラーやコンテナを吊り上げるためのクレーンが必要です。道幅が狭いと工事用車両が通行できず設置できないことも。
さらには、家の前の道路までは入れたけど、道路から庭に運び入れる通路が通れなかった……といった例も。
この他、道路幅や通路は大丈夫だけど、敷地周囲の電線や電柱が支障となって運搬できない場合も……。このようなことを避けるためにも、事前に業者にしっかりと確認することが大切です。
エアコンなど動かせないものは配置が重要!
コンテナハウスのメリットのひとつに、コンテナ同士を連結させて間取りを自由にアレンジできる点があります。
とはいえ、デザインなどばかりに目を取られていると、たとえばL字型の建物にしたらエアコンの風が奥まで届かない……、一方は暑く一方は寒い部屋になってしまった……、ということも。
サーキュレーターで空気を撹拌したり、エアコンを増設したりといった事後対策もありますが、建て終わってから失敗に気付いてしまうと、コンセントや配管増設のために断熱材に穴を開けることになり、断熱性能が低下するといった別の弊害が生じる可能性もあります。
建築後の生活をシミュレーションして、特に設置したら動かせないものは念入りに設置場所や設置台数などを検討するようにしましょう。
コンテナハウスの中に入れたかったものが入らない!
コンテナハウスで建築する人は、自分なりのこだわりや目的を持っていることでしょう。
たとえば、ピアノのレッスン教室やエステサロンを開きたい!アンティークの棚や机を設置しておしゃれな空間で暮らしたい!キングサイズのベッドで広々と寝転がりたい!
こういった目的を叶えるためには、コンテナ内に設置したいものがきちんと入るかどうかを検討しなければなりません。ピアノの幅と奥行き、エステサロンの施術台の奥行き、アンティーク棚の高さ、ベッドの幅……。もちろん置く場所だけではなく、搬入する際のドア幅も忘れてはいけません。
特にコンテナハウスの場合は、壁も強度計算に入れられている場合があるため(構造壁)、建築確認申請が終わったあとに開口部を大きくできない可能性があります。
設計の段階で何を入れるのか、どこから搬入するのかを想定しておきましょう。
スマートモデューロなら断熱効果は一般住宅の倍以上!?
コンテナハウスはさまざまな雑誌やWebサイトで紹介され、広く知られるようになってきましたが、住居として利用する場合には多くのデメリットもあるのです。
それでも、コンテナハウスのように目を惹く外観や、短期間で設置できる住居や離れを求めている人におすすめなのが「スマートモデューロ」です。
スマートモデューロは、高級木材で作られたユニットハウスです。耐震性をはじめさまざまな強度試験に合格し、国土交通大臣認定も取得しているため、高い構造強度が保証されています。
一般住宅の2倍以上の断熱材の厚みを確保しているため、高い断熱性能を持っていることもその特徴。
スマートモデューロは枠や柱まですべて木材を使用しており、錆びる心配はありません。屋根や床も自社で製造しているので、一括してメンテナンスを受けることができるのも安心ポイント。
コンテナハウスの弱点を補い、さらに高いレベルで強度、断熱性能、メンテナンス性能を有しているスマートモデューロ。コンテナハウスを検討している人にもおすすめです。
じっくり検討してあなただけの理想の空間を!
コンテナハウスは一般住宅よりは費用がおさえられるとはいえ、いくつも購入したり、買い直ししたりといったことはなかなかできません。
購入する際には、紹介したデメリットや注意点をひとつずつじっくり検討して後悔しないようにしましょう。
購入してから、暑さや寒さ、結露などの悩みを抱えてしまっては、せっかくの理想の空間が台無しになってしまいます。
デメリットがあることもしっかり理解した上で、快適なコンテナハウスライフを送りましょう!