住まいはこんなに進化している! 次世代型住居「ムービングハウス」のすべて
従来の一般的な建築住宅とは打って変わって、コンテナハウスやタイニーハウスといった個性豊かで小さな住まいに人気が集まっていることをご存知ですか?
シンプルなもの、オリジナリティにあふれるもの、どれも魅力いっぱいで見れば見るほどワクワクするものばかり。
でもなにがどう違うの?と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。今回は「動く家」であるムービングハウスについて、それぞれの特徴、メリットやデメリットを詳しく紹介します。
「動く家」ムービングハウス
「ムービングハウス」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
直訳すると「動く家」。キャンピングカーのこと?それともトレーラーハウス?
いいえ、ムービングハウスは、クレーンとトレーラーを使って移動もできますが、れっきとした「建物」なのです。
ムービングハウスは工場で製造し、完成した建物をそのまま現地に運ぶため、最短で2週間ほどで利用できます。高級感あふれる木造住宅なので、住居だけではなくカフェやオフィス、施設利用などさまざまな用途で使用できます。
ユニットを縦横に連結させて狭い敷地に設置できるだけでなく、連結させて広くしたりと、必要に応じて広さや形も自由に変えられます。
手軽さと高い住宅性能、一見すると相反するように思える両方のメリットを合わせ持った家。それがムービングハウスの魅力なのです。
コンテナと同じサイズだから、輸送が可能
ムービングハウスは、海上輸送などで使われる輸送コンテナと同じサイズなので、家でありながら車両で輸送が可能となっています。
そして、工場で製造した完成品をそのまま輸送して設置するだけで利用できることから、災害時にはその高い機動性を生かして、仮設住宅を短期間で設営することにも利用されています。
コンテナと同じサイズなので狭小地にも運ぶことができ、たとえば、住宅地の庭に置いて書斎や子供の勉強部屋、自宅教室などといった離れとしても活用されています。
ユニットを連結させるれば自由な間取りが作れ、耐震性・耐火性など住宅としての安全性の基準も満たしています。
高い防音性能や、高断熱・高気密を実現する外断熱工法によって、冬は温かく夏は涼しい居住空間。耐用年数の高さは、公的機関の構造破壊試験で実証済みで、100年を超える耐久性と言われています。
つまり、住居として快適に過ごすために必要な機能はすべて揃っている上に、工場で一括して製造することでのコストメリットもあり、高品質ながらもリーズナブルな価格を実現!
輸送できるようにコンテナと同じサイズになっていますが、ムービングハウスには、単にそのサイズだけでは測れない居住性の高さがあるのです。
コンテナハウスとの最大の違いは木造住宅であること
コンテナハウスとは、住居用のコンテナを使って住まいやカフェなどとして利用しているものです。
コンテナを利用しているので枠が鉄製です。現代的でメタリックなデザインが好きな人は、コンテナの機械的な外観に魅力を感じることでしょう。
一方でムービングハウスは、サイズはコンテナと同じですが、枠などはすべて木材の木造住宅なので、木がもたらす効果を存分に満喫できます。
木目や木の香りには集中力を高め、心身をリラックスさせる効果があると言われています。また、木の持つ調湿効果は、乾燥を和らげ湿気を吸収することで室内を過ごしやすい状態に保ってくれます。
個人差もありますが、鉄の素材で囲まれた空間よりも、木材の空間の方が安らぎを感じ、圧迫感を感じないという人も多いのではないでしょうか?
耐久性においても鉄の方が勝ると考えられがちですが、しっかりとメンテナンスを行っている木造住宅は、鉄にも劣らない耐久性を備えています。
ただし、木造住宅は形が決まっているので、円形や特殊な形にすることは難しかったり不可能だったりします。また、ムービングハウスは木造住宅なので、「鉄骨にしたい」といった要望はできません。
木材の持つ効果を大切にしたいと考える人には、木造住宅のムービングハウスはこの上ない満足感を与えてくれるでしょう。
トレーラーハウスとはなにが違うの?
「ムービングハウス」というネーミングから、トレーラーハウスを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
トレーラーハウスは、シャーシの上に建物が載っており、別の車両でけん引して移動するものです。自力では移動できないことから、キャンピングカーとは異なる扱いとなっています。
トレーラーハウスの外観や内装は一般の住宅と遜色ないものも多くありますが、車両に載せたままであることから建築物には該当しません。建築物であるためには、土地に定着している必要があるからです。
建築物ではなく車両扱いであるトレーラーハウスは、建築確認が必要なく固定資産税もかかりません。
一方のムービングハウスは、移動する際は車両に載せますが、基礎工事を施した土地に設置して利用します。土地に固定して利用することから建築物に該当し、原則として固定資産税がかかることになります。
ムービングハウスは、トレーラーハウスよりも一般の住居に近い構造や扱いになっているというわけです。
プレハブ住宅との違いはなに?
では、ムービングハウスとプレハブ住宅との違いはどんな点にあるのでしょうか?
プレハブ住宅という言葉はよく使われますが、「プレハブ」の意味を「品質の劣るもの」とか「安価なもの」として捉えている人も多いように思われます。
しかし、本来のプレハブ住宅の意味は、建築現場で組み上げる前に、事前に部材の加工や組立をしておくことを意味しています。家を建てる際に、工場で可能な限り部材の生産・加工・組立を行うことで、しっかりとした品質管理や大量生産によるコスト削減、現場での工期短縮といったメリットがあります。
ムービングハウスは同じように工場で製造を行いますが、部材の加工や組立だけではなく、住居として完成させた製品を現場に運ぶという方式です。
プレハブ住宅は、もともとは一定の品質の住宅を大量生産することを目的として考え出された工法ですが、その際、品質よりも価格が重視されることも多かったようです。
ムービングハウスは、工場で規格化された商品を生産することで、高品質な住宅をコストを削減しつつ作り上げることに成功したのです。
ムービングハウスとプレハブ住宅の違いは、工場で組み立てまでを行うかどうかという工程の違い以上に、住宅としての性能の高さにあることが大きなポイントです。
プレハブでもみなし仮設でもない、第三の仮設住宅
災害で家が被災した人に対して、自治体はプレハブ住居を建てたり、みなし仮設住宅を用意したりして対応するのが一般的となっています。みなし仮設とは、自治体などが民間の賃貸住宅を借り上げて提供することを言います。
これに対してムービングハウスは、2018年に災害救助法に基づく応急仮設住宅として利用され、第三の仮設住宅として非常に高い評価を得ました。仮設住宅の利用者から「このまま住みたい」と言われるほどの評判を呼んだのです。
完成品を運んで設置し、電気・ガス・水道を引けばすぐに住宅として利用できるムービングハウス。多くの住宅を短期間で提供できるムービングハウスは、急を要する災害時などにおいてさらなる活用が期待されています。
さらに、設置場所を移動できることから、仮設住宅としての役目が終わった後は、別の場所で新たな目的で利用することができます。従来の仮設住宅のように必要なくなったら取り壊すのではないため、経済的にも地球環境にも望ましいと考えられるでしょう。
仮設住宅には、突然の災害によるショックや大きな不安感などストレスを抱える人たちが入居します。そんなときに、木の香りが広がる環境で、少しでも心と身体を休ませられれば……。災害時のムービングハウスの活躍の可能性はさらに広がるのではないでしょうか。
ムービングハウスの代表的建物「スマートモデューロ」「モデューロ」」
ムービングハウスの代表的存在といえる「スマートモデューロ」と「モデューロ」(以下、「スマモ」)。木造住宅の中でも、高級木材を使用していることがその特徴です。
木材は年月の経過により趣が増し、住む人に安らぎをもたらすという効果だけではなく、様々な加工を施しやすいため、自分の好みに合ったオリジナルな空間を創ることが可能です。
また、メンテナンス性のよさによってランニングコストを抑えることができ、トータルでの費用を削減することにつながります。
屋根や床、壁、窓などをすっぽりと断熱材で覆う外断熱工法によって、室内の熱を逃がさない魔法瓶のような構造となっているため、冷暖房の費用も節約できるでしょう。冷暖房効率のよさは、二酸化炭素の排出量を減らし地球環境へも優しい住まいとなっています。
気密性とあわせて、新鮮な空気を取り入れるために24時間換気システムも備えています。室内の空気を常に入れ替えることで健康への配慮もされています。木材による調湿効果もあるので、夏や冬、梅雨の時期など一年を通して快適に過ごせるでしょう。
建物の四方の窓によって明るい室内、風通しもよく、強度の高い素材を多層構造にするなど一般の住居の2倍の強度を持ち、長寿命なのがスマモです。
次の世代へ受け継がれる資産としても十分な価値を持っているのではないでしょうか。
スマモの製造から販売まで手がける「株式会社 吉銘」
スマモを取り扱う販売会社は増えていますが、その中でも製造から販売まで一貫して手がけるのが「株式会社 吉銘」。吉銘は、奈良県吉野にある建築資材のトータルサプライヤーです。
天然木材から使える部分と使えない部分を選別し、小さく切り分けた良質な部分を接着して作る集成材を、国内で他社に先駆けて手がけるなど、製品づくりにこだわりを持つ吉銘は創業70年を超える老舗。
集成材は、天然の無垢材を使用しながらも、節や割れ目のある部分をのぞいた良質な部分を組み合わせて作るため、天然の無垢材よりも強度や耐久性に優れていると言われます。ベニヤ板などの合板とはまったく別ものです。
吉銘では、広く販売されている12mサイズのスマートモデューロに加えて、6mサイズと、さらに小型の3mサイズのモデューロを開発。サイズのバリエーションが増えたことで、さらなる狭小地への設置が可能となり、より多様な用途での利用が広がっています。
組み合わせて使えば、広さや形状を柔軟にカスタマイズすることも可能となりました。
レンタルも可能!手頃な価格で利用ハードルがさらに低く
スマモの費用はどれくらいなのでしょうか?
スマモは購入せずに、レンタルで利用することもできます。レンタルの場合は、3mタイプで月2万2,000円〜という手ごろな価格。しかも、レンタル利用でも内装をカスタマイズでき、自分にぴったりな仕様にできるのです。
購入する場合でも、競合比較されることの多いコンテナハウスやプレハブ小屋よりもリーズナブルな価格となっています。
中古の輸送コンテナが非常に安い価格で売られているのを見ると、それを利用すれば安くコンテナハウスを建てられるのでは?と考える人もいるかもしれません。ですが、国内でコンテナハウスとして利用するには、建築確認が通るように輸送コンテナを補修しなければならず、その費用を考えると中古の輸送コンテナは安価とはいえないのです。
スマモには、設置のための基礎工事や電気配線工事など、本体以外の費用も必要となります。しかし、これらの費用を考慮しても、高級住宅と同じレベルの性能でこの価格は魅力的ではないでしょうか。
【スマモを購入する場合の費用】
3mタイプ(約10㎡):275万円
6mタイプ(約15㎡):396万円
12mタイプ(約30㎡):660万円
【スマモをレンタル利用する場合の費用】
3mタイプ(約10㎡):2万2,000円/月
6mタイプ(約15㎡):3万9,600円/月
12mタイプ(約30㎡):6万6,000円/月
※レンタルの最短契約期間は36ヶ月です。
住居やカフェだけじゃない。活躍の可能性は無限大!
12m、6m、3mのサイズのスマモをさまざまに連結させれば、きっと理想の形に創り上げることができるでしょう。
内装のカスタマイズのしやすさに加え、木の温もりある空間は、住居用としてだけではなく、カフェなどの店舗や、心地よい空間を提供するオフィスなどとしても利用されています。
ほかにもキャンプ場の管理棟や公共施設、新型コロナウイルスの検温用の仮設施設としても使われるなど、利用できる場所はアイデアしだいにでどんどん広がるでしょう。
利用が終了した後は、別の場所に移動したり、別の用途で利用することもできます。スマモの活躍のシーンはまだまだたくさんあることでしょう。
ムービングハウス「スマモ」で理想の暮らしを!
コンテナサイズの小さな家、ムービングハウス「スマモ」。
コンパクトであることは、品質が劣ったりなにかを我慢しなければということを意味するわけではありません。コンテナハウスやプレハブ小屋とは一線を画すスモの高性能さにきっと感動することでしょう。
いまは、ものがあふれ、欲しいものが簡単に手に入る時代です。そんな時代だからこそ、自分にとって本当に必要なものや価値あるものを見つめなおしてみるのはどうでしょうか。
本当の豊かさってなに?
人によって、その答えはさまざまでしょう。
疲れた体を癒し、明日への活力を生み出す場所……。忙しい日々からしばし離れ、自分と向き合う空間……。あどけない我が子の成長を見守るひととき……。
木の温もりあふれるスマモで、あなたの理想の暮らしを見つけてみませんか?