15坪の土地でも快適な住まいを実現!工夫がつまった間取りを一挙ご紹介

都心にマイホームを建てたい!

そんな夢を持っている人なら、一度は「狭小住宅」を検討したことがあるのではないでしょうか。

建売の狭小住宅は、都心の駅や商業施設などの近くに建てられることが多く、その利便性のよさが魅力です。都心だけでなく地方都市の中心部でも狭小住宅は人気があり、街中でよく見かける建物となりました。

狭小住宅を提供するハウスメーカーも増えています。

その一方で、15坪前後の土地に建てられた狭小住宅について「利便性がよくても住みにくいのでは?」という声を耳にするのも事実。いくら利便性がよくても、住み心地が悪ければ身も心も休まりませんよね。

狭小住宅を建てた人は、どのような工夫で快適な空間を作っているのでしょうか。

この記事は、「15坪の土地」に建てられた狭小住宅の工夫やその秘密に迫ります。限られた予算で都心に家を建てたい!という人は必見の内容です。

15坪の土地の広さ

15坪の土地の広さがどれくらいかイメージできるでしょうか?

「これくらいの大きさ」とピンとくる人は、それほど多くはないはず。ここでは、15坪の広さがわかるポイントを紹介します。

15坪は30畳ほどの大きさ

15坪を平方m(㎡)に換算すると、49.5㎡になります。この数字でも、明確な大きさをイメージしにくいですよね。

1坪はだいたい畳2枚分の大きさです。15坪なら30畳ほどの広さです。

身近なものだと、スーパーなどの一般的な駐車スペース4台分が15坪とほぼ同じ大きさです。意外に広いと感じたでしょうか。それとも思っていたよりも狭いでしょうか。

ただし、15坪の土地に家を建てる場合は、土地全体を住宅建築のために使えるわけではありません。土地には、建ぺい率(建蔽率)が定められており、その範囲内で家を建てる必要があります。

15坪の土地に建てられる家の大きさ

土地ごとに定められた建ぺい率によって、建てられる家の大きさが決まっています。

① 建ぺい率:30・40・50・60%
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
田園住居地域

② 建ぺい率:50・60・80%
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域 など

「第一種低層住居専用地域」や「第一種住居地域」といった名称は、用途地域と呼ばれ、土地の使用目的を分類するためのものです。建物の高さや、商業施設としての利用可否などを定めています。

土地の広さに建ぺい率を掛けた値が、その土地に建てられる家の大きさになります。

建ぺい率が80%であれば、15坪の土地には「49.5㎡ × 80% = 39.6㎡(およそ23.5畳)」までの建築面積の家が建てられます。一般的な駐車スペースであれば3台分と同じくらいの広さですね。

用途地域や建ぺい率は、自治体のホームページや不動産会社が提供している不動産情報などで確認できます。どれくらいの大きさの家が建てられるのか、事前にチェックしておきましょう。

狭小住宅にはどんな工夫があるの?

階段下の収納スペース

15坪と限られた土地だからこそ、そこに建てられた家には快適な住心地にするための工夫が盛りだくさん。

ここでは、狭小住宅ならではの工夫を紹介します。間取りの参考にして、家族みんなの希望を叶えるマイホームを手に入れましょう。

壁を減らす

室内の部屋を区切る壁を、できるだけ減らす方法です。

壁があるとどうしてもそれぞれの部屋が狭く感じられてしまいます。また、圧迫感も出てしまい、住心地がよくありません。

壁は必要最低限にして、共用スペースを最大限にすれば15坪とは思えないほどの開放感が得られるでしょう。

縦の空間を有効活用

狭い土地では、空間を横ではなく縦に使うことを意識してみましょう。天井高を一般的な家よりも高くしたり、吹き抜けを作ったりすることで広々とした印象になります。

ただし、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域の3つの用途地域には高さ制限があるほか、周辺の採光を確保するための斜線制限もあるので、天井高を高くするには注意が必要です。

上の3つの用途地域では高さが10mもしくは12m以下と定められていますが、一般的な2階建ての高さであれば制限内におさまります。通常よりも高さを出すために、半地下構造にして床の位置を下げるといった対応もあります。

スキップフロア

スキップフロアとは1階と2階の間にある中2階のように、各階の中間に作られたスペースです。中2階を作ることで、床の数が増え、生活空間にゆとりが生まれます。

高さ制限で3階建てにすることが難しい場合にも活用できる方法です。スキップフロアを書斎スペースにしたり趣味の空間にしたりと、多様な使い方ができます。

デッドスペースの有効活用

大きな収納スペースが欲しいけど、そのせいで生活空間が狭くなってしまうのは……という悩みはよくあるもの。15坪しかない土地ならなおさらです。

そこで、注目したいのがデッドスペースの有効活用。

たとえば、階段下の空間を収納スペースやトイレとして活用する方法があります。空間を有効活用すれば、スペースに余裕を作り出すことができますね。

狭小住宅はどんな間取りがいいの?事例を紹介

15坪の中に込められた、たくさんの工夫。

狭小住宅には、いったいどんな工夫がつまっているのか知りたいですよね。実際の間取りとあわせて見てみましょう。

廊下をなくして生活空間を最大限に確保

株式会社桧山建工
間取り:3LDK(3階建て&ルーフバルコニー)
参考:12坪の価格がわかる3LDKルーフバルコニーがある狭小住宅参考プラン

工夫しているポイント:1階に玄関・ベッドルーム・トイレ・バスルーム・洗面室をレイアウトしています。廊下をなくし、玄関ホールからドアひとつで各部屋にアクセスできるようにしているため、動線のよさがポイントです。

ロフト付きだから趣味のスペースとして活用も可

株式会社桧山建工
間取り:3LDK(3階建て&ロフト・ルーフバルコニー)
参考:狭小3階建て 敷地面積約11坪 ペントハウス PCカウンター 3LDK ロフト付

工夫しているポイント:屋根の勾配を活かし、3階の1室にロフトが付いています。季節用品を収納したり趣味のスペースとして活用したり、使い方はさまざま。また、ロフトという特別感が、子どもにとっては秘密基地のようなワクワク感を感じる場所に。日々を過ごす場所だけではなく、家族にとっても楽しさが感じられる間取りです。

階段途中のスペースも無駄なく活用

メーカー名:クレバリーホーム東京
間取り:不明(3階建て&屋上ウッドデッキ)
参考:敷地12.4坪|延床21.5坪!女性設計士が考える 本当の「暮らしやすさ」を考えた、居心地がよいお家

工夫しているポイント:階段途中の壁には本棚を設置。棚の高さが自由に変更できるため、本の大きさに合わせて収納が可能です。他にも、収納スペースのドアを折戸タイプにしたり、家具を置きやすいように窓を端に寄せたりと、限られた空間を有効活用する工夫がたくさん盛り込まれています。

スキップフロアを活用して、部屋の仕切りをなしに

充総合計画一級建築士事務所
間取り:4LDK(3階建て)
参考:【実例付き】15坪の土地に家を建てるにはどんな間取りがいい?

工夫しているポイント:階段を壁代わりに活用して、各階とスキップフロアを区切っている点が工夫ポイントです。周囲に背の高い建物がある立地状況のため、2階3階を吹き抜けにすることで、採光を確保しています。

自然の中に狭小住宅を建てたような空間「スマートモデューロ」

狭小住宅を検討しているなら、選択肢のひとつとしてスマートモデューロ(以下、スマモ)も検討してみてはどうでしょうか。

家族みんなの住まいを購入するのだから、多くの選択肢を検討した方が間違いがありません。新たな気付きがあるかもしれませんし、選ぶ楽しみもありますよね。理想の条件にピッタリ合う「住みたい家」を探してみましょう。

スマモってなに?

スマモは、狭小地であっても活用できる木造の「ムービングハウス」です。ムービングハウスとは、海上輸送用コンテナと同規格サイズにして輸送ができる住まいのこと。

工場で完成した建物を現地に運んで設置するため、工期が通常の住宅建築より大幅に削減できることが特徴です。

スマモには、3mタイプの「モデューロ」、6mと12mタイプの「スマートモデューロ」の2タイプ3サイズがあります。奥行きはいずれも2.4mで、大きさの目安は以下のとおりです。

  • 3m× 2.4m:延べ床面積7.2㎡(約2.2坪)
  • 6m× 2.4m:延べ床面積14.4㎡(約4.4坪)
  • 12m× 2.4m:延べ床面積28.8㎡(約8.7坪)

狭小地にスマモを単体で設置したり、縦や横に連結させて広いスペースにしたりすることも可能です。

15坪の土地で建ぺい率が80%であれば、最大39.6㎡広さの家が建てられるます。スマモであれば、12mタイプと3mタイプを連結したり、6mタイプ2つと3mタイプを組み合わせたりと間取りをカスタマイズすることもできますね。

高級木材を使用したスマモ

最近注目されているコンテナハウスとスマモの最大の違いは、その素材。コンテナハウスは鋼鉄製ですが、スマモはフレームまでも木材が使われています。

高級木材からあふれ出る木の香りや温もりを存分に感じられ、室内はまるで大自然の中にいるかのよう。爽やかさと安らぎがスマモの魅力のひとつになっています。

最先端の技術と熟練の職人集団「株式会社 吉銘」

スマモを製造しているのは、奈良県吉野郡の「株式会社 吉銘」。

吉銘はどんな会社?

吉銘は創業70年を超える老舗の木材サプライヤーです。建築資材の提供がメイン事業で、中でも、高品質な吉銘の集成材は大手建築メーカーからも高い評価を得ています。

熟練の職人の技術はもちろん、最先端のAI技術との融合で、現状に満足することなく常に時代の先端を歩むために日々取り組んでいます。

集成材ってどんな木材?

吉銘の高品質な集成材。集成材とは、細かく切って乾燥させた木材を接着剤で固め、一本の木材のように成形したものです。一本の木を切り出して乾燥させた無垢材よりも品質が安定しているため、木造住宅の建築に欠かせない材料です。

同社は、昭和28年4月に他社に先駆けて集成材を製品として売り出しました。吉銘の集成材は、ただ木材を成形しただけではなく、天然木材の使える部分と使えない部分を判別した上で成形することで高い品質を実現しているのです。

吉銘が提供するスマモ

吉銘は新規事業にも積極的にチャレンジしており、そのうちのひとつがこのスマモ。木のプロフェッショナルが生み出すスマモは、確かな技術のもと作られた最高品質の住まいです。

同社はスマモのほかにも、燃料や猫砂の代用品にもなる木質ペレットの製造販売もしています。再生可能な木材を使った、環境にやさしいクリーンなエネルギーです。

木材が持つ未来への可能性に着目し、人にも環境にも優しい製品を提供するのが吉銘の使命です。

狭小住宅の暮らしをレンタルで実現することも

狭小住宅の購入を決める前に、それに近い環境を体験してみるのもおすすめです。

カタログやモデルハウスで見たものと、実際に住んでみるのでは、リアルな体感がまったく違います。家族との新しい生活のための家ですから、失敗や後悔はしたくないですよね。

スマモは購入する以外にレンタルでも利用できるので、コンパクトな住まいでの暮らしの体験にも使えます。

スマモのレンタル料金

「住まいのレンタルなんて、料金が高そう……」と思うかもしれませんが、スマモの3mタイプなら月22,000円からレンタルできます。6mタイプなら月39,000円〜、12mタイプなら66,000円〜です。

オプションやカスタマイズの有無によって料金が変動するほか、設置の費用が必要になりますが、賃貸物件と比べてもぐっと費用が抑えられますね。ただし、最低契約期間が36カ月なので、その点は注意してください。

複数のスマモを連結して使う場合などは、別途見積もり対応になるので問い合わせてみましょう。

スマモの特徴

スマモには水道や電気といったライフラインを引くこともでき、住まいとしての生活に問題ありません。

壁や床の厚みは一般住宅の2倍ほどで、窓は3層構造。断熱材が厚く使われているので、外気の影響を受けにくくなっています。コンパクトな室内空間は冷暖房の効きもよく、夏は涼しく、冬は暖かい快適な環境が実現可能です。

高い防音性も備えており、ピアノやドラムを思う存分に演奏しても音漏れの心配がありません。間取りの自由度もあり、窓の配置も製造の際に変更できます。

スマモの内装は、柱と柱の間をあえて剥き出しにした「あらわし構造」になっています。この柱と柱の間のスペースを利用して、棚を設置したり収納スペースにしたりと、スペースを無駄なく活用することもできますね。

夢のマイホームは15坪の土地でも建てられる

15坪の土地に建つマイホームのイメージがつかなかった人も、検討を進めていた人も、より具体的な姿が見えてきたのではないでしょうか。

狭いからといって快適な暮らしを諦める必要はありません。さまざまな工夫で、快適な生活は実現できます。

メーカーや業者、設計事務所によっても施工実績など、狭小住宅が得意なところあまり経験のないところがあります。ひとつのところだけを見て決めてしまうのはもったいないし、後悔することがあるかも!

複数のメーカーなどに問い合わせてアイデアを集めれば、その中から「住みたい家」が見つかるかもしれません。15坪の土地に、家族みんなが幸せに暮らせる素敵な住まいをぜひ実現してください!