愛犬の怪我を防ぐ。滑りにくい床材の選び方
突然ですが、今あなたの家で使われている床材は何でしょうか。
フローリングはお手入れもしやすいので、多くの家で使われています。
しかし、フローリングは滑りやすく犬にとっては大変な負担になっていることも。
では、フローリング以外ならどれを選べば良いのでしょうか。
この記事ではおすすめの床材の選び方を紹介していきます。
負担は想像以上!?滑りやすいフローリング
滑り止めの加工がなされていないフローリングは犬にとってどれほどの負担がかかっているのでしょうか。
4本足でしっかり立っているように見えますが、フローリングは犬にとってはまるでスケートリンクのよう。
爪が伸びていたり、肉球の間の毛が伸びているとより滑りやすくなってしまいます。
人間でも、滑りやすい氷の上を歩き続ければ足腰に負担がかかるのと同様に、犬も滑らないようにと常に体に負荷がかかっています。
小型犬なら膝蓋骨脱臼や骨折の原因のひとつになりますし、大型犬なら股関節形成不全につながりかねません。
特に身体的に元々腰への負担が大きいダックスフントは、椎間板ヘルニアのリスクも跳ね上がります。
さらに、フローリングの加工を施さないことで、犬の爪が引っ掛かり床にささくれが出来る可能性も出てきます。これは人間にとっても危険となるため、定期的に加工をしなければなりません。
どういう材質のものが良いのか~5つのポイント~
では犬にとっては、どのような材質のものが良いのでしょうか。5つのポイントをご紹介します。
①滑りにくいこと
冒頭にも紹介したように、フローリングに滑り止めなど加工を施すことが大切です。
カーペットを敷く対策もおすすめですが、毛足の長いタイプですと犬の爪が引っ掛かり、怪我につながることもあるので注意しなければなりません。
②クッション性がある
クッションフロアやコルクシートのように材質はふかふかとクッション性があるものを選びましょう。
段差のある場所から飛び降りても体への衝撃が吸収されるので負担が軽減されます。
クッション性のある床材は木製の床材のようにささくれる心配もなく、音も吸収してくれるため、2階の室内で走り回っても音が聞こえにくくなります。
③撥水性があるもの
撥水効果が高いことも大切です。トイレの粗相はもちろん、水を飲んだ後に口から垂れてしまったり、散歩帰りにうっかりそのまま室内に入ってしまっても床材に汚れや水分が入らないのでお手入れがとても簡単です。
汚れた部分だけを外せるジョイント式の床材も非常に便利です。
④防ダニ・防臭加工がついている
犬にとってダニは宿敵です。病気を引き起こすこともありますし、衛生面でも家中ダニだらけになってしまうことがあるので心配です。
また、人間もダニアレルギーを発症する恐れがあり、くしゃみや目のかゆみを引き起こしてしまいます。
防臭加工も施されていると、家では嗅ぎ慣れてしまったペット特有の匂いも抑えることができるので、お客様が来ても安心です。
⑤防音性があるもの
最近では、マンションなどの集合住宅でもペットを飼うことができるようになりました。
1階ならあまり気にすることはありませんが、2階以上ならワンちゃんの足音が下に聞こえて、トラブルになってしまう場合もあります。集合住宅の2階以上にお住まいの方は防音性の高いものがおすすめです。
では、実際にこれらを満たすものはどんなものがあるのでしょうか。
次におすすめの床材をご紹介します!
条件を満たす床材その1 カーペット
絨毯状になっているカーペットはクッション性・防音性・保温性に優れています。おすすめの材質でもあったように、ループが短いものやパイルカットになっているものを選んであげることで、爪が引っかかる危険も防げます。
また、素材はナイロン・ポリエステルなどが天然素材のものに比べて撥水もしやすいので適しています。
タイルカーペットであれば、拭くだけでお手入れができますし、汚れた部分だけ交換可能なのでトイレのしつけをしている時期は特におすすめです。
条件を満たす床材その2 コルクマット
滑りにくく、汚れた部分だけを取り外せる利便性があります。
また、厚みもあることから底冷えを感じにくく防音効果もありクッション性も高いので、冬場は特に重宝します。
デメリットもあり、大型犬が激しく動くと爪が食い込んでたくさんの小さな穴が開いたり、次第にズレが生じてジョイントが合わなくなったりしてしまいます。
条件を満たす床材その3 クッションフロア
クッションフロアはその名の通り、クッション性が抜群で、厚さは1cm~数センチ程度の塩化ビニール素材で作られるシート状の床材です。
見た目がフローリング調のものもあり、インテリアにあったものを選びやすくなっています。
ビニール素材のため、撥水効果も高く、汚れても水ぶきでお手入れが楽々です。
条件を満たす床材その4 フロアタイル
フロアタイルは粘土をつかった素材で表面がザラザラしているので滑りにくくなっています。
また粘土の耐久性が高いので、大型犬が遊びまわっても傷がつきにくいので買い替えの手間が減ります。
デメリットとして、フロアタイルは日本人のように室内では靴を脱いで歩く文化の人には、ざらつきが馴染みにくいため、全ての床に使いにくいという点があります。
おすすめとしては、犬が過ごす場所のみに設置して、他のスペースは人間も心地よい状態にすることです。
犬に合った床材はあるけど、どうしてもフローリングの柄が良い
これまで犬のために最適な床材を紹介しました。
確かに犬に合ったものを選びたいけれども、インテリアとのバランスも考えたい。床材はフローリングが良いというこだわりをもつ方もいると思います。
フローリングの多くは滑りやすいですが、滑りにくいようなフローリングも一部に存在します。
たとえば、杉やヒノキ、パインなどの弾力のあるもの、オークやナラ、チークなど凸凹のある素材が代表的です。
さらに、浮造り(うづくり)というものもあります。
これはフローリング無垢材の表面をこすることで木の年輪を目立たせ表面に凹凸を持たせる加工のことです。
フローリングの美しさを損なうことなく、さらには滑りにくくできることが特徴です。
他には、塗り替えが必要ではあるものの、滑り止めワックスをつけるという選択肢もあります。
これならば、フローリングが好きな人でもフローリングを保ちつつ、怪我を防ぐことができます。
大切なのは犬にも人間にも合ったものを選ぶこと
今やペットは家族です。家族の健康をいつまでも願い、気遣いたいもの。
人間もペットも暮らしやすい、ぴったりな素材をぜひ、見つけてみてください!