コンテナハウスでDIYを存分に楽しもう!費用や注意点なども合わせてご紹介

コンテナハウスは、ただの輸送コンテナを住まいにしただけ。そんなふうに思っていませんか?

実は「コンテナハウス」というものは、輸送コンテナを使うと日本の建築基準には適していないため、法律に沿ってしっかりと製造された「建築専用のコンテナ」を使用しているのです。

そのため、強度も保障されているほか、断熱工事まで施されているものが多く、住み心地は一般住宅となんら変わりないものがほとんどです。

さらに外装・内装も実に多彩! あえてシンプルなものを導入して、自作家具を作ってインテリアを楽しめるというのも、コンテナハウスならでは。

DIYで家具や収納などを造作することで、愛着も湧いてきます。自分だけの空間を一から作ることを考えただけで、なんだかワクワクしてきませんか?

仕事に集中できる静かで使い勝手の良い空間、造作家具で商品をディスプレイする自分だけのお店、趣味を思う存分楽しめる空間、子どものための部屋など……。 どんな空間にするかはアナタ次第です!

今回はそんなコンテナハウスを自作で楽しむために、基礎知識からDIYの実例まで、しっかりと紹介していきます!

コンテナハウスとは

そもそもコンテナとは、貨物を輸送する目的で製造された鉄製のボックスのことを指します。そのコンテナをベースとしたのが「コンテナハウス」です。

近年では飲食店やアパレルショップ、事務所などでも導入されるようになりました。使い道が広まっているので、今後もさらにユーザーも増えていくのではないでしょうか。

では早速、コンテナハウスの基礎知識について解説していきます。

【基礎知識1】一般住宅に必要な生活環境を実現できる

コンテナハウスには水回りを考慮した設計が可能であり、キッチンやバスルーム、トイレなどを搭載することができます。住居だけではなく、ホテルとして導入されるケースも多く見受けられるほどです。

通常の重量鉄骨造と同様であることから断熱工事にも対応しており、気温や湿度の制御も可能です。住居として十分な環境を確保でき、コストも低いため、コンテナハウスのみで住まいを作る人も少なくありません。

【基礎知識2】建築専用でなければならない

海洋輸送用のコンテナは、窓やドアを搭載すると強度や耐久性が下がってしまう恐れがあります。建築基準法にも適合していないので、結果として輸送以外で使用することはできません。

したがって、コンテナハウスを活用するには「建築専用のコンテナ」を使用するのが条件です。

中古だからといって建築専用ではないコンテナを敷地に設置しないように注意しましょう。

【基礎知識3】建築専用でも輸送できる

コンテナハウスは建築専用でも、規格がコンテナと同じなので輸送をすることができます。

サイズも基本的にコンテナ同様に、20フィート(ft)、40フィート(ft)といった規格があるので、使い方に合わせて選べるのも嬉しいポイントですね。

そんなコンテナハウスはトレーラーなどが入るルートであればどこでも運搬可能です。
希望の敷地に設置できるのは魅力的ですが、傾斜地に設置することはできないので注意が必要です。

また、一般住宅と同様に建築確認の申請や、設置に関する基礎工事が求められます。斜めに立て掛けるような組み立て方でコンテナを設ける方法もありますが、敷地からはみ出ないように注意が必要です。

コンテナハウスの事例を紹介!

コンテナハウス カフェ

コンテナハウスの使い道はさまざまです。利用シーンをイメージするために、住宅やホテル、店舗、事務所などの事例を紹介していきます!

住宅や離れの事例

【平屋コンテナ住宅(株式会社TSUTSUMI)】

20ftのコンテナを2台L字に配置した平屋コンテナ住宅です。どちらのコンテナからもウッドデッキに出られるため、解放感ある間取りとなっています。

外装はきれいな水色で、爽やかな見た目が印象的です。壁内には断熱材が使用されているほか、コンテナの接合部には防水の吹き付けが標準で行われています。

コンテナハウスというと内装が通常の住宅とは大きく異なるように思えるかもしれません。しかし内装だけ見ると、本当にコンテナで作られているとは想像もできないほどスタイリッシュですよね。

今後もコンテナハウスを住宅として導入する方が増えてくるのではないでしょうか。

<参考:【住宅/施工例 6】 H様邸 平屋コンテナ住宅

【コンテナガレージ 20ft・5連棟(有限会社堀内鋼業)】

コンテナハウスをガレージとして活用している事例がコチラ。20ftのコンテナを5つ並列して接続している住まいです。

内側に車が配置できるようになっており、簡易的な照明やテーブル、チェアなども置かれ、ちょっとした休憩スペースのようにもなっています。

住宅の離れにオシャレなガレージが欲しいという方にも、このようなコンテナハウスはおすすめです。

この事例から、縦長のコンテナを組み合わせることで奥行のある空間を実現できることがわかりますよね。コンテナハウス内のスペースが狭いと感じていた人でも、いろんな使い方が思い浮かぶのではないでしょうか。

<参考:コンテナガレージ アメリカン 20ft 5連棟 >

ホテルの事例

【HOTEL R9 The Yard 真岡インター(株式会社デベロップ)】

『HOTEL R9 The Yard(ホテルアールナイン ザ・ヤード)真岡インター』は、北関東自動車道真岡ICから車で5分のところにあるコンテナハウスタイプのホテルです。

外観はコンテナの雰囲気を存分に活かしたエレガントなデザインが特徴。夜にはライトアップされ、さらに魅力的な雰囲気になるようです。

客室にはユニットバスやトイレ、テレビ、冷蔵庫などの基本的な設備が用意されており、一般的なホテルとは遜色ない環境となっています。

ダブルルームとツインルームの広さはいずれも13m²あり、宿泊料金は1泊1名5,000円~です。

スタイリッシュでコンパクトな見た目が特徴的なホテルなので、非日常的な宿泊体験ができそうですね!

<参考:HOTEL R9 The Yard 真岡インター >

店舗の事例

【桜林茶寮(株式会社コンテナハウス2040.jp)】

『桜林茶寮(さくらばやしさりょう)』は、青森県弘前市の岩木山のふもとにあるカフェレストランです。山菜とコーヒーを山で楽しめるのが魅力です。

20ftと40ftの建築専用コンテナを組み合わせた、ブラックカラーを基調とした外観が目印。周囲の自然にうまくマッチして上品な雰囲気を漂わせています。コンテナを連想させる表面の凹凸のデザインもオシャレな印象ですね。

個人的にはコンテナハウスは閉塞感があって窮屈な印象だと思っていたのですが、桜林茶寮のコンテナハウスには壁に開口部が複数あけられており、開放的な雰囲気だと感じました。

<参考:コンテナハウス施工事例 桜林茶寮 >

【HAIR STUDIO 2PIECEs(株式会社イカワクリエイト)】

『HAIR STUDIO 2PIECEs』は、40ftのコンテナを利用したヘアサロンです。コンテナハウスを1台置いただけのシンプルな設計ですが、内装はホワイトカラーをベースとした爽やかな美容室となっています。

広めのサイズの窓枠にはブラインドがセットされており、遮光対策も行われているようです。鏡やチェアー、美容機器、照明などが配置され、通常の美容室に引けをとらないデザインを実現しています。

コンテナハウスは、内装次第で用途が広がることを期待させてくれる事例だといえるでしょう。

<参考:40フィートコンテナを利用したヘアサロン内装が完成しました >

【ペット・トリマー MUSE・ONE(株式会社エーケーホーム)】

『ペット・トリマー MUSE・ONE』は、20ftのコンテナを2つ組み合わせたペットトリマー専用の店舗です。木造軸組を内部構造とすることで建築確認を取得できています。サイズは 全長6,058mm×幅2,438mm×高さ2,896mmとなっています。

内装は木材のフレームがむき出しとなっており、温かみを感じる雰囲気です。飼い主とペットが落ち着いて過ごしやすい空間になっています。

外側にはウッドデッキを併設することで、ペットをつないだ場所で会話を楽しめるようにするなど、来店者が喜びそうな工夫も施されています。

総合的に、工事現場のプレハブのような殺風景なデザインではありません。オシャレな店舗を実現するのにコンテナハウスは重宝することでしょう。

<参考:ペット・トリマー MUSE・ONE

【イートインスペース(コンテナワークス)】

期間限定のイートインスペースをコンテナハウスで実現している事例がありました。空き地の一時利用を目的として作られているコチラのコンテナハウスは、20ftを2台使用しています。

興味深いポイントが、屋上テラスを設置している点です。コンテナのサイドに階段が設けられており、コンテナの上に登れるようになっています。晴れていれば、屋外で食事やカフェタイムなどで楽しめるように工夫されています。

ちょっとしたスペースが、豪華なイートインスペースに変わっているのは本当に驚きです。スムーズに飲食事業を開始したいというときにもコンテナハウスは便利かもしれませんね!

<参考:【施工事例】20フィートコンテナを2台を利用した期間限定イートインスペース >

事務所の事例

【2階建てコンテナオフィス(株式会社エーケーホーム)】

外装はコンテナの重厚感がエレガントな雰囲気を醸し出しています。2階建てにも関わらず建築確認を取得できているコチラのオフィス。コンテナのサイズは、全長12,192mm×幅2,438㎜×高さ2,896mmとなっています。

1階部分のコンテナを斜めに配置し、その上に2階部分で作ることで、個性豊かな外観が実現しています。オリジナリティあふれるオフィスを作りたい人に、参考にしてもらいたい事例ですね。

<参考:2階建てコンテナオフィス

コンテナハウスは固定資産税がかかる場合がある

コンテナハウスには固定資産税が発生する場合があるという点は注意が必要です。

固定資産税とは、土地や家屋などの固定資産に対して発生する税金です。国ではなく地方公共団体に納税する地方税に該当します。家屋とは、住家や店舗、倉庫、工場などの建物が含まれています。

コンテナハウスが該当するのか、いまいちわからないと思うかもしれません。

土地に定着する建築物であれば固定資産となります。したがって建築用のコンテナハウスも、固定資産税の対象という見方ができます。

コンテナハウスにかかる固定資産税についてさらに深く知りたい方は、下記の記事で詳しく解説していますのでぜひ一読してみてくださいね!

<参考:【保存版】コンテナハウスにかかる固定資産税について詳しく解説!

コンテハウスとして住むための準備

コンテナハウスを導入するには土地の確保が必要です。土地によっては値段が高くなってしまうので、予算と相談しながら土地の確保を進めましょう。

またコンテナを輸送する時には輸送費が発生します。コンテナの大きさによって輸送費は変わってきますが、相場としては4万円~25万円ほどが目安と言われています。

輸送後に電気配線や水道設備、エアコンなどのインフラ工事も必要です。工事費としては、規模や環境により異なりますが、15万円~50万円ほどを見ておきましょう。

コンテナハウスは基本的に鉄製であることから、断熱性が備わっていません。住居として最低限暮らせるように内外装費も発生します。相場は10万円~50万円ほどですね。

そのほか、コンテナハウスではメンテナンス費用も必須です。たとえば、シロアリの予防対策として薬剤を散布するという例が挙げられます。

また、コンテナハウスは鉄素材なので防錆対策も必要です。長くきれいに使用するために、施工時、外壁に防錆塗装を施してもらいましょう。

このようにコンテナハウスを導入する際には、さまざまなコストに対して資金の準備が必要です。細かく必要コストを洗い出したり、業者に見積もりを取ったりして、慎重に導入計画を立てていきましょう!

コンテナハウスの外装・内装をDIYすることで安く抑えられる!

ここまでコンテナハウスの準備費用の相場を知って、少しコストについて不安になってきた方がいるかもしれません。

しかし、コンテナハウスは外装・内装をDIYすることでコストを抑える方法もあります!

また、メーカーに外装・内装を依頼すると自分好みにデザインに仕上げることが難しい反面、DIYをすれば思った通りの見た目にアレンジすることができます。

たとえば、塗装をして外装をお好みのカラーにしたり、窓や換気扇を好きな場所に付けたり、フローリングシート敷いたりなど、自由自在です。

実際、あえてシンプルな外装・内装のコンテナハウスを導入して、自作でアレンジする人も多いようです。

また、金属切断の際には保護手袋や保護眼鏡、防音イヤーマフなども必要です。特にDIY初心者は、必要な道具などをそろえるところから始めてみましょう。

みんな、どんなDIYをしているの?

中には、DIYのイメージが湧かないという方もいるでしょう。ここからはDIYの事例をいくつか紹介してみたいと思います。ぜひ、参考にしてみてください。

【事例1】塗装

コンテナハウスの内装をアクアミストというカラーで塗装している事例です。

子どもと一緒に楽しくペンキ塗りしていますね。家族の好きなカラーに仕上げることで、愛着も湧いてくるでしょう。

<参考:r.t.mama – ベッド周り/コンテナハウス/DIY/壁紙ペンキ塗り/暮らしの一コマ/10000人の暮らし… のインテリア実例(RoomClip)

【事例2】カーテンの設置

コンテナハウスの断熱性や遮光性を高めるために、カーテンとカーテンレールを購入して設置する事例を見つけました。

DIYで快適な環境に調整していけば、さらに住み心地がよくなりそうですね!

【事例3】タペストリーを装飾

コンテナハウス自体の装飾が少なくても、タペストリーを配置するだけで店舗の雰囲気が伝わりますね。

コンテナハウスをDIYで理想の空間にしよう

以上、コンテナハウスの基礎知識をはじめ、用途や導入事例、DIY事例などを紹介しました。

コンテナハウスはシンプルだからこそ、自分で内装や外装をアレンジしやすいのが特徴です。

「でもDIY初心者だから不安……」という人でも大丈夫。今回紹介した導入事例やDIY事例から気になるデザインを参考に、ライフスタイルや使用用途に応じて工夫していくのもおすすめです。

また、コンテナハウスを導入したい人は、今回紹介したメーカーにも、一度お問い合わせしてみるとよいかもしれません。

一般的な住宅にはないオリジナリティーのある空間を実現するために、ぜひコンテナハウスを導入してDIYも楽しんでみてくださいね。