固定資産税はかかるの?知っておきたいトレーラーハウスのメリット・デメリット
ムービングハウスやコンテナハウス、タイニーハウス……住まいとしての建物は土地の上に建てる一軒家だけではなく、よりコンパクトで移動もできる建物など、そのバリエーションが増えてているのをご存知ですか?
その中でもトレーラーハウスは、土地さえあれば、住まいである建物をまるごと運ぶことができてしまうのが魅力です。
今回は、そんな次世代型の住居である「トレーラーハウス」を紹介します。
トレーラハウスは車台に載っているから移動も簡単!
トレーラーハウスとは、タイヤの付いた車台(シャーシ)に載せたまま車で牽引して移動できる住宅のことです。
居住用はもちろん、カフェやオフィスとしても活用され、注目を集めています。
新たに家を建てるよりもリーズナブルな価格、好みのデザインにカスタマイズもでき、電気・ガス・水道などのライフラインも一般住宅と同じように利用可能なことから、トレーラハウスは住まいの新たな選択肢になっています。
トレーラーハウスによっては車両としての規定限界の高さで作られたものもあり、この高さを活かしてロフトなどを物置や寝室のスペースにすれば、日常生活の空間をより広くすることもできます。
「住む場所にとらわれることなく、自由に移動して暮らしたい」。そんなライフスタイルを叶えるたいなら、トレーラハウスがピッタリ。
それではトレーラーハウスの魅力について具体的に見ていきましょう。
庭や駐車スペースにも設置できる!
トレーラーハウスはさまざまな場所に設置できます。
住宅を建築するための土地はもちろん、建築物ではなく車両として扱われるトレーラーハウスなら、庭や駐車スペースにも設置が可能です。
さらに、キャンピングトレーラーと呼ばれるよりコンパクトなトレーラーハウスであれば、狭い小さな土地にも設置でき、一般車両で牽引することもできます。
一方で、トレーラーハウスについては法律の整備が整っていない部分もあるので、設置を検討する場合には、業者や地方自治体の窓口などに相談しながら進めるのが安心です。
市街化調整区域にも設置可能
トレーラーハウスは、市街化調整区域にも設置できます。
市街化調整区域とは、無秩序な市街化の抑制を目的に、原則として住宅や商業施設の建築が認められていないエリアのことです。
そのため住宅は建てられませんが、車両扱いのトレーラーハウスであれば設置することは可能とされています(実際に設置する場合には、念のためお住いの地方自治体などにご確認ください)。
ただし、同じ場所に設置できるのは、最長10年間とされています。また、今後の法律改正による影響を受けることもあるので注意しておきましょう。
トレーラーハウスはキャンピングカーと違うの?
自由に移動できる家といえば「キャンピングカー」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
トレーラハウスとキャンピングカーは同じようなものと思われがちですが、実はまったくのちがうもの。
車内でくつろいだり寝泊まりすることを目的に作られたキャンピングカーは、アウトドアやオートキャンプなどで使用され、一般車両と同じように公道を運転して目的地に移動できます。
また、キャンピングカーではキッチンやトイレといった設備が、基本的には車両内で完結するかたちで取り付けられています。そのため、定期的にタンクに水を貯めたり、トイレなどの汚水を捨てる必要があります。
車台(シャーシ)の上に建築が載っているトレーラーハウスは、シャーシ単独では移動できず、牽引する必要があります。
キャンピングカーは、キャンプやアウトドアなど短期間であちこちを移動して楽しむレジャーに向いています。一方でトレーラーハウスは、住宅としてある程度の期間、住むことに向いています。
いずれも、移動できる・居住できるといった点は似ていますが、キャンピングカーは移動がメイン、トレーラーハウスは居住することに重きが置かれているわけです。
好みのデザインであなただけのおしゃれ空間に!
デザイン性の高いトレーラーハウスなら、自分好みのおしゃれな空間を作ることができます。
一般住宅と同じように、フラワーボックスや天窓などを自由にカスタマイズすることで個性あるトレーラハウスにすることも。
素朴で存在感のある木材照明
トレーラーハウスの温かい空気感に合わせた木材照明は、空間に統一感を持たせ、おしゃれな雰囲気とともに安らぎも与えてくれます。
部屋を明るく照らすだけではなく、インテリアとしても美しい木材照明は、トレーラーハウスにピッタリのアレンジでしょう。
薪の炎と音で暖かさを感じられる暖炉
トレーラーハウスによっては、室内に暖炉や薪ストーブを設置したものも!
薪の燃える炎と音、そしてその暖かさは、眺めているだけで日々の疲れを癒してくれ、まるでトレーラハウスの中だということを忘れてしまうような快適な空間を作り出してくれることでしょう。
木材を基調とした広いバルコニー
トレーラーハウスで、こだわることができるのは室内だけではありません。
たとえば、バルコニーとして耐久性の高いウッドデッキを作れば、そこは家族や仲間の集う憩いの空間となるでしょう。
おしゃれなデザインの中から好みに合わせて選ぶことができるので、デザインに悩む心配もありません。
ライフラインやセキュリティも安心!
トレーラーハウスでの水や電気、ガスといったライフラインは、一般住宅と同じように利用でき、移動の際の着脱も簡単に行えます。
とはいえ、トレーラーハウスを設置する土地自体に上下水道や電気がきていることが前提です。人里はなれた静かな場所に住みたい……といった場合には事前の確認が大切ですが、ライフラインが確保できる場所であれば、基本的にはどこでも移動できます。
セキュリティ面でも警備会社などのサービスを利用することができ、安心して生活することができます。
ライフライン接続にはルールがある
トレーラーハウスのライフライン接続には、以下の5つのルールがあります。
これらのルールは、トレーラハウスが車両扱いのためです。かんたんに着脱できない設備があると、車両ではなく土地に固着した建物として扱われます。
- 給水管や排水管は工具を使わずに着脱できること
- 電気の配線は工具を使わずに着脱できること
- ガスボンベが積載またはレンチで簡単に着脱できること
- 電話やインターネットなどの設備が工具を使わずに接続できること
- 冷暖房器具などの室外機はトレーラーハウスに積載されていること
トレーラーハウスは税制上のメリットがある場合も!
トレーラーハウスを購入する際に気になるのが税金でしょう。
税金の仕組みを正しく理解しておくと、税制上のメリットを受けられる場合もあるので、トレーラーハウス購入時に発生する税金について見てみましょう。
固定資産税はかかる?
「トレーラーハウスも住宅だから固定資産税がかかる」と思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、固定資産税が発生するのは土地や、土地に固定されている建物に対してです。タイヤが付いていて、移動可能なトレーラーハウスは固定資産税の対象とならない場合が多いので、コスト面でお得といえるでしょう。
自動車税がかかるのでは?
「それなら自動車税がかかるのでは?」という考えもあります。
ですが、トレーラハウスは車両扱いですが、エンジンなどの原動機がなく単体では移動できません。移動には牽引する別の車両が必要となることから、自動車税の対象外となる場合があります。
その他にかかる税金は?
トレーラーハウスを事業用途に使用する場合は、固定資産税がかかります。これは、店舗などとして使用すると償却資産の扱いになるためです。
また、住宅として利用していても、出入り口に土地と固着したデッキを作ったりすると、場合によっては車両扱いとならず、固定資産税が発生することもあります。
市街化調整区域にトレーラーハウスを設置した場合は、税金はかかりません。
※税金の扱いについては、念のためお住いの地方自治体や税務署などにご確認ください。
リーズナブルな価格で、購入ハードルも低め
トレーラーハウスの価格は、一般の住宅と比べるととってもリーズナブル。
とはいえ、運搬や設置には別途費用が発生するので、本体だけの価格だけではなく、トータルでの費用にきちんと確認しましょう。
購入時の価格例として以下に4例を挙げました。費用の参考としてみてください。
◯ 株式会社ドリームプロジェクトの施工例 → 合計金額の目安:1,028万円
- 【サイズ】全幅3.45×全長11.0×全高4.15m
- 本体価格:800万円
- 運送費:25万円〜(25kmの基本料金)
- 運送各種申請費:15万円〜
- 専用ジャッキ:15万円(一基15,000円)
- 設置レベル調整費:8万円〜
- エアコン、照明、家電、家具など:60万円〜
- ウッドデッキ:30万円〜(3畳程度)
- 外部電気接続:25万円~
- 外部給排水接続:50万円~
◯ 株式会社ドリームプロジェクトの施工例 → 合計の目安:637万円
- 【サイズ】全幅2.45×全長6.5×全高3.8m
- 本体価格:470万円
- 運送費:15万円〜(25kmの基本料金)
- 専用ジャッキ:9万円(一基15,000円)
- 設置レベル調整費:8万円〜
- エアコン、照明、家電、家具など:30万円〜
- ウッドデッキ:30万円〜(3畳程度)
- 外部電気接続:25万円~
- 外部給排水接続:50万円~
◯ パークホームズの施工例 → 合計金額の目安:540万円
- 本体価格:450万円
- 運送費:約50万円
- 設備費用:約40万円
◯ 株式会社カンバーランド・ジャパンの施工例 → 合計金額の目安:937万円
- 【サイズ】8.5m×3.2m
- 本体価格:870万円
- 基本料金:20万円(輸送3名)
- 特殊車両通行許可申請料金:4万円
- 基準緩和申請料金:3〜20万円
- 運送費:15万円〜(100kmの場合)
- 設置費:8万円〜
トレーラーハウスのデメリットもしっかり確認!
さまざまな場所に移動させて設置できるトレーラーハウスにはメリットばかりではなく、デメリットもあります。
デメリットも考慮した上で、トレーラーハウスの購入を検討するようにしましょう。
高さに制限がある
トレーラーハウスは、移動を考慮した設計のため、高さに制限があります。
公道を走行できる高さなので、2階建てにすることは不可能です。車両として登録されるので、トレーラーハウスの上にもうひとつ積み上げてということもできません。
2階建て以上の高さに住みたい人にはあまり向いていないでしょう。
移動中に破損しそうな素材は使えない
トレーラーハウスの移動中に破損のリスクがある素材は使えない、というのもデメリットに挙げられるでしょう。
タイルや石材などは一般の住宅ではよく使われる素材ですが、トレーラーハウスでは移動中に破損するおそれがあるので利用するのが難しくなります。
使えない素材はメーカーによっても異なります。もしどうしてもこだわりたい素材がある場合は、購入前にどのような素材が使えるか確認しておくとよいでしょう。
快適性を誇るムービングハウス「スマートモデューロ」も見逃せない!
トレーラーハウスとは一味違う、木材を使ったムービングハウス「スマートモデューロ(以下、スマモ)」もおすすめです。
ムービングハウスは、完成品をトレーラーに載せて移動させるため、トレーラーハウスと同様に設置した後も移動できます。ですが、シャーシからは下ろして土地に設置するため、トレーラーハウスほどかんたんには移動できず、もうひと手間かかってしまいます。
スマモには、トレーラハウスに引けをとらない、ムービングハウスならではの魅力があります。
住宅の素材すべて高級木材を使用し、室内はまるで自然の中にでもいるような爽やかな空間。さらに、一般住宅と比較して屋根・床・窓が2倍以上の厚みで高い気密性を持っているので、夏は涼しく、冬は暖かい快適な生活を過ごすことができます。
木材の調湿効果は蒸し暑さを軽減し、梅雨時期のジメジメも抑えてくれるでしょう。
サイズは3mタイプのモデューロと、6mタイプと12mタイプのスマートモデューロの3つですが、縦横に連結させて広げたり、L字型に配置したりとカスタマイズでき、自由な間取りが実現できます。
トレーラーハウスで、移動生活を楽しんで!
移動生活を楽しむなら、トレーラーハウスが最適。
もちろん、土地の購入費用やさまざまな準備や手続きなどが必要ですが、ひとつの場所にとどまることなく生活できるのが、トレーラーハウスの最大の魅力です。
最近ではトレーラーハウスの性能も向上し、より丈夫で快適な空間となっています。木材照明や暖炉、おしゃれなバルコニーなどアレンジの幅も広がっているので、一般住宅とは異なる非日常な快適生活を楽しむことできるでしょう。
YouTubeなどでは、実際にトレーラーハウス住んでいる人や、オフィスや店舗として活用している様子を手軽に見ることができるので、もっとトレーラーハウスの世界を知りたい人はチェックしてみてもいいかもしれません。
自分のライフスタイルあったトレーラーハウスに出会えるかもしれません!
あるときは都会で、あるときは自然を感じられる地方で、といった暮らしができるのがトレーラーハウスです。
住む場所を変えながら気分もリフレッシュできるトレーラーハウスでの生活は、移動することによって、逆に、その地域の特性や魅力をより深く感じられるでしょう。
自分のライフスタイルに合わせた住まい選びを、ぜひ楽しんでみてください!