トレーラーハウスに住民票を移すことはできるの?

一般の戸建て住宅と同じように外装や室内のデザインにこだわることができ、好きな土地に移動できるトレーラーハウス。

住む場所に縛られないフレキシブルで自由な暮らしは、忙しい現代の人なら一度は憧れたことがあるはず。

でも、実際にトレーラーハウスに住むとなると「住民票は移せるの?」「固定資産税はどうなるの?」など気になることもありますよね。

そこで今回は、トレーラーハウスに住民票を移すための条件や、税制上のメリットから注意点までを詳しく解説します。

トレーラーハウスに住民票を移せるの?

トレーラーハウスに住民票が移せるかを説明する前に、まずは「住民票」についておさらいしておきましょう。

住民票というのは、住所や氏名、生年月日、性別、その市区町村の住民となった年月日、以前の住所など、その住民に関する情報をまとめた公の名簿のことで、住民台帳としてまとめられ各市町村ごとに保管されています。

住民票は、自分がどこに住んでいるのかを証明するだけでなく、その市区町村の市民サービスを受けたり、その地域の選挙権を行使するためにも必要なものです。

そのため、進学や就職、結婚、転勤などさまざまな理由で引越しをする場合には、原則として「引越しをしてから14日以内」に住民票を異動させなければならないと住民基本台帳法によって定められています。

この決まりを守らずに住民票を新住所へ移さずにいると、5千円以下の罰金が課せられてしまうこともあるので注意が必要です。

なお、住民票を移すには引越す前に役所などで「転出届」の手続きを行って「転出証明書」を発行してもらう必要があります。

その後、引越し先の役所で、転出証明書を添えて転入届の手続きを行うことで、新しい住民票が作成されて異動は完了です。

では、実際にトレーラーハウスで暮らす場合、住民票を移すことはできるのでしょうか?

結論からいえば、住民票を移すことができるかは条件によって異なります。

住民票の異動について、移すことができるケースとそうでないケースをそれぞれ詳しく見ていきましょう。

住民票の異動が認められる条件

住民の異動が認められる条件のひとつ目は、トレーラーハウスを設置する土地が所有地であるということです。

ただし、土地の所有者が自分自身である必要はなく、賃料を払って借りている借地であっても大丈夫です。

また、トレーラーハウスに住みながら移動し続けるのではなく、一定期間その土地にとどまることも条件となります。

住民票の異動が認められないケース

上のとおり、住民票はトレーラーハウスを設置する土地が所有地であり、一定期間にわたって居住することが異動の条件となります。

道の駅や高速道路のサービスエリアといった公共の駐車場や、所有者が明確ではない場所にはそもそもトレーラーハウスを設置できませんし、仮にできたとしても住民票を異動することはできません。

また、住民票というのは「居住の本拠地」を示すものなので、設置する土地が所有地であったとしても、常に異動し続ける場合には居住の本拠地には該当しないため、住民票の異動は認められません。

では、そのような場合にはどうしたらよいのでしょうか。

たとえば、フリーランスとして働いている人のなかには、一箇所に定住せず「アドレスホッパー」としての暮らしを楽しむ人もいます。

各地を転々としながら仕事もプライベートも充実できる素敵なライフスタイルですが、実家や住民票登録が認められている「コリビングサービス」などを利用して、居住の本拠地として住民票を置いておく必要があります。

心配な場合は自治体へ相談を!

広大な土地が広がる海外とは違って、日本ではトレーラーハウスを設置できる場所は限られています。

そのため、トレーラーハウスに住むことを考えた場合、上記で紹介したような住民票異動の条件を満たしているケースが多く、基本的には問題なく住民票を移動できると考えられます。

ただし、自治体によってはトレーラーハウスに対する住民票異動の条件を独自に設定している場合もあるため、トレーラーハウスに住むことを検討する際には、自治体に相談したり、法改正の有無を確認しておくのが安心でしょう。

トレーラーハウスは税制上のメリットがある!

住む場所に縛られない自由な暮らしができるトレーラーハウスですが、移動しなくても、トレーラーハウスの魅力を存分に楽しむことは可能です。

特に、大きな自然災害が続く近年は、「家」というものに対する考え方を見直す人も多く、豪華で贅沢な家ではなく、必要最低限の持ち物で暮らすミニマルな生活ができるシンプルな家を希望する人も増えています。

その選択肢のひとつとして、トレーラーハウスが注目されているのです。

そして、このトレーラーハウスには税制上のメリットがあるのを知っていますか?

土地や家などを所有した場合、その所有者には地方税の一種である固定資産税が課されます。

固定資産税は、地域や建物の構造などの条件によって大きく変動するため具体的な税額の例示は難しいですが、平均的な相場としては年間10万円〜12万円がひとつの目安となります。

では、トレーラーハウスに住んだ場合、固定資産税はどのくらいになるのでしょうか?

実はトレーラーハウスは法律上では「車両」として扱われるため、トレーラーハウスそのものに対する固定資産税は発生しません。

また「車両扱い」ではあるものの、トレーラーハウス単体では自走できないため、一般的な自動車に課税される自動車税も、トレーラーハウスには発生しません。

このように、トレーラーハウスを住まいとした場合、税制上のメリットが得られる可能性があるというわけです。

税制上のメリットに潜む注意点

トレーラーハウスを住まいとすることで税制上のメリットが得られますが、一方で、どんな場合でも優遇されるわけではないことは、正しく理解しておきましょう。

固定資産税や自動車税の課税対象外となるためには、いくつかの条件を満たさなくてはいけません。

たとえば、トレーラーハウスに固定資産税がかからないのは、トレーラーハウスが「車両扱い」だからです。

そのため、トレーラーハウスについているタイヤを取り外したり、移動の際に支障となる「取り外しが容易ではない」ベランダや階段、給排水などの配管を設置している場合には、土地に定着した建物と見なされ固定資産税の対象となります。

また、トレーラーハウスの大きさがある一定以下のサイズになると、車検付きトレーラーハウスとして、自動車税や重量税、自動車取得税などが発生することも。

さらには、トレーラーハウスを設置する地域によっては、減価償却費が必要になる自治体もあるため注意が必要です。

なお、このような税制上のメリットはずっと続くものとは限らず、将来的には、たとえば「トレーラーハウス税」のような税制度ができる可能性も考えられます。

実際にトレーラーハウスで暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった!」とならないように、細かな条件などをきちんと確認しておくのが大切でしょう。

トレーラーハウス設置についての詳しい情報は、日本トレーラーハウス協会の「トレーラーハウス建築基準マニュアル」を参考にするのもおすすめです。

水道、ガス、電気などのライフラインも大丈夫!

条件を満たせば住民票の異動も可能で、税制上のメリットも得られるトレーラーハウスですが、実際に暮らすとなると水道やガス、電気などの設置はマストです。

でも、移動ができるトレーラーハウスに、水道や電気が付けられるの?と心配になったみなさん、ご安心ください!

トレーラーハウスは基本的に一般住宅と同じ作りなので、電気やガス、水道などのライフラインや、トイレなどの設備を付けることが可能です。

ただし、設置方法や設備の種類は一般住宅とは少し異なります。

なぜなら、トレーラーハウスは「いつでも移動できる状態」にしておくことが「車両扱い」となる条件だからです。一般住宅と同じような取り外しのできないインフラ設備を設置した場合は、「建物」と見なされ固定資産税の対象となります。

では、設置する場合にはどうするのでしょうか。そのポイントは「配線や配管などが工具なしで取り外しができる」ということ。

たとえば、ガスを設置する際には都市ガスではなくプロパンガスを採用し、水道や下水についてもトレーラーハウス専用の簡単に取り外しできるものを使用します。

この点を押さえておけば、基本的にトレーラーハウスは建物ではなく車両扱いとなるはずです。

なお、トレーラーハウスに設置するインフラ設備は、日本トレーラーハウス協会が工具不要の便利な部品などを紹介しているので、参考にするとよいでしょう。

トレーラーハウスに住んで自由に生きよう!

せっかく、家を持つならみんなと同じではつまらない!

個性的で、遊び心のある、快適な住まいに暮らしたい!

そんな願いをまるっと叶えてくれるトレーラーハウスは、新しい住まいのかたちとして、これからますます注目されていくでしょう。

生き方にも働き方にも多様性が認められている今だからこそ、住まいにも自分らしさを探求するのは自然なことですね。

たとえば、土地を購入して家を建てるとなると大きな費用負担だけではなく、その土地を離れることが簡単にはできなくなってしまいます。

本当にこの土地でいいのだろうか……。転勤で引越すことになったら……。あれこれ考えていくと一箇所に定住するのが、とてつもなくハードルの高いことのように感じてしまう人もいるはずです。

移動できるトレーラーハウスなら、そうした悩みも軽やかに越えていくことができるでしょう。

ライフイベントや仕事に合わせて、住む土地に縛られることなく暮らすことができ、フリーランスであれば日本全国を移動しながらワーケーションを楽しむことだって夢ではありません。

もちろん、トレーラーハウスはキャンピングカーとは違い、長期間の滞在に必要なインフラ設備を備えることもできます。

「移動ができる」という特徴以外は一般の住宅とほとんど変わらないため、快適性も万全です。

外装はもちろん、室内も無垢材を使ったフローリングを設置したり、自然素材だけを使った内装に仕上げることもでき、戸建て住宅に引けを取らない快適性を実現できます。

地震や台風にも強いトレーラーハウス

実際にトレーラーハウスに暮らすとなると、安全性も絶対に譲れないポイントですね。

トレーラーハウスは、一般住宅のように基礎の上に建てるわけではなく、車台に載せたままの状態で設置するため、耐震性などの安全面が心配になる人も多いのではないでしょうか。

でもご安心ください!

トレーラーハウスは快適性だけでなく、地震や台風などにも耐えられる強度を備えているのも、その特徴のひとつなのです。

そもそも、トレーラーハウスは移動の際の揺れを軽減するようにできていて、設置の際も地面に固定をせずにジャッキアップで支えているため、地震の揺れに対しては免震構造の役割を果たします。

また、トレーラーハウスによってはジャッキアップだけでなく、トレーラーハウスの外側に支えを取り付けて固定するものもり、台風などの強風でも安心です。

もちろん、安全性を高めるために設置する土地の強度などもしっかりと確認しておく必要がありますが、トレーラーハウスは自然災害の多い日本でも安心して暮らせる構造になっています。

トレーラーハウスを考えているなら、「スマートモデューロ」という選択肢も!

ここまで、トレーラーハウスに住民票が異動できるのかという疑問から、トレーラーハウスでの暮らしのメリットや注意点、そしてトレーラーハウスの魅力を詳しく紹介してきました。

結論としては、いくつかの条件を満たせばトレーラハウスに住民票を異動することができますし、税制上のメリットを得ることもできます。

水道やガス、電気などのライフラインの設置も可能で、一般の戸建て住宅と同じような快適な暮らしができ、自分らしい内装や外装も楽しむことだってできるのです。

自分らしさにこだわるなら、スマートモデューロもおすすめ!

新しい住まいのかたちとして注目のトレーラーハウスですが、もっともっと自分らしさを追求するなら「スマートモデューロ」という選択肢も!

スマートモデューロ(以下、スマモ)は、動かせる住まい「ムービングハウス」の一種で、創業70年以上の老舗の建築資材サプライヤー 株式会社 吉銘が製造から販売までを手がけています。

外観はコンテナハウスのようにも見えますが、スマモは、住宅建築の代表的な工法である木造軸組工法で建てられた高級木造住宅です。

内装はもちろんフレームまでもが木造。自然素材を贅沢に使い、コンテナハウスとは桁違いの快適性を実現しています。

スマモには、3m(約10㎡)、6m(約15㎡)、12m(約30㎡)の3サイズがあり、敷地の広さや用途によって最適な大きさを選ぶことができます。

もちろん、外装や内装だけでなく間取りの自由度も高く、工場で製造した完成品をトレーラーで運んで設置するので、工期も短期間です。

転勤などさまざまな事情で引越しが必要になったら、クレーンとトレーラーでそのまま移動できる柔軟さもスマモの大きな魅力です。

スマモについてもっと詳しく知りたい人は、スマートモデューロの特徴やメリット、価格などを紹介したこちらの記事も参考にしてみてください。