自分にピッタリの作業小屋を手に入れる方法。

近ごろ、「作業小屋」というものに憧れています。
自宅のそばに、誰にも気兼ねすることなく自由に趣味を楽しむことができる、自分だけの空間があったらいいなと思うのです。

趣味を持つと、その作業に没頭できる環境が欲しくなりませんか?
コロナ禍によって、外で過ごすよりも自宅で過ごす時間が増えた今、これまで以上に趣味の時間を大切にしたり、新しい趣味を探したりする方が増えているそうです。
かくいう私もそのひとりで、絵を描く楽しさにどっぷりハマっています。

はじめは小さな付箋に描く程度だったのが、次第に画用紙やキャンバスへと変わり、絵を描く道具もボールペンから色鉛筆、アクリル絵の具とどんどん本格的になっていきました。
そうなると部屋の一角だけではどうにもスペースが足りず、気がつくと部屋中に絵具や筆が散らばっているという始末。
夢中になればなるほど、新しい画材を使ってみたくなって、絵を描く道具を収納しておくスペースもあっという間に足りなくなっていきました。

自分の部屋だけに収まらず、一緒に暮らす家族の生活スペースにまで道具類を置いてしまったり、絵の具で汚してしまったりしたせいで、なんとなく気まずい雰囲気になったことも。
もちろん私だって、せっかく始めた趣味で家族に不興を買うことは本望ではありません。
それに、描いたものを飾ってみんなに見てもらうことができたらいいな、なんて思いもありましたから、趣味を楽しむ空間にさまざまな制約があることは、なんとも悩ましい日々でした。

そんな時に出会ったのが「作業小屋」です。

コンパクトな佇まいと快適な空間。
これなら自宅の庭に置くことができる!と胸が高鳴りました。
私だけの作業空間ですから、どれだけ汚しても、どれだけ画材を広げても問題ナシ!
好きな時に絵を描くことに思いっきり夢中になれる日が来るなんて、思ってもみませんでした。

というわけで、今回は私の救世主ともいえる「作業小屋」について、その魅力やおすすめの製品、気になる価格まで詳しく紹介していきたいと思います!

子ども心がよみがえる。秘密基地のような「作業小屋」

“作業小屋”と聞いて、みなさんはどのような建物をイメージしますか?

例えば、部屋の真ん中に裸電球がひとつぶら下がっただけの狭くて薄暗い空間や、荷物であふれかえっている物置小屋の一角に、なんとか作業ができるスペースを確保しただけのものなど。
造りはとっても簡素で、隙間風は当たり前。夏は蒸し暑く、冬は極寒といったイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

私の祖父がかつて自作した作業小屋も、まさにそのようなイメージにぴったりの空間でした。
祖父は基礎から木枠の作成、組み立てまで、全てDIYで作業小屋を作ったことがあります。

作業小屋といっても、組み立てた木枠の上から全体をブルーシートで覆っただけの簡易的な建物でしたから、風が強い日にはギシギシと揺れることがあったり、夏は蒸し風呂状態、冬は雪に埋もれそうになったこともありました。

決して快適とは言えない、むしろ自然の過酷さを丸ごと体感できるような作業小屋でしたが、作りかけの椅子や完成したテーブルなどが置かれた室内は不思議と居心地が良く、そこかしこに散らかった祖父愛用の工具や資材さえもキラキラと輝いて見えました。

そこには確かに祖父だけの空間が広がっていて、家とは全く異なるその雰囲気に、幼い頃の私は秘密基地にいるようなワクワクした気持ちを感じていたものです。
その記憶こそが、私が作業小屋に憧れを持つようになった原点になっていると思います。

趣味を持っているみなさんも、自分だけの空間があったらいいなと思うことはありませんか?
誰にも邪魔されず、一緒に暮らす家族にも不満を感じさせない、自分だけの小さな作業小屋。

家族に気兼ねなく思いっきり楽器の演奏を楽しんだり、好きな音楽を大きなボリュームで聴いたり、時にはなにもせずにボーっとして忙しい日々の生活から自分を切り離す。
そんな贅沢な時間を過ごせる特別な空間があれば、暮らしはもっともっと豊かになるはずです。

特に、今回のコロナ禍によるステイホーム期間は、私たちが住まいや暮らしについて考える良いきっかけになったのではないでしょうか。
家族との時間も、自分だけの時間も大切にしたいと考える人が増えたことで注目されるようになった作業小屋。

今、この大人の小さな秘密基地が、ちょっとしたブームになっています。

庭に設置できるようなコンパクトな作業小屋の製造・販売をするメーカー増えてきて、サイズから仕様、価格まで充実したラインナップが揃っているので、きっとみなさんにもぴったりのものが見つかるはずです!

作業小屋に使えるタイプと価格はどんなもの?

作業小屋といっても、特に定義が決められているわけではありませんから、自分がこれだ!と感じて居心地良く思えるなら、どんなものでも構わないわけです。

サイズはもちろん、素材やデザイン、価格もさまざまで、なかには作業小屋としてだけでなく、ゆったりとくつろげる空間にしたくなるような素敵な小屋もあります。

では、実際にどのようなものを作業小屋として利用することができるのでしょうか。

ここからは、比較的手軽に導入できそうなおすすめのアイデアをいくつかご紹介していきます。

物置小屋をおしゃれな作業小屋に

最初にご紹介するのは、フランス・ゴーフィレックス社の『フレンチシェッド ミディ』。

見た目は白いログハウスのように見えますが、実はPVC(ポリ塩化ビニール)と呼ばれる特殊な素材で作られていて、高い耐紫外線性と耐久性が特徴です。

基本的にはメンテナンスフリーで、汚れた時には水で丸洗いができるのも嬉しいポイント。

3畳ほどのコンパクトサイズですが、もともとはスノーボードやボートなどの長尺物を収納できるように作られているため、作業小屋としても十分な広さを確保することができます。

アクセントに添えられたグリーングレーのフレームもフレンチ感満載。

ハンドメイド好きの方ならミシンやトルソー、作業台を持ちこんで、自分だけのアトリエとして使うのもおすすめです。

【商品名】フレンチシェッド ミディ
【価格】298,100円(税込)
【サイズ】W2420×H2369×D2021mm
【重量】約140kg
【素材】PVC(ポリ塩化ビニル)、一部金属

<参考:JUICYGARDEN

絵本から飛び出したようなプレイハウスを作業小屋に

次にご紹介するのが、ナチュラルな木製の小屋『Be:forKIDS&friends』。

まるで絵本から飛び出したような可愛い外観は、存在感たっぷりなのに悪目立ちすることなく、緑の芝生の上に置いてもマッチします。

もともとは子どもが遊ぶためのプレイハウスとして作られているためサイズはかなりコンパクトですが、絵を描いたりギターを弾いたりするには十分な広さです。

組み立て不要の完成品が届くから、手軽に作業小屋の夢を叶えることができます。

【商品名】ビー:フォーキッズ&フレンズ
【価格】971,000円(税込)
【サイズ】W1500×H2600×D2000mm
【重量】約350kg
【素材】SPF材

<参考:東京ガーデニングスタイル

男のロマンが詰まったバイク小屋

こちらは、グリーンのガルバニウムがスタイリッシュなバイク小屋『メタルシェッド TM2W ワイド』。

窓はついていませんが、観音開きのワイドな扉を開ければ問題なし。

大型のバイクも楽々収納できる広さで、一般的なバイクのサイズならメンテナンスのスペースを確保することも。

バイクの他に自転車やスノボ、サーフボードのメンテナンスを楽しむ場所にもおすすめです。

【商品名】メタルシェッド TM2W ワイド
【価格】386,000円(税込)
【サイズ】W1820××H2040×D2680(ドアW1395)
【重量】約203.5kg
【素材】ガルバリウム鋼板(PVC樹脂コーティング仕上)、ステンレススチール亜鉛メッキ

<参考:JUICYGARDEN

汚れを気にせず作業に没頭するならコレ!

そして最後にご紹介するのがコチラ、農業用のビニールハウスです!

ビニールハウスの作業小屋なんて、私たちの盲点を突く斬新な使い方だと思いませんか?

バイクのメンテナンスや木工作業など汚れが気になる作業も、ビニールハウスの作業小屋なら心置きなく没頭することができそうですよね。

温室ということもあって、冬場の暖かさはもちろん、両サイドが開閉できるから夏場の風通しも問題ナシ。

何よりも、圧倒的なコストパフォーマンスの高さは、万が一壊れてしまったり不要になったりしても後ろ髪を引かれずに手放すこともできます。

【価格】16,253 円(税込)
【サイズ】長さ3m〜
【素材】PEターポリン

<参考:Scope-pro

作業小屋は、DIYで自作もできる

物置小屋やバイク小屋は手軽に設置できるのが魅力ですが、腕に自信があるかたはハーフビルドに挑戦してみるのもおすすめです。

最近の小屋ブームの影響もあって、DIYで組み立てることができるキットも増えています。

時間や労力をかけて仕上げた作業小屋は、もっともっと特別な空間になるはずです。

ちなみに、DIYのキットをネットショップなどで見ていると「ハーフビルド」と「フルビルド」という言葉を目にすることがありますが、この2つについてはその違いをきちんと理解しておくことが大切でしょう。

*ハーフビルド

ハーフビルドというのは、その名の通りハーフ(半分)だけ自分たちで作るという意味です。

重たくて危険な工事などはプロにお願いをして、それ以外の部分は自分たちの手で仕上げていきます。

具体的な作業としては基礎工事や上棟工事、屋根と外壁工事、窓ドアの取り付け、内部の階段製作あたりプロにお任せするのが一般的です。

そして残りの内部は、その多くを自分たちで作っていきます。

なかには収納扉や机、キッチン、洗面台、ベッドなどを自作する人もいて、半分だけとは言えこだわろうと思えばいくらでもこだわることが可能です。

*フルビルド

ハーフビルドが簡単な作業だけを自分たちで行うのに対し、フルビルドは内装工事を含む全ての作業を最初から最後までプロにお願いをすることです。

ハーフビルドかフルビルドかは選択できるケースが多いので、「作業小屋が欲しいけれど自分では建てられない」というDIYの苦手な方でも安心して注文することができます。

DIYできるおすすめの作業小屋

①BESS 『IMAGO-A』

最初にご紹介するのは、人気ログハウスメーカーの「BESS」が手がける本物のログを使った小屋。

厚さ7cmもあるログ材は、構造材から外装材、内装材、断熱材の役割を果たしていて、室内は快適で居心地の良い空間になっています。

サイズはおよそ2.9坪(約5.5畳)で、作業部屋にするには十分な広さ。

DIYに必要な工具類をレンタルしてくれたり、マニュアルや動画も充実しているから初心者でも安心して組み立てられるのも嬉しいポイントです。

価格は108万円からで、施工依頼は基礎工事のみ対応しています。

<参考:建てるログ小屋 IMAGO

 

②ジェイスタイルガレージ 『シダーガレージ』

作業小屋というよりも、もはや家。

「ジェイスタイルガレージ」から販売されている「シダーガレージ」は、カナダ産木材を日本で加工した本格的なツーバイフォーのガレージです。

外壁には耐水性が高く腐りにくいレッドシダーの無垢材を使用し、木の香りを全身に感じながら最高の趣味時間を楽しめます。

サイズも豊富でカスタマイズの自由度も高いから、敷地の広さや用途に合わせたぴったりの作業小屋に仕上げることができそうです。

価格は約104万円からで、フルビルドにも対応しています。

<参考:ジェイスタイルガレージ  シダーガレージ

③Green bell 『ナチュラルシリーズ スタイル01』

「自然の風合いに合う・溶け込む・使い込むほどに味が出る」をコンセプトにした「Green Bell」のナチュラルシリーズ。

キットの木材は全て無塗装で、そのまま木の風合いを生かしたり、好きな色にペイントしたり好みのテイストに仕上げることができます。

サイズは約3坪(約6畳)のワンサイズのみ。

オプションで床や内装の壁を板貼りにすると快適さがぐっと増します。

お気に入りのソファを持ちこんで、ゆっくりと本を読んだりするのも素敵です。

価格は53万2900円で、フルビルドにも対応しています。

<参考:ナチュラルシリーズ・スタイル

このまま暮らしたい。スマートモデューロも作業小屋におすすめ!

いかがでしたか? ここまでさまざまなタイプの小屋をご紹介してきましたが、私がみなさんにおすすめしたいもうひとつの選択肢が、「スマートモデューロ」です。

スマートモデューロは「ムービングハウス」とも言われていて、工場で仕上げた完成品をそのまま現地に輸送することができる移動可能な本格木造住宅です。

クレーンとトレーラーを使って運びやすいように、海上輸送用コンテナと同じサイズですが、同じなのはサイズだけで、枠組みから壁、床、天井まで全てに高級木材を使ったスマートモデューロは、コンテナともコンテナハウスとも全く異なります。

サイズは3m、6m、12mの3タイプがありますが、作業小屋として使うなら断然3mタイプの「モデューロ」がおすすめ。
6m、12mサイズは、「スマートモデューロ」で、3つのタイプを総称し「スマモ」と呼ばれ、親しまれています。

ちなみにモデューロは、一番コンパクトなサイズですが、これひとつでピアノやドラムも十分おさまる広さ!

DIYで棚を作ったり、テーブルを入れたりしてもまだまだ余裕があります。

作業するときに気になる「音」をしっかり防音!

スマモは外壁や内壁、床の厚みが一般住宅の約2倍もあります。

その秘密は、壁や床に極厚の断熱材が入っているから。

そのため、外気の影響を受けにくく、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内空間となっています。

さらに、3層構造の窓を使用することによって外気を中に入れないだけでなく、室内の音が外に漏れるのを徹底的に防止。

例えば、室内の入り口付近にピアノを置いて弾いても、扉の外側では話声くらいの音量というぐらい高い防音性能があります。

ピアノやエレキギター、ドラムなどの楽器演奏はもちろん、大きな音が出る機材を使う趣味も、音楽を聴きながらの作業や迫力満点の音量で楽しむ映画鑑賞だって、周囲を気にせずに思う存分熱中することができそうですよね。

3mタイプのモデューロなら、1ルームほどなの広さだから冷暖房の効きが良くて経済的。

北海道のような寒冷地から、沖縄のような暑い地域まで安心して利用することが可能です。

モデューロについて詳しくお知りになりたい方は、「趣味部屋にピッタリ!3mタイプの「スマモ」で自分だけの幸せ空間」もご覧ください。

小屋を建てる際に押さえておきたい法律

手軽に設置できるコンパクトな小屋からログ材を使った本格的な小屋まで、小屋にはさまざまな種類があって、どれにしようか選ぶのも楽しい時間ですよね。

でもここで忘れてはいけないのが、建築基準法には「小屋」の定義はなく、「建物」とみなされるということ。

つまり、条件によっては小屋であっても建物と同等のさまざまな法規制の対象となることもあるのです。

では、実際に小屋を建てる場合、どのような点に気をつけたら良いのか詳しく見ていきましょう。

確認申請について

確認申請が必要なケース

①他に建物のない土地に小屋を新築する場合。
②家と同じ敷地に床面積が10㎡以上の小屋を建てる場合。
③床面積が10㎡以下で、防火地域または準防火地域に建てる場合。

確認申請が不要なケース

①家と同じ敷地に床面積が10㎡以下の小屋を建てる場合。
②なおかつその土地が防火地域または準防火地域に該当していない場合。

固定資産税について

固定資産税は土地や建物に対して課税される税金ですが、条件によっては小屋にも固定資産税がかかるケースがあります。

では、具体的にどのような小屋が建物とみなされて固定資産税の課税対象となるのでしょうか。

ポイントとなるのは、小屋の設置方法や使用目的など。

例えば、基礎工事がされて土地への定着性がある場合や、屋根や周囲に壁がある場合、居住はもちろん、作業や貯蔵に使用ができる場合などは建物とみなされてしまうため、小屋にも固定資産税が課税される可能性は圧倒的に高いとうわけです。

その他の注意点

「せっかく作業小屋を建てるなら、とことん快適な空間にして生活ができる環境を整えたい」と考えている方はいませんか?

実は、建築基準法では1つの区画(土地)には1つの建物しか建てられないという決まりがあります。

そのため、例え作業小屋でも、トイレやキッチン、お風呂場、電気などのライフラインが全て揃っていると建物とみなされてしまい、建築基準法違反となってしまうことがあるのです。

ポイントは、「作業小屋だけで生活が完結できるかどうか」ということ。

これについては、自分で判断するのが難しい場合もありますから、あらかじめ地方自治体に問い合わせをしておくことをおすすめします。

あなたにピッタリの作業小屋がきっとみつかる

子どものころにワクワクした祖父の小さな作業小屋。

今はもうないけれど、今度は自分だけの作業小屋でのびのびと趣味を楽しんでみたいと思っています。

今回私がおすすめしたスマートモデューロも含めて、小屋にはさまざまなサイズ、種類、デザインがあります。

どんな小屋でどんな時間を過ごしたいのかを具体的にイメージすることで、きっと一人ひとりにぴったりの作業小屋が見つかるはずです。

ぜひ、自分だけの素敵な作業小屋を探してみてくださいね。