中古コンテナのタイプや用途、購入ポイントを解説!住まいや倉庫、店舗利用にも!
船舶や鉄道車両での大量輸送に使われるコンテナ。このコンテナは中古品も多く販売されており、多種多様に使われています。
コンテナを使ったコンテナハウスは、住まいとして一般住宅と遜色ない居住性能を誇るものもあり、利用者も増えています。住まいだけではなく、店舗として活用する人もいますね。
一口にコンテナ(中古コンテナ)といっても、製造目的が違うと、その使い道もガラリと変わります。知らずに使ってしまうと、耐久性が足りず壊れてしまう可能性もあり、さらには違法建築になっ てしまうことも!
今回はこの中古コンテナについて、その価格やタイプ、購入の際の注意点などを詳しく紹介します!
中古コンテナの種類と価格相場
コンテナには、主に「海上輸送用コンテナ」と「建築用コンテナ」の2種類があります。コンテナの中古市場には、海上輸送用も建築用もどちらも流通しています。
中古コンテナを購入する場合は、まずはその利用目的で選ぶのがよいでしょう。
物置に使うなら海上輸送用コンテナでも問題ありませんが、住居用や店舗用に使うなら建築用コンテナを選びましょう。もし住居用や店舗用に海上輸送用コンテナをそのまま使用すると、建築基準法に則っていない違法建築になってしまうので要注意です。
それでは、国際標準化機構(ISO)で定められた規格の「ISO海上輸送用コンテナ」と「建築用コンテナ」について、その種類や価格相場などをかんたんに紹介します。
ISO海上輸送用コンテナ
ISO海上輸送用コンテナは、世界中で統一された規格で作られており、船舶への積み下ろしやトレーラーでの輸送を効率化する目的で使用されます。頑丈な構造で、コンテナ同士を重ねても問題ありません。
海上輸送用コンテナには、よく使われる鉄製のコンテナに床板を貼ったドライコンテナのほかに、温度管理が必要な荷物に対応したサーマルコンテナや、液体を輸送するためのタンクコンテナといった種類があります。
海上輸送用コンテナの価格相場は、サイズによって異なり、中古市場では10フィートから40フィートまでのコンテナが数多く取り扱われています。
10フィートの場合は25万円前後、12フィートなら30万円前後、20フィートなら30万円〜45万円、40フィートなら45万円〜70万円が相場になります。
中には、通常のコンテナよりも少し高さのあるハイキューブコンテナもあり、通常コンテナよりも価格が高くなります。
建築用コンテナ
建築用コンテナは、店舗用や住居用などの建物としての使用を目的としたコンテナです。
建築用コンテナは、JIS認定工場で溶接が行われているJIS鋼材で作られたもので、建築基準法に則っており、窓やドアなどの開口部を設けても安全性が劣ることはないとされています。
海上輸送用コンテナと同じサイズですが、中身はまったくの別物です。
海上輸送用コンテナは、そのまま住居用などの建物に使用すると違法建築物になってしまいます。もしどうしても海上輸送コンテナを使う場合には、求められる基準に適合するように、必要な改修を施してから使う必要があります。
物置として使用する場合でも、建築用コンテナの方が安全性が優れています。
さらに建築専用コンテナの価格相場は、「鋼鉄躯体部分のみ」か「断熱・内装込み」かによって差があります。
鋼鉄躯体部分のみの建築用コンテナの場合は、20フィートが40万円〜80万円、40フィートが70万円〜140万円が価格相場です。
店舗用や住居用にも使える断熱・内装込みの建築用コンテナの場合は、20フィートで60万円〜140万円、40フィートで100万円〜260万円が価格相場になります。
本体価格の他に必要になる運搬輸送費は、サイズが大きくなれば価格も上がり、20フィートで10万円〜19万円、40フィートで15万円〜24万円が目安になります。
コンテナの特長
コンテナハウスなど住まいの建物としても注目されているコンテナですが、検討している人はまずその特徴を知っておくとよいでしょう。
コンテナの主な特長は次の通りです。
- サイズは主に2種類で、柔軟なアレンジができる
- 強度や耐久性が優れている
- 輸送できるので移転も可能
これらは建築用コンテナの特長ですので、コンテナハウスを検討している人は必見です。
特長① サイズは主に2種類で、柔軟なアレンジができる
建築用コンテナのサイズは、20フィートと40フィートの2種類がメインです。いずれも幅は2.348m、高さが2.591mで、その長さが異なります。
20フィートコンテナの長さは6.058mで、広さは畳7.7帖ほど。40フィートコンテナは長さが12.192mで、広さは16.2帖ほどと、コンテナハウスとしては広々とした空間になります。
さらにハイキューブコンテナといって、高さが30cmほど高いコンテナがあります。
コンテナ1台でも十分な広さですが、コンテナは並べたり重ねたりしてさらに空間を広げることができます。2階建てのコンテナハウスを検討する人も増えており、実際に店舗や住まいとして活用されています。
デザインの自由度も高く、おしゃれな住まいとしても注目されているのがコンテナハウスなのです!
特長② 強度や耐久性が優れている
建築用コンテナは、建築基準法に従って作られているため住居としての強度や耐久性が優れています。
ラーメン構造で作られた建築用コンテナは、外部からの力をコンテナの構造全体に分散することで強度や耐久性を保ちます。窓やドアなどの開口部を設けても、大きなねじれや歪みは生じにくくなっています。
耐用年数は40年ほどで、木造の建物やコンクリート造の建築物とあまり変わりません。
設置する場所によっては、強度や耐久性を高めるために追加で加工をした方がよい場合もあります。たとえば、海の近くに設置するなら、防錆加工を行うことで潮風による劣化の進行を防ぐことができます。
適切な断熱工事が施されていれば、夏も冬も一年中快適に過ごせる上に、内装によっては注文住宅と同じような高性能な住まいにすることも。
特長③ 輸送できるので移転も可能
建築用コンテナは、海上輸送用コンテナとサイズ規格が同じです。
そのためトレーラーなどで輸送でき、建物をまるごとそのまま土地から土地へと引越しすることもできます。ただし規格外のものなど、輸送できない場合もあるので注意してください。
コンテナハウスを設置するなら、輸送ができるかどうかもあわせて確認しておくといいですね。
コンテナは店舗・事務所・倉庫などさまざまな用途に使える!
建築用コンテナは、住まいとしてのコンテナハウスのほかにも、さまざまな用途で使えます。住居用以外では、主に店舗や倉庫、事務所などに活用される場合が多くあります。
電気や水回り設備なども設置できるため、美容室・飲食店・画廊・サロンなどといったライフラインが必要な店舗としてもおすすめでしょう。
倉庫や事務所に利用する場合は、シンプルな間取りや内装で済むのでコストも大幅に下げられます。近年ではリモートワークなども増えているため、自宅の建物とは別に、仕事スペースを確保したい人からも注目されています。
一人の時間が過ごせる趣味の部屋としてコンテナを活用するのもいいでしょう。愛車を紫外線や雨風から守るガレージとしても、あるいはキャンプ道具やスキー用品、子どもの遊び道具などを収納する物置小屋としても役立ちそうですね!
コンテナ利用のメリットについて
コンテナハウスをマイホームにする人が増えているのは、さまざまなメリットがあるから。
マイホームを建てる際に誰もが検討する注文住宅とは異なり、コンテナハウスならではのメリットがとても魅力的だからです。
コンテナハウスの主なメリットは、次の3点です。
- 低コストである
- 幅広い用途で使える
- 移設可能である
マイホームを検討している人は、これから紹介するコンテナ利用のメリットを確認して、より自分に合ったかたちの住まいを見つけましょう。
メリット① 低コストである
コンパクトなコンテナハウスの一番の大きなメリットが「低コストであること」。工場で建物を作ってから輸送して設置するため、現場での建築にかかる人件費も削減できます。
低コストな住宅が注目されている中で、コンテナハウスへの関心も高まっています。低コストに抑えられるから、子育て世代や若い世代にもおすすめですね。
建築用コンテナにはエコ資材が使われていたり、コンテナ自体が再利用できることから、エシカルな建物とも言えるかもしれません。
低コストであるからといって耐久性が劣っているわけではなく、安全性もしっかり確保されているので安心して暮らすことができます。
メリット② 幅広い用途で使える
建築用コンテナは、建物として「さまざまな用途で使えること」でも注目されています。
たとえば、起業したいけど建物を新たに借りたり建てたりする資金が心もとないといった場合でも、建築用コンテナを活用すれば費用を抑えて自分のお店をオープンすることができるかもしれません。
住まいだけではなく、カフェや飲食店、美容室などの店舗、事務所やオフィス、ワークスペース、ガレージや倉庫などさまざまな用途に使えるのがコンテナハウスのメリットですね。
まずは利用目的を明確にすることが、コンテナ選びで失敗しないポイントでもあります。
メリット③ 移設可能である
コンテナを利用した建物の強みにもなるのが、「移設可能であること」です。
通常の戸建住宅や店舗の建物を、そのまままるごと移動させるようなことはできません。しかしコンテナハウスの場合は、土地に設置した後でもトレーラーなどで移動することが可能です。
移設可能であることは、引越したり、店舗の移転がかんたんに行えたりと建物の不便な点の解消にもなります。季節ごとに居住地を変えて、旅をしながら暮らすような生活もコンテナハウスなら実現できるかもしれませんね。
また、移設だけではなく、増設もできるのがコンテナハウスのメリットでもあります。
コンテナの開口部を繋げれば空間を広げられ、スペースを増やすことができます。もちろん設置する土地は必要ですが、必要に応じてあとからでも自由にカスタムできるのは大きなメリットですね。
中古のコンテナを購入するならココ!
実際にコンテナハウスを検討しているなら、まずはどのような製品があるのかをWebサイトで見てみるのがいいでしょう。
コストを抑えたいなら、中古コンテナを購入することで費用を大幅に抑えることも可能です。
中古品と聞くと古びたイメージがあるかもしれません。ですが、中古品コンテナは、メーカーや販売会社によってメンテナンスやクリーニングしてから販売されるので、中には新品と見間違えるようなコンテナがあることも!
中古のコンテナハウスは、一点ものであることやリーズナブルなことから非常に人気があり、売りに出るとすぐに購入されてしまうことも多くあります。自分に合った商品があれば、すぐに問い合わせてみることもおすすめです。
中古コンテナを販売しているメーカーやサイトはいくつかありますが、ここではその中から3サイトを紹介します。紹介するのは次の3社のサイトです。
- エーケーホーム
- ロニーコンテナ
- ATS.Japan
企業によっては実物が見られる販売店もありますが、Webサイトの画像のみの場合もあります。それでは各サイトの特徴などを、取り扱っている中古コンテナの価格や商品と合わせて見てみましょう。
エーケーホーム
エーケーホームは、群馬県内を中心に関東への配送を受け付けている中古コンテナ販売サイトです。
コンテナ本体の販売だけではなく、電気工事や設備工事にも対応しており、ライフラインが整った建築用コンテナを探している人にはうってつけでしょう。
取り扱っている商品には「20フィートコンテナルーム」「トイレ付きコンテナルーム」「コンテナガレージ」などがあります。
20フィートコンテナルームは、オレンジの外装に、清潔感のあるホワイトで統一された室内空間、玄関スペース付きの建築用コンテナです。
トイレ付きコンテナルームは、トイレだけではなくエアコンやシーリングライトが付いており、コンセントも4つ配置されています。
コンテナガレージは12フィートサイズ。観音開きになっている片方の入り口からはバイクの出入りが可能です。
ロニーコンテナ
ロニーコンテナは、コンテナの販売だけではなく、レンタルも受け付けているコンテナ販売サイトです。建築用コンテナのほかに、倉庫として利用できる海上輸送用コンテナも扱っています。
取り扱っている商品には「12フィートコンテナハウス」や「20フィートコンテナハウス」などがあります。
12フィートコンテナハウスは、窓やドアの設置や電気工事が施されており、バイク保管庫として使われていたコンテナです。
20フィートコンテナハウスは、玄関部分に庇が設置されています。内装や電気工事も施されており、実際にデザインスタジオとして使われていたものです。
ATS.Japan
ATS.Japanは、中古コンテナの販売に加え、コンテナハウスの製造や加工も行っている企業のサイトです。
弥富・名港・大府・七宝の4つのコンテナヤードがあり、名港ヤードでは予約すればコンテナの見学もできます。
取り扱っている商品には「12フィートJRコンテナ・プチコンテナハウス」や「20フィートテレワークスペース用/事務所型コンテナハウス」などがあります。
12フィートJRコンテナ・プチコンテナハウスは、断熱施工やコンセントが設置されており、自宅の離れやテレワークスペースなどにおすすめです。
20フィートテレワークスペース用/事務所型コンテナハウスは、エアコンや換気扇が装備されており、T字型デスクが特徴的なコンテナです。
注意点を押さえて、ぴったりな中古コンテナを見つけよう!
中古コンテナの魅力やコンテナハウスのメリットなどを紹介してきましたが、最後に中古コンテナを購入する際の注意点を確認しておきましょう。
コンテナを購入する際には、まずはコンテナの種類を確認してください。もし店舗用や住居用の建物として海上輸送用コンテナをそのまま使用すると、違法建築になってしまいます。
また、コンテナが設置できるかどうか、実際の土地の状態を確認しておくことも必要です。コンテナの中には、特注品など規格外のサイズもあり、輸送や設置が難しい場合もあります。
中古コンテナを購入する場合はこれらの注意点に気をつけて、自分にぴったりのコンテナを見つけてください。