検討している人は必見!トレーラーハウスのメリット・デメリット

移動できる住宅、トレーラーハウスを知っていますか。

車両を運ぶためのシャーシに住宅を載せた、ちょっと特殊な住まいです。

移動が可能なトレーラーハウスは海外で生まれました。

1500年代にはすでに存在していたとされ、当時は馬が牽引していたという長い歴史をもつトレーラーハウスですが、最近では日本でも新しい住まいの在り方として注目を集めています。

度重なる災害に加えて、コロナ禍の今、住宅ごと移動ができるというのは大きなメリットでしょう。

しかし、トレーラーハウスにはデメリットもあります。

購入してから後悔しないように、トレーラーハウスのメリットだけではなく、デメリットもしっかり理解した上で検討するのが大事なことです。

この記事では、トレーラーハウスのデメリットにもスポットを当てて、詳しくご紹介していきます。

建物なの?車両なの?押さえておきたい トレーラーハウスのポイント

トレーラーハウスはその名のとおり、“トレーラー”であり、“ハウス”でもあります。

つまり、車でもあり家でもあるわけですが、法律上は車両扱いになっています。

その理由は、土地に固定されておらず、自由に移動できるから。

そのため、通常、所有する土地や住居にかかる固定資産税などは必要ありません。

建築基準法が適用されると車両扱いではなくなる

“ハウス”よりも“トレーラー”であることに重きが置かれ、法律上は車両扱いとなるトレーラーハウス。しかしそのためには、単に車輪が付いていて動かせるだけではいけません。

たとえば、トレーラーハウスを特定の場所に設置したり、電気や水道といった土地側のライフラインを接続したりすると、建築基準法が適用され車両扱いから建物扱いに変わるのです。

具体的には、以下のトレーラーハウスは建築物扱いとなり、固定資産税などの対象となります。

  • 階段・ポーチ・ベランダなどがあり、すみやかに移動ができないもの
  • 接続した給排水・電気・ガス・電話・冷暖房などの設備配線や配管を、工具を使用せずに取り外せないもの
  • 車輪が取り外されているなど、走行するのに十分な状態でないもの
  • 設置場所から公道までの通路が確保されていないもの

つまり、車両扱いとなるためには、文字通り「車両」としてきちんと整備されており、道路運送車両法に違反のない状態でなければいけないのです。

移動するためには車検や許可が必要

トレーラーハウスを車両扱いとするためには、車として機能しなければなりません。必要に応じて移動ができるよう、常に準備は整えておきましょう。

車幅が2.5m未満のトレーラーハウスは、保安基準第2条の制限内なので車検が通っていれば問題ありません。

しかし、同2条の制限を超える車幅が2.5m以上のトレーラーハウスは、まず基準緩和の認定を受けた上で、特殊車両通行許可を取得する必要があります。

トレーラーハウスには高さ制限がある

車両扱いとなるトレーラーハウスには高さの制限もあります。

とはいえ高さは3.8mまで大丈夫なので、住まいとしての利用に不便や窮屈さを感じることはないでしょう。

むしろ、制限ギリギリまで高くすれば、そのぶん収納スペースやロフトを作ることができ、より快適な生活が可能なはずです。

実はまったく違う!トレーラーハウスとキャンピングカー

家でもあり車でもあるというと、キャンピングカーを思い浮かべる人も多いでしょう。

たしかに、一見するとトレーラーハウスとキャンピングカーはよく似ているかもしれません。

しかし、見た目は似ていてもこの2つは実はまったく別物なのです。

トレーラーハウスの特徴

  • 建物自体に走行機能はなく、シャーシに載せられている
  • 建物を土地に定着させないまま、水道・電気・ガスなどのライフラインを引き込める

キャンピングカーの特徴

  • 建物に車輪がついていてそのまま走行可能
  • 水やガス、電気といったライフラインは車内のタンクや電源から使用する

つまり、トレーラーハウスとキャンピングカーのもっとも大きな違いは「自走できるかどうか」といえるでしょう。

トレーラーハウスのメリットは?

あくまでも車両なので、大きさには一定の制限があることから、庭や駐車スペースなどに置けることもトレーラーハウスの魅力のひとつ。

通常、ひとつの敷地内に建築物はひとつしか許可されませんが、トレーラーハウスは車両なので問題ありません。

法律上、離れ(はなれ)を作れないケースなどは、トレーラーハウスを代わりに用いるのもよいでしょう。

このように、もともとそれほど大きくはないトレーラーハウスですが、その中でもよりコンパクトなキャンピングトレーラーの場合には、普通自動車で牽引して移動することもできます。

少しのスペースがあれば置ける

あくまでも車両なので、大きさには一定の制限があることから、庭や駐車スペースなどに置けることもトレーラーハウスの魅力のひとつ。

通常、ひとつの敷地内に建築物はひとつしか許可されませんが、トレーラーハウスは車両なので問題ありません。

法律上、離れ(はなれ)を作れないケースなどは、トレーラーハウスを代わりに用いるのもよいでしょう。

このように、もともとそれほど大きくはないトレーラーハウスですが、その中でもよりコンパクトなキャンピングトレーラーの場合には、普通自動車で牽引して移動することもできます。

自由にカスタマイズできる

トレーラーハウスは、カスタマイズの自由度が高いのもメリットです。

内装だけではなく、天窓を付けたり、フラワーボックスを設けたりと一般住宅と同じように工夫することで、自分にぴったりの快適空間が実現できるのです。

セキュリティシステムを導入できる

トレーラーハウスはそれ自体が住まいとなる大事な財産です。

財産を守るために、一般住宅と同様にセキュリティシステムを導入することも可能となっています。

たとえば、セコムなどの警備会社と契約することもできるので安心です。

もっとも大事なのはデメリットもしっかり把握すること

メリットがたくさんあり、とても魅力的なトレーラーハウス。

しかし、購入するからにはデメリットもきちんと理解しておいた方がよいでしょう。

トレーラーハウスにももちろんデメリットはあり、中には、工夫ではどうしようもできないこともあるので注意が必要です。

移動するためには、牽引できる幅の道が必要

移動できることが魅力のトレーラーハウスですが、移動するためには公道に出なければなりません。

たとえば庭に置いたのなら、そこから敷地の外まで、牽引車が通れるだけの幅やスペースがなければいけないのです。

2階建ては不可能

トレーラーハウスは、シャーシに載せたコンパクトな居住空間が基本です。そのため、2つ重ねることはできません。

仮にしっかりと接着をしたとしても、高さ制限を超えてしまいトレーラーハウスとしては機能しないのです。

運搬費用がかかる

移動可能なことが魅力のトレーラーハウスですが、車でドライブ……のように気軽なわけではありません。

総重量が750kgを超える場合には牽引免許が必要なので、自分で取得しない限り、移動のたびにまとまった費用が必要になります。

都市ガスは使えない場合がほとんど

トレーラーハウスは、法律上は車両扱いになります。

そのため、土地に固定された住宅で使用することを前提に整備されている都市ガスは、規格や形式の面で導入できないケースがほとんどです。

使用できる素材がかぎられる

トレーラーハウスは、あくまでも車両です。

そのため、移動する(走行する)ことを前提にした設計でなければなりません。

つまり、石やタイルなど割れやすい素材は使えないということ。

車両として、移動中の衝撃などに耐えられるように頑丈に作らなければならないのです。

通常の住宅よりもメンテナンスが必要になる

トレーラーハウスは雨風にさらされることで傷み、錆なども生じてきます。

これは、あまり移動(走行)をしなかったとしても同じ。

素材や造りの問題で、一般的な住宅よりも傷みやすいので定期的にメンテナンスをしなければなりません。

建築物に該当する場合もあるので要注意!

トレーラーハウスは法律上、建築物ではなく車両扱いです。

しかし、すでに述べたように、建築基準法が適用される状態であった場合には車両扱いではなくなり、建築物となるので注意が必要です。

  • 随時かつ任意に移動することに支障のある階段・ポーチ・ベランダがある
    → 階段がある、ポーチやベランダがある場合、車両の規定である全幅約3.5m×総全長13.1m×全高約4.1mをオーバーしてしまいます。
    そのため移動できなくなり、車両として扱われなくなります。
  • トレーラーハウスに接続する水道・電気・ガス・電話・冷暖房などの設備配線や配管が工具を使用しないで取り外すことができないもの
    → それらを取り外さないと、トレーラーハウスは移動することができません。
    しかし、取り外すために工具が必要な場合、土地に固定されているとみなされ、車両ではないとされるのです。
  • 車輪が取り外されているもの、走行するに十分な状態になっていないもの
    → そのままの状態で走行できないものは車両扱いになりません。
  • 設置場所から公道に出るまでの通路が連続して確保されていないもの
    → たとえトレーラーハウス自体に問題がなくても、公道まで移動できない場合はその場所に固定されたものとみなされ、建築物扱いになります。

これらに該当して車両扱いとならないトレーラーハウスは、建築物とみなされ、居住部分、土地ともに固定資産税がかかります。

デメリットをしっかり把握して、自分にぴったりな住まい選びをしよう

かつて住宅といえば、一戸建てか集合住宅かくらいの選択肢かありませんでした。

しかし最近では、この記事で紹介したトレーラーハウスやコンテナハウス、そしてタイニーハウスなど、住宅にはさまざまな選択肢があります。

家ごと移動できるという生活はとても魅力的ですが、メリットにばかり目を向けるのは失敗のもと。

前向きに購入を検討するからこそ、デメリットもしっかりと把握しておきましょう。

そして、メリットもデメリットも理解した上で、素敵なトレーラーハウスと出会えるといいですね。