【保存版】40フィートコンテナのすべて!広さや間取り、価格や輸送費まで徹底解説

短い納期でローコストに入手でき、レイアウトの自由度も高い「コンテナハウス」は、国内外で大きな話題となっています。

おしゃれなコンテナハウスの写真を見るだけでもワクワクしますよね。

一方で、実際にコンテナハウスを建てようとすると、「広さはどれくらい?」「価格や輸送費はどれくらいかかる?」「固定資産税はかかるの?」など気になることも多いのではないでしょうか。

コンテナハウスは、デザイン性も高く、便利なイメージが広がりつつあるものの、コンテナを購入して住まいや店舗に利用する方法やそのポイントといったことは、あまり知られていません。

この記事では、40フィートコンテナに焦点を当て、

  • コンテナの広さや間取り
  • コンテナの価格や輸送費
  • 固定資産税の算出方法

といった点を、コンテナハウスの事例も交えて、徹底的に解説します。

 40フィートコンテナの大きさは?

40フィートコンテナとは、いったいどのぐらいの大きさなのでしょうか?

40フィートコンテナの大きさには「ノーマルキューブ」と、それよりも30㎝高い「ハイキューブ」の2タイプがあります。ここではコンテナハウスによく使われるハイキューブタイプについて説明します。

40フィートコンテナ(ハイキューブ)の内寸・外寸

コンテナの外寸はISO規格で明確に定められていますが、内寸は定められているのが最小内寸のみで、実際にはメーカーによってばらつきがあります。

【40フィートコンテナの外寸】
長さ:12,192mm
幅 :2,438mm
高さ2,896mm

【40フィートコンテナの最小内寸】
長さ11,998mm
幅 2,330mm
高さ2,655mm

40フィートコンテナ(ハイキューブ)の内容積・自重・積載重量

内容積、コンテナの自重、積載重量に規格はないので目安になります。

内容積 :約74.2㎥
自重  :3,900~4,500kg程度
積載重量:25,980~26,580kg

40フィートコンテナの床面積

メーカーにより内寸に差があるので、ここでは最小内寸をもとに計算します。

床面積:長さ11.998m × 幅2.330m = 約28㎡

一帖を1.62㎡とすると約17帖分の広さになります。6帖の部屋2つに5帖の部屋1つと考えると、ゆったりとした広さがあるのがわかりますね。

 【注意点あり】40フィートコンテナの価格は?

コンテナと価格

40フィートコンテナ価格はどれくらいでしょうか? 注意点もあるので、あわせて確認しましょう。

40フィートコンテナの価格相場

40フィートコンテナの本体価格は、新品で160万円~、中古品で50万円~が相場となっています。

意外と安いと思ったかもしれませんが、これにトイレやキッチンなどの水回り設備を付け、電気水道などライフラインの改修をすることで住まいとして利用できるようになります。

改修費用の目安は、水回りで200万円前後、内装やライフラインの改修で100万円前後になります。業者によっても費用が異なるので、相見積もりをとって比較検討するとよいでしょう。

【注意!】中古品の購入はよく考えて

中古品のコンテナ本体の価格は、新品よりもかなり安くて惹かれますが、ちょっと待ってください!

40フィートコンテナの中古品で市場に出回っているのは、多くは海上輸送用のコンテナです。この海上輸送用コンテナは日本の建築基準法に則っておらず、そのため、このままでは建物として利用することはできません。

住宅用コンテナには、日本のJIS規格を満たすJIS鋼材の使用が必須ですが、海上輸送用コンテナにはJIS鋼材はほぼ使われていません。また、海上輸送用コンテナは壁面で建物全体を支える壁構造のため、窓やドアを付けるために壁に穴をあけると強度が下がってしまいます。

こうしたことから海上輸送用コンテナを建物に利用する場合は、建築基準法をクリアするために大がかりな補修が必要となり、新品よりもかえって費用がかかってしまうこともあるのです。

安さだけを見て中古品を選ぶのではなく、こういったデメリットも把握して選ぶようにしましょう。

 輸送費や輸送に必要な設備は?

コンテナハウスは本体価格とは別に、設置場所へ運ぶための輸送費がかかります。

40フィートコンテナの輸送費の目安は8万円~30万円ほどです。10mを超えるサイズのためトラックには搭載できず、トレーラーで輸送します。

そのため、設置する場所にはトレーラーが入れるスペースが必要で、入口に面した道路の幅が最低でも5m、入り口の幅が最低でも10m必要です。また、トレーラーから敷地に設置するために、大型クレーンで吊り上げ作業を行います。

設置する土地が傾斜している場合などは、水平に設置するための費用が別にかかることもあります。

大型クレーンで吊り上げる際に障害物となる電線や高い壁がないかも事前に確認し、不安がある場合は業者に相談しておきましょう。

コンテナハウスには固定資産税がかかる!

コンテナハウスに税金がかかるのかも、気になるところですよね。

結論としては、コンテナハウスにも一般住宅と同じように固定資産税がかかります。ただし、条件を満たせば軽減措置もありますので、要チェックです!

固定資産税の算出方法

固定資産税は「1月1日時点で土地や建物などの資産を所有している人に課税される税金」のことです。

納税通知書が住んでいる市町村(東京都23区は都)から届き、通常は6月/9月/12月/2月の年4回に分けて納めるか、または1年分を一括で納めます。

固定資産税の対象となる建物の定義は以下になります。

  • 屋根や壁に囲まれていること
  • 建物が土地に密着していること
  • 住居、倉庫、作業などの用途として使用できること

コンテナハウスはこれらのすべてにあてはまるので、建物とみなされ固定資産税がかかるというわけです。

税額は「固定資産課税台帳に記載された評価額に1.4%をかけた金額」で、たとえば評価額が1,000万円なら、納める税額は「1,000万円×0.14%=14万円」になります。

コンテナハウスの建物だけではなく、設置している土地が自分の所有であればその土地も固定資産税の対象となり、同様の方法で税額が計算されます。評価額は3年に一度、見直され、納税額はその都度変動します。

固定資産税の軽減措置とは?

固定資産税には減税措置があり、条件しだいで税金を抑えられます。減税措置について、建物と土地に分けて、それぞれ説明します。

①【建物】認定長期優良住宅に関する特例措置

認定長期優良住宅制度とは、耐震性や可変性など長期に渡って使用するための構造や設備を有している、居住環境への配慮を行っているなどの措置がされている住居を認定する制度です。

認定されると、固定資産税が一戸建てなら5年間、3階建て以上の耐火・準耐火建造物なら7年間、当該住宅の固定資産税額(1戸あたり120㎡までが限度)の2分の1が減額されます。

新築住宅の軽減措置の場合は、一戸建ては3年間、3階建て以上の建造物については5年間なので、長期優良住宅の特例措置が認められれば通常よりも2年間、減税の期間を延ばすことができます。

申請の流れとしては、まず認定優良住宅の認定を受けるために、着工前に登録住宅性能評価機関から認定通知書を発行してもらう必要があります。

その後、この認定通知書と、申請書やその他に定められた書類を市町村へ提出して認定をもらいます。

減税の対象となる住宅を、東京都の例で紹介します(東京都:「認定長期優良住宅を新築し、1月31日までに申告された場合、固定資産税が減額されます」より抜粋)。

  • 平成21年6月4日から令和4年3月31日までの間に新築された住宅であること
  • 長期優良住宅の普及の促進に関する法律第10条第2号に規定する認定長期優良住宅 であること
  • 居住部分の床面積の割合が当該家屋の2分の1以上であること
  • 1戸あたりの床面積が50㎡以上〜280㎡以下であること(ただし、一戸建て以外の貸家の用に供する住宅は40㎡以上〜280㎡以下)

「2分の1の減額」となると大きな節税になるので、条件に当てはまれば申請しない手はないですね!

②【土地】住宅用地の特例による軽減措置

所有している土地を住宅用地として使う場合に減税の対象となります。適用条件は以下になります。

  • 200㎡以下の小規模住宅用地:評価額の6分の1
  • 200㎡超えの一般住宅用地:評価額の3分の1

ただし、建物の課税床面積の10倍が上限です。具体例として、土地が120㎡で固定資産税の評価額が3,000万円の土地の場合であれば、「3,000万円 × 1/6 × 1.4% = 7万円」になります。

なお、この特例に関しては期限が定められていません。

 40フィートコンテナの建物事例

40フィートコンテナは、実際どのような建物に使われているのでしょうか。

ここでは5つの事例を紹介しますので、コンテナのある暮らしを想像してみてください。

シックな平屋型住居のコンテナハウスと事務所

【使用コンテナ】40フィートハイキューブコンテナ4台、20フィートハイキューブコンテナ1台

40フィートハイキューブコンテナ4台を繋げて住まいとした建物です。寝室やこども部屋、ゲストルームまで用意され、遊び心あふれる空間となっています。

また、自宅での仕事用に、20フィートハイキューブコンテナを併設して事務所を設置。家族を身近に感じながらも、別の空間で集中して仕事に取り組むことができるようになっています。

参考:ATS.Japan合同会社:シックな平屋型住居コンテナハウス&併設事務所製作

シンプルなシャッター付きコンテナ倉庫

【使用コンテナ】40フィートハイキューブコンテナ1台

コンテナの側面にシャッターを取り付けたコンテナ倉庫の事例です。グリーンでシンプルな外観に、横すべり窓がアクセントになっており、収納や運び出しがしやすいコンテナ倉庫となっています。

ハイキューブコンテナを使っているため、通常のコンテナよりも高さがあり余裕をもって使えます。

参考: ATS.Japan合同会社:シンプルな40フィートのシャッター付コンテナ倉庫

飲食店舗型コンテナハウス

【使用コンテナ】40フィートハイキューブコンテナ3台

40フィートのハイキューブコンテナ3台をつなげた広い店内空間。中古コンテナを使うことで価格もリーズナブルに作られているそうです。

コンテナ側面に設けられた全面ガラス窓が、おしゃれで開放感のある空間演出になっていますね。

参考:ATS.Japan合同会社:おさかな舎様(岐阜県海津市) 飲食店舗型コンテナハウス 中古40フィートハイキューブコンテナ3本連結

恵比寿コンテナ

【使用コンテナ】40フィートコンテナ1台

40フィートコンテナを使ったおしゃれなコンテナハウスのカフェ。

街中の遊休地に移動可能なコンテナを活用して、地域を盛り上げるイベント&カフェスペースとして3年間の期間限定でオープンした例です。

参考:株式会社コンテナハウス2040.jp:カフェ – 恵比寿コンテナ | コンテナハウス施工事例

COBA INDUSTRIAL WORKS

【使用コンテナ】40フィートコンテナ8台

40フィートコンテナを上下に繋げたりと8台を使い、ブラックの外観が印象的な店舗の例です。

DIY用のアイアンパーツを製造・販売するショップの雰囲気は、コンテナハウスともよく合います。開口部を大きく取り、明るい店内も印象的ですね。

参考:株式会社コンテナハウス2040.jp:ショップ – COBA INDUSTRIAL WORKS | コンテナハウス施工事例

 コンテナには40フィート以外のサイズもある

コンテナのサイズ

コンテナハウスの建物に、40フィートコンテナと組み合わせて使用されることの多い10フィート/20フィートコンテナを紹介します。

それぞれのサイズを組み合わせれば、用途に合った広さの建物になりますね。

ちなみに、12フィートや31フィートといったサイズのコンテナもありますが、ISO規格ではなく日本国内のJR鉄道輸送コンテナの独自規格で、コンテナハウスとしての使用例も多くはありません。

10フィートコンテナ(ハイキューブ)の内寸・外寸

プレハブハウスに多く使われるハイキューブタイプのサイズです。

【外寸(ISO規格)】
長さ2,991mm
幅 :2,438mm
高さ:2,591mm

【最小内寸(ISO規格)】
長さ:2,840mm
 :2,350mm
高さ:2,390mm

10フィートコンテナ(ハイキューブ)の内容積・自重・積載重量

内容積、コンテナの自重、積載重量に規格はないので目安になります。

  • 内容積 :約15.95㎥
  • 自重  :1,300kg程度
  • 積載重量:8,660kg程度

10フィートコンテナの床面積

床面積:長さ2.84m × 幅2.35m = 約6.674㎡(最小内寸で計算)

一帖を1.62㎡とすると約4.1帖。コンパクトなコンテナサイズなので場所を取らず、自宅の脇にも置けますね。

20フィートコンテナ(ハイキューブ)の内寸・外寸

プレハブハウスに多く使われるハイキューブタイプのサイズです。

【外寸(ISO規格)】
長さ:6,058mm
 :2,438mm
高さ:2,896mm

【最小内寸(ISO規格)】
長さ:5,867mm
 :2,330mm
高さ:2,655mm

20フィートコンテナ(ハイキューブ)の内容積・自重・積載重量

内容積、コンテナの自重、積載重量に規格はないので目安になります。

  • 内容積 :約32.1㎥
  • 自重  :2,200kg~2,400kg程度
  • 積載重量:28,080kg~28,280kg

20フィートコンテナの床面積

床面積:長さ5.867m × 幅2.33m = 約13.7㎡(最小内寸で計算)

一帖を1.62㎡とすると約8.5帖。大型乗用車がまるまる入るほどのスペースです。

 コンテナハウスを検討しているなら「スマートモデューロ」という選択も!

ここまで40フィートコンテナについて説明してきました。コンテナのサイズ感や価格相場、輸送費、税金について理解が深まったかと思います。

記事を読みながら「コンテナハウスってこんな活用法があるんだ」「自分だったらこんなふうに使いたい」といったイメージも膨らんだのではないでしょうか。

ところで、コンテナハウスを検討されている人に、選択肢のひとつとしてぜひおすすめしたい建物があります。

輸送コンテナ規格と同じサイズで作られたムービングハウス「スマートモデューロ」です。

コンテナハウスと同様にコンテナの規格サイズで作られていますが、その中身はまったくの別物。スマートモデューロ(以下、スマモ)は、内装や枠組みまで木材で作られた、いわば「輸送できる高級木造住宅」なのです。

鋼鉄製のコンテナは錆びやすいのがデメリットですが、木材で作られたスマモならその心配はありません。年月が経てば、木材独自の味のある風合いが出て、なにより木材の匂いがただよう空間は温かみが感じられてリラックス効果も抜群!

スマモには6mと12mタイプの「スマートモデューロ」と、3mタイプの「モデューロ」の2タイプ3サイズがあります。それぞれを連結させたり渡り廊下で繋げたりと、自由にレイアウトすることで思い通りの空間を作ることもできます。

工場で製造した完成した建物をトレーラーで運んで設置するだけなので、スマモの導入も簡単です。

スマモについてもっと詳しく知りたい人は、スマートモデューロの特徴やメリット、価格などを紹介したこちらの記事も参考にしてみてください。

コンテナハウスもスマモも、どちらもとても魅力的で建物ですね!ぜひご家族ともいっしょに比較検討して、快適な住まいとなる建物を見つけてください!