どこよりもわかりやすく防音を解説【防音室の性能選びに必見】

 

夜にもピアノを弾きたい、思い切り歌を歌いたい、集中して仕事をすることができる空間が欲しい……

防音室を欲しいと思う理由は様々です。

どういう防音室のがあるのだろうかとインターネットで調べる方も多いでしょう。

しかし、いざ調べて見ると防音室によって価格も全然違うし、大きさも違う。何を基準にしてどう選べばいいのかよく分からない人も多いはず。

どのくらいの性能のものを選べば良いのだろうかと悩み、いざ調べてみても、性能を表す単位も用語も難しくてイライラすることもしばしばあると思います。

「D値」「Dr値」「遮音」「吸音」……。

この記事ではそのようなお悩みに寄り添い、一つ一つ丁寧に分かりやすく解説していきます。

 

D値、Dr値とは何なのか

「D値」「Dr値」は防音室の性能を表すのには欠かせない言葉です。

簡単に言えば、音を遮る性能の数値のことで、D値、Dr値どちらも同じ意味合いを持っています。その数値が大きいほど性能が高くなります。

この単位はどうやって決まるのでしょうか。

まず、音の大きさの単位dB(デシベル)というものがあります。数字が大きい程、騒音に感じていきます。
例を挙げると、図のように人の話し声が60㏈、飛行機のエンジン音が120㏈くらいになります。

D値はこのdBを使ったときにどれだけ音を遮っているかを数値で表したものです。

例えば、100dBの音があり、D―20(D値が20という意味です)の壁を隔てた先で音を聞くとしましょう。
このとき、100-20=80dBの音が隔てた壁の先で聞こえます。

ちょうどセミの鳴き声と同じくらいの音です。結構うるさく感じませんか。

もう1つ例として、家の中に防音室を設置するとしましょう。
ある楽器が100dBの音を出して、D―40の防音室でD―20の壁を隔てた先で聞こえる音は、

100-40-20=40dBになります。

静かな住宅街と同じくらいです。これくらいの音なら楽器を弾いても近所迷惑になりにくく、安心して演奏ができます。

自分や周りの人が許容できるdBを考えて、それに合ったD値の防音室を探すのが大切です。

 

遮音、吸音とは何なのか

D値は遮音性能を表す単位ですが、「遮音」とはどういうことなのでしょうか。
加えて、似たような意味として「吸音」という言葉もあります。これらはどのような違いがあるかご存知ですか。

この違いを知ることで、より防音の対策をとりやすくなります。

「遮音」とは?

「遮音」とは文字通り、音を遮るということです。

空気中を通過して伝わる音をそのまま壁に伝わることなく跳ね返すことで遮断し、外へ伝わるのを防ぎます。
近所迷惑にならないように遮音性能は高いものを選ぶのがおすすめです。
しかし、とにかく遮音性能が高いもの。で選んでしまうと、費用がかさむだけでなく
聞こえる楽器の音が変質してしまい、楽器の練習の妨げになるおそれがあります。

それは、音を跳ね返している性質の影響で、場合によっては反響が発生してしまうためです。
この反響によって音が聞こえにくくなったり、音が変質してしまい本来の音色を損ねてしまいます。

そんな問題を解決してくれるのが、吸音です。

「吸音」とは?

「吸音」とは文字通り、音を吸うことです。
細かい穴が多くある素材を使って音を吸収することで、音の反射を防ぎ、音が室外に透過することを防いでくれます。
つまり、遮音するときの反射が少なくなるので、反響が少なくなり、音の変質も少なくなるわけです。

しかし、遮音性能と同じようにあまりにも吸音性能が高いと、デメリットがあります。

反響が全くなくなると、演奏会場のような美しい音の響きがなくなってしまいます。
本来の音が正確に出ているかどうかを確認したい場合は吸音の性能を高くし、ある程度の音の響きを求めるなら、性能を下げる。といった対策が必要になってきます。

目的に合わせて「遮音」と「吸音」のバランスを考えることが大切です。

T値とは何なのか?

家の一部屋をまるごと防音室仕様にする人もいると思います。そんな時「T値」という言葉を目にするかもしれません。T値」とはサッシやドアの遮音性能のことを意味します。

T値はT-1~4と表記され、値が大きい程遮音性は高くなります。

遮音性能を理解しても選ぶのは難しい

防音をするための遮音やその性能を表すD値などがどういうことかはここまでで理解できたと思います。

しかし、どれくらいの性能のものを選べば良いのでしょうか。

結論から言うと、ピアノの練習や声楽、本格的なカラオケルームにするなど、用途によって適切な性能は異なります。

ピアノや他のサックスなどの楽器、人間の声、それぞれの音の大きさや高さが違うためです。

例えば電話ボックスのような大きさの、ブース型と呼ばれるタイプの防音室を家の中に設置した場合で検証しましょう。家の壁の遮音性能がどれくらいあるのかにもよりますが、ここではおおよその目安を示します。

用途別に解説。アナタに合った遮音性能とは?

・誰にも迷惑をかけない楽器練習できるスペースを作りたい

・外からの音を遮断して集中できる環境を作りたい

自宅の壁の遮音性能によっても変わってきますが、ここではおおよその目安を示します。

誰にも迷惑をかけない楽器練習を作りたい

楽器ごとの大きさが異なるので、あくまで目安です。

フルート、ソプラノサックスなど高い音の管楽器、バイオリンなどの弦楽器、ライトアップピアノ

D-35以上がおすすめです。

アルトサックスなど低い音の管楽器、チェロなどの弦楽器、グランドピアノ

D-40以上を推奨します。

 

D/広さ 0.8畳 1.2畳 1.5畳 2.0畳 3.0畳
Dー35 フルート

クラリネット

声楽

YAMAHAセフィーネNS 

63.8万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

60.5万円~

ソプラノ・アルトサックス

トランペット

アコースティックギター

YAMAHAセフィーネNS

71.5万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

68.2万円~

ヴァイオリン・ヴィオラ

(天井が高め)

YAMAHAセフィーネNS

97.9万円~

アップライトピアノ

トロンボーン

YAMAHAセフィーネNS

107.8万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

103.4万円~

YAMAHAセフィーネNS

136.4万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

125.4万円~

D―40 YAMAHAセフィーネNS

91.3万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

77万円~I

テナー・バリトンサックス

YAMAHAセフィーネNS

102.3万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

88万円~

テナー・バリトンサックス

YAMAHAセフィーネNS

115.5万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

107.8万円

チェロ・コントラバス

(天井が高め2m以上)

YAMAHA

143万円~

YAMAHAセフィーネNS

148.5万円~

カワイ防音ルームナサール

(ライトタイプ)

139.7万円~

グランドピアノ

YAMAHAセフィーネNS

176万円~

カワイ防音ルームナサール

(スタンダードタイプ)

167.2万円~

 

防音性能をしっかり理解した上で、防音室の検討を!

防音について、いかがでしたか。

用途に合わせて適切なものを選ばなければ、必要以上にお金を費やしたり、思ってたほどの防音ができずにお金の無駄になったりしてしまうため、注意が必要です。

あなたにぴったりな防音室を見つけて、素敵な音楽ライフを手に入れましょう。