魅力いっぱいのスモールハウス!その種類や価格を徹底紹介

物をなるべく持たずに暮らす「ミニマリスト」と呼ばれる人が、若い世代を中心に増えているのを知っています?

海外でも物を持たずにシンプルでミニマルな暮らしをする人が増えています。

物を持たなければ、必然的に家も広く感じられ、もっと小さな空間でも快適に暮らせるのではと思うようになります。

そんなミニマリストのたどり着く先にある住まいが「スモールハウス」。スモールハウスは一見するとかわいらしい小屋のような外観で、生活する住まいには見えずに驚かれたりすることも。

ですが、驚くのはその見た目だけではありません。一般住宅と遜色ない居住性能を持ちながらも、不自由のない暮らしができるのがスモールハウスです。生活を便利にする工夫が詰まっています。

今回は、このスモールハウスを詳しく紹介します!

その名の通りの小さな家。スモールハウスってなに?

スモールハウスとは、車1台分の駐車場ほどの狭い土地があれば建てられる「とっても小さい家」のこと。近年、スモールハウスの製造や販売を行うメーカーも増えています。

ひとつの建物の中にキッチンやシャワー、トイレなどの設備を付けられるタイプもあり、冒頭のミニマリストのような物を持たないライフスタイルの人などは、このスモールハウスだけで十分に生活することもできます。

スモールハウスであっても、戸建住宅と同じように税金や必要な手続きがあります。

都市計画区域内に10㎡以上の建物を建てる場合には、原則として「確認申請」が必要となります。確認申請とは、建築基準法に適合しているかどうかを確認する手続きです。

また、建物を建てた際の不動産取得税や登録免許税、固定資産税といった税金も、一般の戸建住宅と同様にかかります。とはいえ、通常の戸建住宅よりも小さなスモールハウスは、その分の税金が抑えられるといったメリットも。

スモールハウスの中には、完成した建物をそのまま現地に運んで設置するタイプもあります。

こういったタイプのスモールハウスは輸送費が別に必要になりますが、逆に、現地での建築に必要な人件費が抑えられるので、トータルの費用を安くすることが可能です。

なによりもコストを抑えたい人や、DIYが得意な人であれば、自分で建てられるスモールハウスもあります。建物の部材がパッケージされた「キットハウス」と呼ばれるもので、Webのネットショップなどで購入することもできます!

キットハウスには、基礎工事や電気工事、給排水管の工事などが含まれない場合もありますので、その点はきちんと確認しておきましょう。

戸建住宅よりも大きく費用を抑えられるキットハウスなら、住宅ローンを組む必要もなく、スモールハウスならではの物を持たない生活が自然とできますね。

物を買ったり、物を新たに持つことへのこだわりや欲が無くなることで、「シンプルな思考で行動できるようになった!」という人もいるほどです。

また、スモールハウスには、家をまるごと運べるものもあります。シンプルな暮らしだけではなく、移住したいときに住まいまるごと引越しできるフットワークの軽さも、スモールハウスなら手に入るかもしれませんね。

このようにスモールハウスは、ふつうの戸建住宅とは違った魅力があるのです。

スモールハウスの種類

かわいい小型のトレーラーハウス

スモールハウスと呼ばれる建物には、タイニーハウスやトレーラーハウス、コンテナハウスなどの種類があります。ここではスモールハウスの種類ごとに、その特徴やメリット・デメリット、サイズになどについて説明します。

① タイニーハウス

スモールハウスと同様に、「とても小さな家」を意味するタイニーハウス。大きさの定義はありませんが、多くは10㎡〜25㎡ほどの広さになります。

タイニーハウスは、移動可能なタイプと、ベース付きのタイプに分けられます。

移動可能なタイプは、シャーシ(車台)の上に建物を載せたままで設置します。ベース付きのタイプは、一般住宅と同じように地面に設置します。

タイニーハウスのメリットは、なにより価格が安いこと。そして、タイプによっては建物ごと移動できる点がメリットで、小さな空間でミニマルな暮らしをしたい人におすすめです。

また、メーカーによっては、まるでファンタジーの世界のようなかわいらしい建物からスタイリッシュなものまで幅広いデザインがあり、見ているだけでもワクワクしてきますよ!

一方のデメリットは、ライフスタイルの変化に合わせにくい点です。小さな間取りのタイニーハウスは増築なども難しいため、結婚や出産で家族が増えたりした場合に、柔軟に住まいの空間を広げることはできません。

タイニーハウスを選ぶ際は、将来の暮らしもしっかり話し合っておかないと、後悔することにもなりかねません。

② トレーラーハウス

タイヤが付いたシャーシの上に、小さな建物を載せたものがトレーラーハウスです。①のタイニーハウスの輸送可能なタイプは「タイニートレーラーハウス」と呼んで、区別することもあります。

輸送して移動できることから、キャンピングカーと混同されがちですが、キャンピングカーとはまったく異なる仕様となっています。

キャンピングカーは、居住スペースそのものにタイヤやエンジンが付いており、自走することが可能です。ですが、キャンピングカーには水道・電気・ガスといったライフラインを直接引くことはできません。貯水タンクやバッテリーなどを搭載して利用します。

対するトレーラーハウスは、建物自体にはタイヤが付いていず、シャーシに載せないと運ぶことはできませんが、ライフラインに関しては、業者に依頼すれば直接設置することができます。

ただし、トレーラハウスの建物とライフラインの設置方法によっては、固定資産税などの扱いが変わる場合もあるので注意してください。

建物のサイズはメーカーによっても異なりますが、全長5mほど~13mほどのものが多く販売されています。

トレーラハウスの外観は、シャーシの上に載っている様子が特徴的で、そのため、住まいとして利用していても「なにかのお店かな?」と勘違いされることも。

室内は一般住宅とあまり変わりませんが、輸送可能な車両扱いにする場合には車高制限があり、2階建てなど高さのある建物にすることはできません。代わりに、ロフトを設置して寝室や物置スペースとする人が多いようです。

③ コンテナハウス

建築用コンテナを使って建てられた建物がコンテナハウスです。

比較的、費用を抑えて購入でき、耐久性にも非常に優れているという特徴があります。

建物のサイズはコンテナ規格の20フィートや40フィートのものがほとんどですが、近年では、輸送できるサイズであればカスタマイズできるメーカーも出てきています。

コンテナハウスのメリットには、工期が短く安価でもあり、コンテナを組み合わせて自由なレイアウトやスペースにできる点が挙げられます。

横に連結させて広いワンフロアにすることもでき、2階建てにすることも可能です。一般住宅と遜色ない居住性能もあり、コンテナハウスで理想の住まい空間を作り上げることもできますね。

また、ウッドデッキや木の床材を使ったりすれば、コンテナというソリッドでクールな印象を、ナチュラルテイストな優しい空間に仕上げることも可能です。レイアウトの自由度とあわせて、デザインが豊富なこともコンテナハウスの魅力です。

コンテナハウスのデメリットは、断熱処理をしないと鉄の塊になってしまうこと。直射光や外気温の影響を強く受けてしまい、夏は蒸し風呂ように暑くなり、冬は外にいるかのような極寒の住まいになってしまいます……。

もちろん、断熱対策は各メーカーがきちんと行ってくれますので、メーカーとしっかりと内容について話し合って決めましょう。

また、コンテナハウスは、海上輸送用のコンテナをそのまま使用することはできません。建築基準法に適合した建物になるように、前述の建築用コンテナを使ったり、輸送用コンテナを使う場合には基準に合うように改修する必要があります。こういった点も、知っておくべきポイントとなるでしょう。

スモールハウスの費用はどれくらい?

スモールハウスを建築する際の費用を、サイズごとの本体価格の相場や、固定資産税などについて見ていきましょう。

① タイニーハウスの費用

タイニーハウスのサイズごとの本体価格の費用相場は、以下になります。非常にリーズナブルで驚きですね!

・7.45㎡サイズのタイニーハウス:約98万円〜
・9.87㎡サイズのタイニーハウス:約123万円〜
・11㎡サイズのタイニーハウス:約440万円〜

タイニーハウスの建築費用は、約6帖~約10帖の建物であれば、本体価格と工事費を合わせて約200万円〜約400万円ほどになります。ライフラインの設備工事費は約100万円です。

中古のタイニーハウスであれば、100万円台から入手できるものもありますよ。

車両扱いのタイニーハウスであれば、建物に固定資産税はかかりませんが、設置した土地には固定資産税がかかります。固定資産税は広さにもよりますが、約2万円~3万円ほどでしょう。

② トレーラーハウスの費用

トレーラーハウスのサイズごとの本体価格の費用相場は、以下になります。

・5.5mサイズのトレーラーハウス:約288万円〜
・7mサイズのトレーラーハウス:約478万円〜
・11mサイズのトレーラーハウス:約708万円〜

トレーラーハウスの建築費用は、約200万円~約1,000万円と幅広くなっています。設置費用の他に、部品の費用、ライフラインにかかる費用、輸送費など、多くのコストがかかるためです。

トレーラーハウスは車両扱いなので、建物そのものには固定資産税はかかりません。しかし、トレーラハウスを設置する土地には固定資産税がかかります。

③ コンテナハウスの費用

コンテナハウスとして販売されている建物の多くは、ISO規格の20フィートコンテナと40フィートコンテナの2つのサイズのものになります。近年は、サイズのカスタマイズに対応するメーカーも登場しています。

ここではサイズごとの本体価格取りあげます。人気の高い12フィートのコンテナハウスもプラスしてみましょう。

・12フィートのコンテナハウス:約55万円〜
・20フィートのコンテナハウス:約85万円〜
・40フィートのコンテナハウス:約160万円〜

コンテナハウスの建築費用は、約300万円~約2,000万円です。コンテナハウスの輸送費は、以下が目安の金額になります。

  • 12フィート:約30万円〜約90万円
  • 20フィート:約60万円〜約180万円
  • 40フィート:約80万円〜約300万円

この他に、空調設備や電気などのライフライン工事に約100万円、水回り整備に約100万円〜約200万円がかかります。さらに建物の断熱性をより高くしたい場合などには、追加の費用が必要になりますので確認しておきましょう。

コンテナハウスの本体価格と費用を合わせたトータルでは、事務所などに利用するのであれば約300万円、住まいであれば約500万円程度と考えておくのがよいでしょう。

また、コンテナハウスは建築物扱いになるため、建物にも土地にも固定資産税がかかります。

スモールハウスの活用方法

店員さん

種類が豊富なスモールハウスには、当然ながらさまざまな活用法があります。

メインの住まいとしての利用や、自宅の庭に置く離れ、趣味を楽しむためのスペース、2拠点生活のための特別な空間にしてみたり。

キャンプ場の宿泊施設に利用するところもあり、カフェやお花屋さん、画廊やアトリエ、雑貨屋など小さな空間で店舗をオープンできる建物としても活躍しています。

この他にも、ピアノやトランペットなど楽器の練習部屋にしたり、子どもの秘密基地にしたりといった利用も楽しいかもしれません。子ども部屋を作りたいけど空いている部屋がないというときにも、スモールハウスが活躍できそうですね!

スモールハウスでミニマルな生活を!

今回は、スモールハウスの魅力を紹介しました。スモールハウスは、物を持たないシンプルな暮らしを可能としてくれます。

住まいとしての利用だけではなく、小さな空間を逆手にとれば個性的で印象的な店舗にもなるでしょう。ぱっと目を引く存在なので、「旅する小さなお店」というコンセプトのお店にするのも、素敵なアイデアかもしれません!

物は一時の所有欲を満たしてくれますが、その満足感は長くは続きません。「物を持たない」ことは、そうした物欲からも解放されるということです。心を豊かにしてくれる小さな住まいのスモールハウス。一度、体感してみてはどうでしょうか。

実際に見てみると、想像以上に狭かったりと不満が出ることもあるでしょう。「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも、複数の専門業社に相談をしてみることが何より大切です。

さまざまなスモールハウスから、ぜひあなたにぴったりの住まいを見つけてみてください!

 

※記事内容は、執筆時の各社の公開情報をもとにしていますが、執筆者の主観が含まれています。各メーカーで詳細などご確認のうえ、購入においては自らのご判断によってお願いいたします。
また課税や課税金額に関する判断は、お住いのエリアの所管税務署が行います。不明点がある場合は、所管の税務署に問い合わせることをおすすめいたします。