20フィートコンテナの広さや間取り、価格、輸送費などを徹底解説!

幅広い用途に使え、優れた経済性、レイアウトパターンの自由度で話題となっている「コンテナハウス」。置いてあるだけでも、その佇まいがかっこいいですよね。

倉庫だけでなく、店舗や事務所、離れなど「コンテナでこんなものが作れるの!?」と思ってしまうオシャレなコンテナハウスがたくさんあります。

とはいえ、実際にコンテナハウスを建てたい思ったときに、さまざまな疑問が湧いてくる人も多いはず。

「価格はどれぐらい?」「広さや間取りは?」「輸送費って高いの?」「固定資産税は?」などなど。

本記事ではコンテナの中でも、20フィートコンテナに中心に、徹底的に紹介します。

20フィートコンテナの広さや間取りは?

20フィートコンテナハウスの外寸サイズは、長さ6.058m、幅2.438m、高さ2.591mです。

20フィートコンテナのサイズは、海上輸送用のコンテナと同じ国際標準のサイズが一般的に普及しています。これはトラックや船などでの移動を簡単にするためです。

内寸はコンテナハウスによって若干のばらつきがありますが、参考サイズは長さ5.826m、幅2.286m、高さ2.563m。面積は約14.2㎡で、坪数では約4.3坪(約7.8畳)が目安となります。

本体重量は、使用鋼材によりますが約2.4t。容量は約32.1㎥、積載重量は28,080~28,280kgです。

20フィートコンテナ1台で一人暮らしができるほどのスペースです。

住まいとして利用する場合は、コンテナを連結して使用することが多いですが、1台でも生活するのに不便のない環境が揃います。

20フィートコンテナの価格は?

20フィートコンテナの価格は新品で80万円以上、住居用のしっかりしたものなら400万円以上が目安です。

中古のコンテナであれば価格が下がり、1台20〜50万円ほどが目安になりますが、中古コンテナの場合は注意しなければいけない点があります。それは、中古のコンテナは、輸送用のコンテナがほとんどということ。

輸送用コンテナは建築基準に則っておらず、建築申請を通すことも非常に難しくなります。もちろん建築基準をクリアしていなければ、違法となります。

輸送用コンテナで認可を得るためには、追加で施工や補修工事が必要となり、結果として、本体費用と追加工事の費用を合わせると新品と同程度か、それ以上の費用がかかってしまう可能性があります。

中古コンテナを購入する場合は事前にしっかりと調べておきましょう。

輸送費や輸送に必要な設備は?

コンテナハウスは工場で組み立てたものを現場に運ぶため、輸送費がかかります。

輸送費の目安は、20フィートのコンテナハウス1台で5〜18万円程度ですが、運ぶ距離や台数、場所、大きさになどよって輸送費は変動します。

コンテナ自体が非常に大きくて重いため、20フィートのコンテナを運ぶためには4tまたは10tトラックが必須です。トラックから降ろして設置するにも、大きさや設置場所によってはユニック車やラフタークレーンが必要となります。

また、コンテナハウスを輸送するためにはトラックが通れる道幅が必要で、狭い場所には設置できません。周辺に電線が張り巡らされている場所も移設が難しく、大型のクレーンを使う必要がある場合も。

大型の機械が入れる広さがあるか、作業スペースがあるかなどにも注意しなければいけません。

設置できるかどうかは土地の形状にもよるので、事前によく確認しておきましょう。

固定資産税がかかる

コンテナハウスは建築物とみなされるため固定資産税がかかります。

固定資産税とは「家や土地などの不動産(固定資産)を所有している人にかけられる地方税」のこと。

コンテナなのに?と思うかもしれませんが、建物が地面に定着し、屋根や壁によって四方を囲まれているため、他の建物と同じように建築物として扱われます。

固定資産税額は、固定資産課税台帳に記載された評価額に1.4%をかけた金額を毎年納付しなければいけません。また、設置する場所によっては都市計画税もかかる場合があるので、よく確認しておきましょう。

固定資産税額は、たとえば土地や建物の評価額が1,000万円であれば、「10,000,000(評価額)×0.014(課税)」で、年間「140,000(円)」になります。評価額は3年ごとに見直されます。

ただし、固定資産税には「200㎡以下の土地には課税標準が6分の1になる」「課税床面積が120㎡までの部分(床面積が50平方メートル以上、280平方メートル以下であること)は新築3年間、税額が半額になる」などさまざまな軽減措置があり、条件によっては税金が安くなることもあります。

20フィートコンテナの活用事例 手に入れた未来を想像してみよう!

20フィートコンテナを使ったコンテナハウスの事例を紹介します。コンテナハウスは、用途も多種多様です。自分ならどんなコンテナハウスにするのか参考にしてみてください。

海岸線に佇むかわいいコンテナハウス

コンテナハウス・新築・リノベーションのEARTH SMARTが手がけた、大分県の海沿いにある家。

20フィートコンテナを2台連結させたコンテナハウスです。

コンテナハウスといえば重厚感やメタリックなどかっこよさを追求した建物が多いなか、この建物はコンテナのよさを生かしながら、かわいらしさを追求。海沿いにあり、淡いブルーが周囲とマッチし、とてもきれいな外観です。

コンテナ2台を連結させているため、開放感があり住宅としても十分な広さがあります。

内装はこだわりのおしゃれな空間。青、水色、白のタイルを使ったり、白い壁と木材を組み合わせたりと、ゆっくり海を眺めながら過ごすのにぴったりのお家となっています。

<参考:コンテナハウスの家 >

海の家をコンテナハウスで!

株式会社コンテナハウス2040.jpが手掛けたのは、なんと20フィートのコンテナハウス15台を使った海の家。

たこ焼き、イタリアン、ケバブ、お好み焼き、クレープなど、海水浴にぴったりなお店が集まり、賑わいの空間になっています。

海のきれいな景色とコンテナハウスのおしゃれな雰囲気とがマッチして、気分もさらに盛り上がりそうですね。飲食スペースにはパラソルやハンキングチェアが設置してあり、ゆったりくつろぐこともできます。

複数の店舗をコンテナハウスにすることで、それぞれのお店の個性を出しながら、海の家としての統一感も感じられます。

夜はライトアップされたコンテナハウスがより重厚感が増し、インパクト抜群です。

<参考:コンテナハウス施工事例 鎌倉由比ガ浜かまくら横丁 >

コンテナが駅の喫煙所に

同じく、株式会社コンテナハウス2040.jpが手掛けたのは、JR青梅線小作駅東口にある喫煙所。20フィートのハイキューブコンテナを2台使用しています。

1台は縦にして吹き抜けに。ガラス面も広くとってあり、窮屈さを感じないほっと一息できる開放的な空間です。

ホワイトの外観は駅の雰囲気ともマッチして、ここが喫煙所とは気づかないような、おしゃれな建物になっています。

<参考:コンテナハウス施工事例 JR青梅線小作駅 喫煙所 >

期間限定イートインスペース

株式会社 バローワークスを中心に、3社でコンテナハウスの設計から施工までワンストップで提供している「コンテナワークス」による、空き地に期間限定のキッチンカーをコンテナハウスで設置した事例です。

キッチンカーだと、食事は屋外かテイクアウトして別の場所になりがちですが、この事例では20フィートのコンテナハウスを2台設置し、イートインスペースとしているのです。

天候に左右されることなく、でき立ての料理をその場で食べられるのは魅力ですよね。屋上にはテラス席もあり、晴れた日には開放感のある場所で食事を楽しむことも。

事業者にとっても、コンテナハウスなら短期間で設置でき、しかも撤去も簡単なので相性抜群。インパクトと重厚感のあるコンテナハウスが目を引き、集客効果も期待できるでしょう。

見た目にもこだわりたいけど、期間限定だから……と諦める必要はありません。コンテナハウスなら、自分たちの思いを実現できる理想の空間を作ることができるのです!

<参考:【施工事例】20フィートコンテナを2台を利用した期間限定イートインスペース >

シャッター・出入り口付きガレージ

群馬県高崎市にある株式会社エーケーホームによるインパクト抜群なコンテナガレージです。

黒のシックな外観に、シャッターと出入り口が設置されています。ドアからすぐに入れるので作業するにも、物を取りに行くのにも便利で、シャッターがあれば大型バイクや自転車を出し入れするのも容易ですよね。

内装は一面オレンジに仕上げてありインパクト抜群。ガレージに入れば、思わず元気が出そうな空間になっています。

天井にはウレタンが吹き付けてあるので、温度対策もバッチリです。

ガレージがあれば、大事な愛車を雨風から守ることもでき、防犯面でも安心です。

<参考:施工事例 #08 シャッター&入り口付きガレージ >

レンタル倉庫をコンテナで

コンテナの風貌をそのまま活かし、その存在感を残したようなコンテナハウスを提供するのは、ATS, Japan合同会社

紹介するのは、個人が運営するレンタル倉庫やトランクルームとして設置しているコンテナ倉庫です。4ドアタイプの20フィートコンテナを5台設置しています。

グレーの外観にオレンジの扉がアクセント。周りからもここは何だろうと注目の的になりそうですね。

他にもカラフルなカラーを採用することで清潔感を感じられ、倉庫を使用する人も安心できるはず。

コンテナの耐久性と頑丈さも倉庫にぴったりです。

<参考:個人運営のレンタル倉庫・トランクルーム用にコンテナを作成・設置(北海道函館市石川町)

コンテナ2台でL字型オフィス

同じくATS, Japan合同会社が提供するのは、20フィートのコンテナ2台をL字型に繋げた事務所兼倉庫。

外観はシックですが、一転して内装は白い壁に、床や奥面の壁はウッド調に仕上げた明るい空間となっています。インテリアも内装に合わせて統一感を持たせ、落ち着いた雰囲気の中で仕事も商談もはかどりそうですね。

エアコン本体のカラーやコンテナ外部に付けた照明にもこだわり、自分たちの理想のコンテナハウスを実現しています。

<参考:グレー×ホワイト×ウッド調のシンプルなデザインL字事務所型コンテナハウス >

趣味を思う存分!遮音コンテナハウス

ATS, Japan合同会社は趣味の空間も提供しています。

自宅の敷地内に設置した趣味の音楽を満喫できる20フィートのコンテナハウスは、自分だけの空間を満喫でき、遮音シートを貼ることで大きな音量で音楽を楽しんでも音漏れの心配を軽減できるようになっています。

外装は錆止めと仕上げ塗装、内装は床と壁、断熱施工、遮音施工とダウンライト設置のみでシンプルな空間ですが、エアコンや棚は購入者がDIYして自分で用意するスタイルです。DIYが得意な人なら、こういったスタイルもありですね。

インターネット回線の引き込み用配管も設置済みで、音楽も映像も思う存分楽しめるはず。

DIYして費用を抑えながら、オリジナリティを存分に発揮できる自分だけのホビールーム。人生がさらに豊かになりそうです。

<参考:音楽に没頭できる!自分だけのホビールーム用遮音コンテナハウス(長野県下伊那郡) >

20フィート以外のサイズもある

コンテナハウスには20フィート以外にも、31、40フィートなどさまざまなサイズがあります。ここでは20フィートと比較するかたちで、31と40フィートのサイズや内容積などを紹介します。

20フィート 31フィート 40フィート
外寸長さ(m) 6.058 9.41 12.192
外寸幅(m) 2.438 2.438 2.438
外寸高さ(m) 2.591 2.591 2.591
内寸長さ(m) 5.826 9.245 12.032
内寸幅(m) 2.286 2.31 2.352
内寸高さ(m) 2.563 2.21 2.385
内容積(m³) 32.1 48 67.5
自重(kg) 約2400 約3800
積載重量(t) 28.28 26.68
広さ(畳) 7.7 12.2 16.2

サイズや容量はそれぞれのコンテナハウスによって若干異なるため、目安になります。

全長は20フィートから40フィートと長くなるにつれて大きくなりますが、輸送しやすいように幅や高さは20フィートでも40フィートでもほとんど変わりません。積載重量に関してもどのコンテナサイズでもほぼ同一となります。

コンテナハウスを考えているなら「スマートモデューロ」という選択肢も!

コンテナハウスの広さやその用途などを見てきたところで、他によい選択肢がないかなと考えている人は「スマートモデューロ」も合わせて検討してみてはどうでしょうか?

スマートモデューロは3mタイプの「モデューロ」と、6m・12mタイプの「スマートモデューロ」の2種3サイズがあります(以下、総称して「スマモ」)。

コンテナハウスとスマモの違いや特徴について、詳しく解説していきます。

スマモは桁違いの快適性

スマモは、移動性を考え輸送コンテナと同じサイズを採用しているため、コンテナハウスと混同されがち。ですが、スマモはすべて木材を使って作られており、その快適性は一般住宅に引けを取りません。

室内に入った瞬間から、木の香りがして自然の中にいるかのようなリラックスできる空間。窓、床、屋根、壁、すべてにこだわって作っているため、冬は暖かく、夏は涼しく快適な環境。

他にも耐久性、気密性、遮音性、耐風圧性などにおいて、一般住宅以上の性能を誇っています。スマモなら、コンテナハウスの不安を一掃できるのではないでしょうか。

自由なレイアウトが可能

スマモも、コンテナハウスと同じように自由なレイアウトが可能です。

組み合わせて広くしたり、条件しだいでは2階建てにすることも。もちろんキッチンやバス、トイレを設置でき、内装は自由に決められるのでオンリーワンの空間を作り出せます。

スマモはその用途も多岐にわたり、住宅や店舗、宿泊施設、コロナ対策用の検温室などさまざまな場面で活躍しています。

室内環境の調整や維持がしやすいことから、管理の難しいワインの貯蔵庫や美術品の保管場所として利用する人も!高品質のスマモだからこそできることですね。

導入もかんたん!

コンテナハウスと同様に、スマモも工場で建物を組み立ててから現地に運ぶので、一から建てるよりもスピーディに設置でき、工期短縮で人件費も削減できます。

また、引越しする際や、店舗の移転といった場合でも、建物ごと移動できるので、労力や費用の負担も最小限で済みます。ほかにも、家族が増えた、お店を大きくしたいといったときには、スマモを増設して広くすることも可能です。

万が一の場合でも自社工場で製造しているため、アフター対応が万全なのも安心ですよね。

スマモに関してもっと詳しく知りたい人は、スマモの特徴やメリット、価格などを紹介したこちらの記事も参考にしてみてください。

自分の理想を実現しよう!

20フィートのコンテナハウスには幅広い用途があり、一から建物を建設するよりも経済性に優れています。

また、レイアウトのパターンも自由度があり自分好みに演出することもできます。

ただし、経済性に優れるとはいえ、コンテナハウス購入時の費用は本体価格だけではありません。輸送費や固定資産税なども考慮して検討しましょう。

コンテナハウスならお店や自宅、ガレージ、プライベートルームなどデザイン面でも費用面でもメリットが多いので、自分の理想を実現できるでしょう。

また、コンテナハウス以外にスマートモデューロのように理想を実現する選択肢もあります。自分がなにを実現したいのかをしっかりと考えて検討してみてください。