デザインも豊富!おすすめのタイニーハウスを紹介
最近、一戸建ての住宅や、アパートやマンションのような集合住宅とも違う、新しいかたちの住まいが増えています。
その住まいとは、ムービングハウスやコンテナハウスといった狭小地でも設置できるコンパクトな住宅。いま住んでいる住宅の離れ(はなれ)としても利用でき、水道やガスなどのライフラインを引いてメインの住まいにもできる建築物です。
コンパクトなサイズで、シャーシに載せれば移動も可能なため、居住用だけではなく店舗やオフィス、宿泊施設としても大活躍しています。
中でも「小さな家」を意味するタイニーハウスは、自分でも組み立てることができる手軽さに加え、用途や予算に合わせ自由にカスタマイズしてさまざまな間取りが実現できるのです。
この記事では、タイニーハウスの購入を検討している人のために、タイニーハウスで実現できることやおすすめの間取りを紹介します!
どんなライフスタイルにも合うタイニーハウス
かつて、マイホームは人生最大の夢ともされていました。もちろん今も、自分の家を建てることを目標にしている人も多いでしょう。
しかし、それと同時に「大きな家で物に囲まれた暮らしよりも、費用を抑えてシンプル。快適な空間があれば、それだけで充分に幸せ」と考える人も増えています。
その背景には、物があふれる時代になったことや、災害やコロナ禍などで長期の住宅ローンのリスク面が実感されるようになったこと、Dinksといった夫婦2人での人生を選択する人が増えてきたことなど、多くの要因があるでしょう。
一方で、子どもが大きくなるにつれて住んでいる住居が手狭になってきた……、新型コロナウイルスによるリモートワーク導入にあわせ郊外でのんびり暮らしたい……など、さまざまな理由で離れやセカンドスペースを求める人におすすめしたいのがコンパクト住宅のタイニーハウスです。
タイニーハウスは自由度が高く、アイデア次第でどんなライフスタイルにもぴったりの間取りを実現できるのです。しかも、一般住宅を建てるよりもずっと低コストに!
自分や家族のための快適な空間を手に入れてみましょう。
タイニーハウスの固定型と移動型のメリット・デメリット
タイニーハウスは固定型・移動型を選択でき、多様なライフスタイルに合わせられます。
固定型とは普通の住まいのように土地に固定して設置するタイプのことで、移動型は特定の場所に固定せずに必要に応じて移動できるタイプのことです。それぞれにメリット・デメリットがあるので、しっかり理解した上でライフスタイルに合う方を選びましょう。
固定型のメリット
固定型のメリットは、なんといっても通常の住まいと同様の快適性が確保できること。たとえば、水道や電気、ガスなどのライフラインを引くこともでき、すでにある住まいの離れとして導入するのに最適でしょう。
また、住民票をおくこともできるので、メインの住居としても活用できます。
固定型のデメリット
通常の住居同様に使用できる固定型は、法的にも「建築物」扱いとなります。そのため、土地とタイニーハウスそれぞれに対して固定資産税がかかります。
移動型のメリット
移動型は土地に固定しないので、法律上の扱いは建築物ではなく車両となります。そのため固定資産税はかかりません。
それだけでなく、常にシャーシに載せた状態なので移動が簡単。固定型を移動させるためのシャーシの用意や積載といった手間がないので、費用も抑えることができます(シャーシの上に載せたままの移動型タイニーハウスは、扱いとしてはトレーラーハウスと同様です)。
移動型のデメリット
シャーシに載せたままの移動型は、物理的にはいつでも移動可能と思いがちですが、実際には細かい打ち合わせや申請が必要になり、すぐに動かせるわけではありません。また、タイニーハウスの重量が750Kgを超える場合は牽引免許も必要になります。
タイニーハウスおすすめの間取り!
タイニーハウスに興味はあるけれど、はたして自分のライフスタイルに合うかな……。そういった心配や不安を感じる人も多いでしょう。
しかし、タイニーハウスは自由度が高く、種類も豊富!さまざまなライフスタイルに合わせられるのがその特徴です。
子どものいる家族や、夫婦2人だけの生活を楽しむDinksなど家族構成に合わせた間取りはもちろん、旅や移動を重視したり、通常の住まいと変わらない快適性を追求したり、ほかにもL字型や正方形型、側面に入り口を設けて空間の自由度をとことん高めたタイプなどがあります。
固定型や移動型、形、間取りを工夫して、自分のライフスタイルにぴったりのタイニーハウスを見つけてみましょう。
いつまでも、夫婦二人で仕事も生活も満喫したい!
冒頭でも紹介したDinks。すこし前から増えてきた夫婦のかたちのひとつです。
Dinks(ディンクス)とは、「Double Income No Kids(2つの収入、子どもなし)」の頭文字をとったもので、共働きで子どもを意識的にもたない夫婦のことです。
Dinksは、夫婦2人の時間や生活を大事にしたいという価値観なことが多いため、快適性を追求したワンルームなどがおすすめでしょう。
タイニーハウス「ノッポ」
天城カントリー工房の「ノッポ」は、サイズが4,950mm×2,325mm×5,050mmのワンルームタイプのタイニーハウスです。
ロフト付きで、ロフトを寝室にすれば部屋を広々と使えます。ロフトが必要なければ平屋タイプの「チビタ」もあり、こちらはノッポよりも費用を抑えることができます。
逆に、ノッポで物足りなければ、ワンランク上の「THE・B」もオススメ。こちらはノッポをベースにしてさらに増設したり、連結したりと、より快適な空間をカスタマイズできます。
夫婦ともにリモートワークの場合など、連結して二部屋にすることでお互いの作業やオンラインミーティングの邪魔をする心配もありません。
ノッポを提供している天城カントリー工房は、他にもたくさんのタイニーハウスを発表しています。
オフィス用や、コテージ、バーベキューハウスなど、用途に特化したタイニーハウスも豊富に取り揃えています。そのすべてが、なんと静岡県産の直径30センチ以上の杉丸太で作られた、天然無垢の木造建築なのです。
天城カントリー工房「ノッポ」
G.WORKS「紀州材タイニーハウス・デッキ付き高床式タイプ」
木の国と呼ばれる紀州、和歌山県で育った紀州材は、よく締まった密度の高い強い木材です。
G.WORKSのタイニーハウスは、龍神材と呼ばれる木材を中心にこの紀州材がふんだんに使われているのが特徴。
それに加えてデッキ付き高床式タイプは三層構造になっているので、断熱効果も抜群。夏涼しくて冬暖かい上に、高床式ならではの風通しのよさで湿気とも無縁です。
一年中快適に過ごせるので、夫婦2人暮らしのDinksには広さや設備、居住性などぴったりですね。
G.WORKSはほかにも板屋根タイプやマルシェタイプなど、田辺市龍神村で育った紀州材を使ったタイニーハウスを展開しています。
家ごと旅する自由な暮らし!
タイニーハウスには、移動ができるタイプのものがあり、とくに地面に固定せずシャーシに載せたままの移動型であれば、その手軽さは想像以上。
移動をするための経費は必要になりますが、夏は涼しい北へ、冬は暖かい南の地へという贅沢で快適な暮らしも夢ではありません。
移動することを前提に、物を最小限まで抑えたコンパクトライフもタイニーハウスなら簡単に実現できますね。
カーサ・プロジェクト株式会社「mobile casa」
カーサ・プロジェクト株式会社とYADOKARIが共同開発した「mobile casa」は、“移動”と“居住”を両立させ、ハウス部分は柱と梁を組む日本の木造住宅とまったく同じ建築方法を採用したタイニーハウスで、強風や地震の揺れにも強い作りになっています。
また、上下2層に分かれた居住空間にはリビングやキッチン、シャワースペースが備えられています。上部のロフトはベッドルームとして使える作りになっていて、大人4人が暮らせるようになっています。キッチン、バス、トイレや洗濯機なども使えるので、生活する上での不便はありません。
移動することを前提に作られたmobile casaは、土地に固定しないだけでなく、普段からトレーラーに載せたまま暮らすことも視野に入れて設計されています。
Snow Peak「住箱」
Snow Peakの「住箱」は、移動することを前提とした軽い合板で作られたタイニーハウスです。内装はシンプルな木造でカスタマイズ可能。そのままでも十分な強度がありますが、ベッドなどの重たいものを置く場合はオプションで床板をさらに強化することもできます。
そのほか、オプションで照明やロールスクリーンなども用意。もちろん換気扇やエアコン類などの設置も可能です。
アウトドアの総合メーカーであるSnow Peakは、タイニーハウスだけでなく、その室内外で使用できるキャンプギア用品なども扱っています。また、銀座に直営店「スノーピークモバイル銀座」があり、タイニーハウスについて相談することもできますよ。
L字型や正方形のものまで!個性豊かなタイニーハウスも
タイニーハウスは、Dinksや移動型といったライフスタイルに合わせたものだけではなく、デザインを重視したものや、普通の住まいと変わらないくらいの広さや快適性を備えたものなどさまざまなものがあります。
そのような個性豊かなタイニーハウスをいくつか紹介します。
コンテナ連結型タイニーハウス
コンテナはそれだけだと四角い無機質な空間ですが、複数のコンテナを連結させれば居住はもちろん、オフィスとしても十分に使える広さにできます。
壁に開口部を設け大きな窓を付けたり、複数のコンテナで広大なスペースを作ったり。もちろんコンテナは横方向の連結だけではなく、縦方向にも!
テラスやベランダを設置することもできますよ。
YADOKARI株式会社「goodman westlink containers office」
テラス付きタイニーハウス
コンパクトなタイニーハウスは、どうしても小ぢんまりとした印象になってしまいがち……。しかし、YADOKARI株式会社の「Atlas」のように開放感いっぱいのタイニーハウスもあります。
オプション仕様となっていることが多いテラスが標準で付いています。カバーを広げるだけで大きな屋根付きテラスになり、ほかにもソーラーシステムがあったり、雨水を濾過できたりとアイデアいっぱいのタイニーハウスです。
L字型や正方形も!個性豊かなタイニーハウス
ご紹介した以外にも、建物の形自体がL字タイプであったり円盤状であったりなど個性的なタイニーハウスもたくさんあります。
タイニーハウスの利便性を兼ね備えた「スマートモデューロ」にも注目!
高い居住性を備えつつ、移動もできる住まいとして人気のタイニーハウス。
とはいえ、移動できる暮らしにはタイニーハウスしか選択肢がないかというとそんなことはありません。
たとえば、スマートモデューロ。ムービングハウスであるスマートモデューロも、移動できる住居としての能力を十分に備えているのです。
スマートモデューロのメリット
スマートモデューロは高級木材を使用した木造ハウスで、室内には自然の中にいるかのような木の香りが広がります。心身ともにリラックスできる木の香りは、子供の発達によい影響をもたらすとも言われています。
リラックスできることで集中力も高まり、子供だけでなく大人も在宅ワークなどの仕事もはかどるでしょう。
メリットは木造であることばかりではありません。スマートモデューロは屋根や床、壁などの厚みが一般住宅の2倍以上!これは主に断熱材の厚みで、屋根は素材そのものの厚みです。この厚みで外気が中に通りにくく、雨風などによる劣化も抑えてくれるわけです。
また、その高い気密性のおかげで、夏は涼しく冬は暖かいといった室内空間に。加えて、調湿効果のある木造のため梅雨の時期の蒸し暑さも軽減できるのです。
3m、6m、12mと3タイプが用意されていて(3mタイプは、「モデューロ」という商品名です)、必要に応じてあなたの「ちょうどいい空間」を作ることができます。それぞれのタイプを連結することで、間取りや空間を広げられることもスマートモデューロの魅力のひとつです。
このように快適な居住性と安心の耐久性を備えているのがスマートモデューロです。
スマートモデューロのデメリット
スマートモデューロは、あくまでも据え置きが前提となっています。移動はできるものの、それに特化しているわけではありません。そういった面から、移動のしやすさや手軽さではタイニーハウスの方が利便性が高いでしょう。
また、デザインの種類が限られているため、外装デザインにこだわる人には少し物足りなさを感じるかも……。
多様性の現代だからこそ、暮らしのあり方も見直してみては?
現代のライフスタイルは、かんたんに一括りにできるものではありません。多種多様な生活スタイルがあり、快適とされる住まいも人それぞれに違うものなのです。
自由度の高いタイニーハウスは、どんなライフスタイルにも合わせられる柔軟な新しい住まいのかたち。それはタイニーハウスだけではなく、コンテナハウスやムービングハウスといったコンパクト住宅も同じでしょう。探せばきっと、自分にぴったりの住まいが見つかるはず。
自分らしくいられるのはどんな暮らしなのでしょうか。ぜひ本当に快適な生活空間を手に入れてください。