プレハブってどんなもの?プレハブのメリットやデメリット
皆さんは「プレハブ」と聞いて、どのような建物を思い浮かべますか?
簡易的でシンプルな作りの物置小屋や仮設住宅。「夏は蒸し暑くて、冬は凍えるような寒さになりそう……」といった、快適さとはほど遠いイメージではないでしょうか。
そんなプレハブですが、実はこれまでのイメージをくつがえすようなまったく新しいものに進化して、住宅利用も可能なほど快適な建物になっています!
今回は、「プレハブってこんなにいいものなんだ!」と思ってもらえるように、プレハブについて詳しく紹介します。
プレハブのことを知れば知るほど、きっと驚かれるのではないでしょうか。
そもそも「プレハブ」ってなんのこと?
プレハブとは、あらかじめ工場で作っておいた部材を、現場で組み立てるという建築工法で作られた住宅のこと。
「あらかじめ」と「製造」を意味する「Pre-fabrication」の略称で、商品カテゴリではなく建築工法のことを指しています。
一般的に、住宅を建てる際は現場に必要な資材を運び、その場で建築作業を行います。
これに対して、プレハブは製造の大部分を工場で行うのが特徴です。工場であらかじめ製造し、現場では組み立てをメインに行うことで、設置にかかるコストや時間、工数を大幅に削減できるというわけです。
プレハブは工事現場などから利用が始まりましたが、最近では、カスタマイズ性に優れた特徴的なプレハブや、リモートワーク用の部屋や趣味部屋などの用途にも適したプレハブなど、さまざまなタイプが登場しています。
プレハブに住むことはできるの?
たしかに、プレハブの当初の用途やイメージは、皆さんが思い浮かべた簡素な物置小屋や一時利用の仮設住宅といったものでした。
しかし近年では、断熱工事などもしっかりされて住居利用もできるプレハブが登場し、その活躍の幅が広がっているのです。
プレハブは人件費や建築費用などを抑えることができとてもリーズナブルなため、トレーラーハウスやコンテナハウスといった建物とあわせて注目を集めています。
「仕事に集中できる部屋がほしい」「趣味に没頭できるスペースがあれば」といった人にとって、プレハブは新たな選択肢ともいえるでしょう。
プレハブのメリット・デメリット
プレハブのメリットやデメリットについてもしっかり確認しておきましょう。
「よい点だけでなく、デメリットもしっかり把握しておきたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
プレハブのメリット
まず、プレハブの主なメリットを5つご紹介します。
① 工期が短い
プレハブのメリットの1番目は、一般住宅と比べて圧倒的に工期が短いこと。
プレハブは工場であらかじめ製造された部材を現場で組み立てるだけなので、現場でゼロから建築する一般住宅と比較して、工期がかなり短縮できます。
工期が短いということは、たとえば完成を待つ仮住まい期間も最小限で済ませられますね。
② 費用を安く抑えられる
プレハブのメリットの2番目は、費用を安く抑えられること。
工期が短いため、仮住まいの費用や、建築に携わる人件費を安くできるのです。また、プレハブの建築に必要な部材は工場で大量生産されており、これも費用を安く抑えられる理由のひとつです。
③ 品質が安定している
プレハブのメリットの3番目は住まいの品質が安定していること。
一般住宅の場合、良くも悪くも品質は職人さんの腕にかかってきます。
しかし、プレハブの場合は、部材の大部分が工場で生産されるため、一定の品質を保ちやすくなっています。
④ 自分にぴったりなプレハブを作れる
メリットの4番目は、カスタマイズして自分にぴったりなプレハブを作れること。
プレハブというと、「シンプルで個性を出しにくいのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、最近では、屋根や床、サッシなどをカスタマイズできるオーダーメイドのプレハブも登場しています。
カスタマイズの種類も豊富で、“オンリーワン”に近いプレハブを作ることができます。
⑤ 完成後も修繕やリフォームがしやすい
メリットの5番目は、完成後の修繕やリフォームがしやすいこと。
短い工期で建てられるプレハブは、住まいとして利用し始めたあとの修繕やリフォームも比較的かんたんに行えます。
一般住宅と比較してメンテナンスしやすいという点も、プレハブの魅力のひとつですね。
プレハブ工法を利用したミニハウスもおすすめ!
また、最近では、多彩な使い方ができる「ミニハウス」という住宅も登場しています。
ミニハウスとは、その名の通り「小さな家」のこと。ミニハウスを趣味の部屋やリモートワークのスペースとして、さまざまな用途で活用するのもいいですね!
プレハブ工法を採用しているため、このようなプレハブのメリットを最大限に活かせるのもポイントです。
デメリット
メリットの多いプレハブですが、注意しておきたいデメリットも。ここでは、プレハブの主なデメリットを3つ挙げます。
プレハブの購入を決めてから「思っていたのと違う……」と後悔しないように、デメリットもしっかり確認しておきましょう。
① デザインや間取りに制限も
プレハブのデメリットの1番目は、デザインや間取りが自由にならない場合があること。
プレハブは屋根や床などをカスタマイズできますが、たとえば「円形にしたい!」「2階建てにしたい!」など、デザインや間取りの希望がすべて叶うというわけではありません。
というのも、多くのプレハブは部材を工場で大量生産しており、規格化された部材を変更することは難しいからです。
そのため、「とことんまでデザイン性にこだわりたい!」「なによりも希望のデザインで建てたい」といった人は、やや不満に感じるかもしれません。
②カスタマイズが不可能な部分もある
自分好みにカスタマイズできるプレハブが増えてきているものの、中にはどうしてもカスタマイズが不可能な部分もあります。
床やサッシなどを選ぶことはできても、すでに規格化された部材に関してはカスタマイズすることはできません。
プレハブのカスタマイズは「希望のデザインを伝える」というよりは、「提示されたデザインや部材の中から、自分好みのものを選ぶ」といったイメージになります。
③ 専門業者との打ち合わせが必要
プレハブのデメリットの3番目は、専門業者との入念な打ち合わせが必須なことです。
プレハブとはいっても、住むことには変わらないので、希望やカスタマイズについてしっかりと打ち合わせを重ねる必要があります。
思ってもいない仕上がりになってしまい、「こんなはずじゃなかった!」とならないように、事前の計画と専門業者との打ち合わせが欠かせません。
まだまだある!プレハブのいろんなタイプ
プレハブのメリット・デメリットについて把握できたところで、次にプレハブの種類を見ていきましょう。
大きく分けるとプレハブには、木質系・鉄鋼系・コンクリート系・ユニット系の4タイプがあります。
それぞれに、使用する部材や工期、耐久性などが異なるので自分に合ったタイプを選ぶことが大切です。ここでは、それぞれの特徴や構造・工法、そして代表的な製造・販売メーカーを取り上げます。
木質系
木質系のプレハブ住宅は、工場で生産された木質パネルを組み立てて作られたものです。
壁や柱、床、屋根などプレハブの主要構造部は木質系の部材が使用されており、さまざまな建て方に対応できるのが特徴です。
- ヒカリハウス
株式会社光ハウジングは、プレハブハウスの製造・販売メーカーです。
多くの「ヒカリハウス」は、工場で部材を生産し、現場でフレームや部材を組み立てるという木質パネル工法が採用されています。
鉄鋼系
鉄鋼系のプレハブ住宅は、鉄骨の柱を主要構造部材として梁や壁パネルに用いたもので、鉄骨系プレハブとも呼ばれます。
鋼材の溶接も工場でほぼ済ませておき、現場ではボルトを固定するだけと、とりわけ工期が短いのが特徴です。
また、鋼材が主部材のためコストが安定しやすいこと、そして火災に強いことなどがメリットとして挙げられます。
- ナガワ
株式会社ナガワは、プレハブ・システム建築などの規格や製造、販売、工事を行っており、「スーパーハウス」という商標で知られています。
ナガワの「スーパーハウス」は、全溶接鉄骨造で耐久性に優れています。
製造工程のおよそ9割を工場で行い、環境に優しいのも特徴のひとつです。
コンクリート系
工場で生産したコンクリートパネルを現場で組み立てて建てるタイプです。
組み立て方は木質系プレハブと変わりありませんが、木材パネルの代わりにコンクリートパネルを使用します。他の工法と比較すると、耐久性能が高く、遮音性や耐火性に優れています。
ユニット系
ユニット系のプレハブ住宅は、鉄骨のフレームや木材パネルで構成された箱(ユニット)を工場で生産し、現場で組み立てて建てます。
床や壁、天井といった内装はもちろん、キッチンやバスタブなどの設備も工場であらかじめ取り付けることができ、工場生産化率が高いという特徴があります。
そのため工期が短く、基礎を除いた組み立てがたった1日で完了するほど。現場での廃棄物も少なく、環境にも優しい工法です。
- ユニットハウスジャパン
株式会社九州スーパーハウスが運営する「ユニットハウスジャパン」では、ユニットハウス・プレハブの製造と販売、レンタルを行っています。
事務所や倉庫、店舗はもちろん、離れや小住宅などさまざまなデザイン・仕様のユニット系プレハブ住宅を取りそろえています。
- MOBILE SPACE
三協フロンテア運営の「MOBILE SPACE」は、ユニットハウスの販売やレンタル、施工を行っています。
空間を自由自在にカスタマイズできるモデルや、ガラス張りとウットデッキのエントランスがおしゃれなモデルなど、さまざまなユニットハウス・プレハブを提案しています。
タイプを気にせずいろいろ見てみたい!
「プレハブをいろいろ見てみたい!」「プレハブのタイプで迷っている」という人は、各メーカーのプレハブを取り扱っている総合サイトなども見てみましょう。
たとえば、「プレハブ住宅」「勉強部屋」「プレハブ事務所」のようにタイプ別にまとめて見ることができるサイトもあるので、比較や検討にも役立つでしょう。
- 環境生活
「環境生活」は、物置やゴミステーション、プレハブ、ガレージなどを取り扱う総合サイトです。
ローコストな「ユニットハウス」もおすすめ!
プレハブに興味を持っている人には、さらにローコストな「ユニットハウス」もおすすめです。
ユニットハウスとは、工場であらかじめ完成させた建物をトラックで現場まで運送し設置するという建築工法で建てられた住宅のこと。プレハブ住宅に続いて、1990年代から広がりを見せています。
プレハブよりもさらに短期間かつローコストなのが最大の特徴で、必要な施工期間は、なんとおよそ1日!
また、プレハブよりも耐震性が高いため地震にも強いというメリットもあります。
プレハブやユニットハウス派にもおすすめ「スマートモデューロ」
プレハブやユニットハウスに興味のある人なら、「スマートモデューロ」も選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょう。
購入するなら、やはりプレハブやユニットハウスの方がリーズナブルな場合が多いのですが、一方で、スマートモデューロ(以下、スマモ)はレンタルでの利用もできます。
レンタルあれば、高級住宅に引けを取らない快適な空間が3mタイプで月22,000円から利用でき、初期費用も抑えられるので導入ハードルがぐっと下がるのではないでしょうか。
スマモってなに?
スマモとは、一般住宅以上の性能を持つ、木材で作られたムービングハウスのことです。
内装や外装だけでなく、フレームまで木材なので、室内は木の香りが広がる癒しの空間に。
さらに、スマモの窓や床、壁は一般住宅の2倍以上の厚みで高い断熱性能を持っています。そのため、外気が室内に入り込みにくく、季節を通じて快適に過ごすことができるのです。夏は涼しく、冬は底冷え知らずな空間。なんだか夢のようですよね。
ちなみに、スマモは外から見るとコンテナハウスとよく似ていますが、実際にはまったく異なるものです。似ているのは、スマモが「コンテナ規格のサイズ」だから。ですが、サイズが同じだけで、実際には「木造住宅を移動できる家にしたもの」といったイメージに近いのです。
高い性能を持つ建物でありながら、スマモは、ユニットハウスと同様に工場で製造された完成品を運んで設置するだけです。工期やコストを大きく抑えられるのもその魅力です。
プレハブの部屋を検討しているのなら、スマモという選択肢もアリなはず。高級住宅のような快適な空間が手に入りますよ。
プレハブで快適な空間を手に入れよう
今回は、プレハブの特徴、そのメリットやデメリットを紹介しました。
「プレハブって簡素で一時利用的な建物」といったイメージを持っていた人も、きっと「プレハブって意外と快適かも!」と思ったのではないでしょうか。
おしゃれなデザインのプレハブなら、離れやリモートワークの仕事部屋、趣味の空間として活用するのもいいですね。
コロナ禍でリモートワークが主流になった今、ぜひプレハブの利用を検討してみてください。