木の家って実際どうなんだろう?
木の家の素朴な疑問にズバッとお答えするよ
Q木でできた家って、寒いのでは?
A今の技術で建てた家はしっかり温か。木は断熱性に優れた素材なんだ。昔の木の家は寒いイメージがあったかもしれないね。
木の家はむしろ温かいんだよ。
木は、コンクリートの約13倍、鉄の約440倍もの断熱性がある素材なんだ
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木、コンクリート、鉄の中で、木は一番熱を逃がしにくい素材なんだ。木を顕微鏡で見てみると、細胞壁によって細かく区切られていることがわかる。このひとつひとつに空気が含まれていて、高い断熱性を生み出しているんだ。
寒い家は要注意!寒すぎる家は健康に有害と言われているよ
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日本の家が実は寒すぎる、という話を聞いたことはあるかな?
冬の室内の温度について、WHO(世界保健機関)は冬の室内の温度を最低でも18度以上にすることを強く勧告しているよ。血圧の上昇やヒートショック、さらには呼吸器系の病などを招きかねず、最悪の場合は心筋梗塞などにつながることもあるというから、ショッキングな話だよね。
日本の家のリビングの平均気温は、ほとんどの県で18度を下回っているんだ。適切な暖房の使用や、そもそも家に断熱性をもたせるように工夫することが大切だね。
Q木の家って長持ちするの?
A日本の神社仏閣は木造で長い歴史があるよね。木は耐久性に優れた素材なんだ。
しっかりした維持管理をすれば、一生住むことができるよ。
防腐と湿気、シロアリ対策をすることが大切だよ
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木が腐ってしまう4大要素は何かわかるかな?「水分・酸素・温度・栄養分」なんだ。この4つがそろってしまうとよくないんだけど、逆に1つでも欠けていれば木は腐らないんだ。
この中で注意しやすいのは、「水分」と「栄養分」だね。水分を避けてできるだけ乾燥した状態を保つために、雨がかからないように軒を長くしたり、地面から水分が上がってこないような「ベタ基礎」という建て方をすればいいんだ。
ベタ基礎は、家の底面全体にコンクリートを流し込んだ基礎のことだけど、この方法によって木の大敵でもあるシロアリも防ぐことができるよ。
メンテナンスをしっかりすれば100年もたせることができるよ
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木でできた歴史的建造物で、有名なものとしては、奈良の法隆寺が挙げられる。現存する世界最古の木造建築物といわれているよ。法隆寺が最初に建築されたのはなんと608年、その後いったん焼失して7世紀後半に再建されている。
昭和の大修理でいったんすべてばらして修復を行ったんだけど、予想に反して、軒など直接雨風にふれるところ以外は、もともとの木材を使えたんだって!すごいよね。法隆寺では、木材の中でも耐久性の高いヒノキが使われているよ。
現代の木造住宅も、定期的なメンテナンスをしっかり行えば、劣化部分の早期発見と改修ができて、100年くらいはもたせることができるよ。
Q木造住宅はメンテナンスが高くつく?
A耐久性のある木材を使って、維持計画をあらかじめ立てておくことで、メンテナンス費用を低く抑えられるんだ。木に限らず、家の素材は何を使ってもメンテナンスは必要で、コストはかかる。
長くおつきあいできる業者選びが大切だね。
計画段階から、素材の耐久性と、メンテナンス周期を意識しておこう
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天然の木材を使用すると、カビやシロアリなどの被害を受けやすいというデメリットが確かにある。でも、建てる時点で、「ベタ基礎」にして地面からの湿気やシロアリの侵入を防いだり、木材にシロアリ対策の薬剤を流布しておいたりといった対策をしたり、数年ごとに防蟻薬剤を施したりすれば大丈夫。
家を建てる時点で、耐久年数の長い素材を使うことと、メンテナンスが必要であることを意識しておこう。そうすると結果的に処置の頻度が減って全体のコストを抑えられるよ。
DIYではなく専門業者のサポートを受けよう。結果長く維持できるよ
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木を使った家も、耐震性はほかの素材の家と変わらないし、耐久性も本来優れているから安心してね。
ただ、木にはほかの素材にはない、湿度を調整してくれる効果があって、湿気を吸って膨らんだり縮んだりする。そうやって変化しても長持ちさせるためには、木の特性をしっかり見極めることができる、長年の経験と高い技術が必須なんだ。
せっかく家を建てるなら、大切に長く住みたいよね。ノウハウがあって信頼できる業者を選び、DIYではなく専門のサポートを受けるほうが断然いいんだ。